
株式会社電通デジタル(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:瀧本 恒)と国内電通グループの3社(株式会社電通、株式会社電通コンサルティング、株式会社電通総研)は、CRMを起点とした顧客体験の向上と事業・組織変革を支援する「Biz CRM For Growth」の提供を開始したことを発表しました。クリエイティブ、テクノロジー、コンサルティングに関する各ソリューションをワンストップで提供する体制を構築し、企業の現状分析から経営戦略立案、マーケティングの実行・改善までを一気通貫でサポートすることで、企業の収益向上に貢献するとのことです。
この記事の目次
「Biz CRM For Growth」開発の背景
近年、消費者(顧客)の購買行動や価値観は急速に多様化しています。デジタル化の進展に伴い、企業には膨大な購買データの分析・マーケティング活用や、セキュリティを確保した環境での顧客情報の管理・活用など、より柔軟で高度な顧客対応が求められるようになってきました。
BANIと呼ばれる"感性"がより重要視されるこれからの時代においては、データに基づく分析に加え、電通グループが強みとする顧客の深層的なニーズや感情を捉えるコミュニケーション設計など、クリエイティブが果たす役割がますます大きくなると考えられます。
このような背景から、電通デジタルを含む電通グループ各社では、これまで主にマーケティングROIの向上を目的として活用されてきたCRMの概念を再定義したとのことです。新たなCRMは、中長期的な顧客生涯価値(LTV)を高め、企業の収益性を向上させ、事業や組織に変革をもたらすものとして位置づけられています。
「Biz CRM For Growth」の特徴と提供価値
「Biz CRM For Growth」は、従来のCRMが担ってきた広告・マーケティング領域の支援にとどまらない、包括的なサービスとなっています。CRMを起点として、現状分析から経営戦略の立案、業務やシステムの設計・導入、運用支援、そして継続的な改善までを一気通貫でサポートします。
具体的には、以下の4つの変革フェーズに分けて、電通グループが持つ最適なソリューションを提供するとのことです。
- 戦略設計(Strategy Planning)
企業の現状を分析し、経営戦略の立案を支援します。顧客データの活用方法や、顧客体験の向上策を検討します。 - 要件定義/開発(Requirement Define/Develop)
戦略に基づいた業務やシステムの設計・導入を行います。顧客データを効果的に活用するための基盤を構築します。 - 運用最適化(Operation Optimize)
導入したシステムや業務プロセスの運用をサポートし、最適化を図ります。 - 業務高度化(Advanced Modeling)
データ分析や顧客インサイトに基づき、継続的な改善を実施します。より高度な顧客対応を実現するための支援を行います。
これらのフェーズを通じて、事業や組織の変革を促進し、顧客体験の向上や企業と顧客の関係性強化を支援することで、最終的には企業の収益性向上に貢献することを目指しているとのことです。
「Biz CRM For Growth」の活用シーン
「Biz CRM For Growth」は、BtoC企業とBtoB企業、それぞれに対して異なる価値を提供します。
BtoC企業向けの活用例
顧客データや行動ログを基にしたパーソナライズ施策の実施が可能になります。これにより、顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションを実現し、満足度の向上や購買意欲の促進につなげることができます。
また、継続購買やリテンション施策による新たな収益の創出も期待できます。顧客の購買サイクルを分析し、適切なタイミングでアプローチすることで、リピート購入を促進します。
さらに、顧客セグメント別の施策を展開することで、費用対効果の高いプロモーションを実施することが可能になります。限られたマーケティング予算を効率的に配分し、最大の効果を得ることができるようになります。
BtoB企業向けの活用例
顧客企業ごとにCRMを最適化することで、営業活動の効率化・強化を図ることができます。顧客企業の特性や課題を深く理解し、適切なアプローチ方法を選択することで、成約率の向上や顧客満足度の向上を実現します。
また、長期的な関係構築を支援するツールとしても活用できます。取引履歴や問い合わせ内容などを一元管理し、顧客企業に対する理解を深めることで、より価値の高い提案が可能になります。
今後の展望
電通デジタルを含む電通グループ各社は、今後も変化の激しい市場環境においても、顧客ニーズに応じた最適なソリューションを提供することで、企業の持続的な成長と競争力の向上に貢献していく方針だとしています。
「Biz CRM For Growth」は、デジタル技術の進化や消費者行動の変化に合わせて、継続的に機能強化や拡張を行っていく予定とのことです。顧客データの活用方法の高度化や、AIを活用した予測分析の導入など、より価値の高いサービスの提供を目指しているようです。
また、業種や企業規模に応じたカスタマイズも行い、あらゆる企業のニーズに対応できるよう努めていくとしています。
※BANIとは:Brittle(もろい)、Anxious(不安)、Non-Linear(非線形)、Incomprehensible(不可解)の頭文字をとり、不安定で不確実な現代世界を示す言葉です。
電通デジタルについて
電通デジタルは、国内最大規模の総合デジタルファームです。「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」をパーパスに掲げ、生活者に寄り添うクリエイティビティとテクノロジーを統合的に活用することで、あらゆるトランスフォーメーションを実現しています。
クライアント企業の事業成長パートナーとして、共に新たな価値を創造することで、経済そして社会の「変革と成長」を目指しているとのことです。
デジタル時代において、顧客との関係性構築はますます重要になっています。「Biz CRM For Growth」の提供開始により、企業のCRM活用がさらに進化し、顧客満足度と企業収益の双方を高める取り組みが加速することが期待されます。
出典元: 株式会社電通デジタル プレスリリース