
株式会社交換できるくん(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 栗原 将)が、住宅設備保証事業に新規参入することを発表しました。事業の迅速な立ち上げを実現するため、既に住宅設備保証事業を展開する株式会社IMI(アイエムアイ)の株式を取得します。
株式会社交換できるくんは住宅設備EC販売において年間60,000件の交換工事実績を持ち、修理サービスを含めると85,000件にのぼります。また2022年10月からは販売する商品全品に無料の10年保証を付帯しており、その数はすでに累計約16万件に達しています。今回の新事業では、IMI社の保証商品企画力や運営ノウハウと、交換できるくんの住設DXプラットフォームや交換工事ネットワークを融合させ、保証と交換工事が一体化した住宅設備保証サービスを提供していくとのことです。
この記事の目次
保証事業参入の背景と勝機
株式会社交換できるくんは、ネット見積で設置工事まで完結する住宅設備EC販売を展開しています。年間の住宅設備交換工事は60,000件、修理サービスを含めると85,000件という豊富な実績を有しています。さらに注目すべき点は、2022年10月から同社が販売する商品全品に無料の10年保証を付帯していることで、その数はすでに累計で約16万件に達しています。
同社では、住宅設備販売のDX化、交換・修理を含めた豊富な交換工事実績、10年保証の提供ノウハウという強みを活用することで、顧客のニーズによりマッチした住宅設備保証サービスの提供が可能になると確信しているようです。この強固な基盤をもとに、新たな保証事業への参入を決定したとのことです。
近年、住宅設備の高機能化・高度化に伴い、故障やトラブル時の対応がより専門的になってきています。一般消費者にとって、高価な住宅設備が故障した際の経済的負担や、適切な修理業者を見つける手間は大きな課題となっています。株式会社交換できるくんは、こうした市場課題に対して、保証と修理・交換サービスを一体化することで、消費者の不安を解消し、スムーズな解決策を提供していくことを目指しています。
保証会社M&Aによるスピード事業立ち上げ
スピード感をもって事業の立ち上げを実現するために、株式会社交換できるくんは既に住宅設備保証事業を展開する株式会社IMI(アイエムアイ)(本社:東京都中央区、代表取締役社長 厚木 勝之)の株式を取得します。IMIは住宅設備保証だけでなく、歯科医療に関する保険・保証の提供など、保険・保証に特化した事業を展開している企業です。
M&Aを通じた事業拡大は、一から事業を立ち上げる場合と比較して、既存のノウハウや顧客基盤をすぐに活用できるというメリットがあります。今回のケースでは、IMIが持つ保証事業の専門知識や運営システム、リスク管理ノウハウなどを即座に獲得できることで、事業の早期立ち上げと成長加速が期待できます。
また、保証事業は法規制や保険数理など専門性の高い領域を含むため、既に実績のある企業の買収によって、これらの専門分野におけるリスクを低減し、スムーズな事業展開が可能になります。株式会社交換できるくんは、自社の強みである交換工事のネットワークとテクノロジー基盤に、IMIの保証事業ノウハウを組み合わせることで、市場における競争優位性を迅速に確立することを目指しています。
両社の強みを融合した新しいサービス
今後は、IMI社の保証商品企画力や運営ノウハウ(コールセンター等)と、株式会社交換できるくんの住設DXプラットフォームや交換工事ネットワークを融合し、保証と交換工事が一体化した住宅設備保証サービスを提供していく計画です。
従来の住宅設備保証サービスでは、保証が適用された後に修理業者を探す必要があるなど、消費者にとって手間のかかるプロセスが存在していました。新サービスでは、保証の適用から修理・交換工事の実施までをシームレスに提供することで、消費者の利便性を大幅に向上させることが可能になります。
具体的には、オンラインでの保証申請から工事日程の調整、実際の工事完了までをデジタルプラットフォーム上で一元管理することで、透明性の高いサービス提供を実現します。また、全国に広がる交換工事ネットワークを活用することで、地域を問わず迅速な対応が可能となります。
新サービスの販売戦略
新サービスの販売先としては、6月20日に広報発表したReplaformのクライアント企業に対するオプションサービスとしての展開を計画しています。また、既に業務提携を結んでいる不動産関連企業や、住宅設備交換で取引のある不動産管理会社など、BtoBの営業基盤となっている企業を中心に提案活動を進めていく予定とのことです。
不動産管理会社や賃貸住宅オーナーにとって、住宅設備の故障は入居者満足度の低下や空室リスクにつながる重大な問題です。本サービスを導入することで、故障時の迅速な対応が可能となり、入居者の満足度向上や管理業務の効率化が期待できます。また、新築・中古住宅のデベロッパーやホームビルダーにとっては、高品質な保証サービスを付加価値として提供することで、物件の競争力向上につながります。
さらに、住宅設備メーカーや家電量販店など、住宅設備を販売する企業に対しても、製品の差別化要素として本保証サービスを提案していく方針です。メーカー保証の期間終了後も安心して製品を使用できるという付加価値は、消費者の購買意欲を高める重要な要素となります。
保証事業を取り巻く市場環境と今後の展望
矢野経済研究所の調査によると、2022年時点の国内ワランティ(延長保証)サービス市場は1兆5,158億円にのぼり、そのうち家電・住宅設備機器分野は約5,550億円を占めています。この市場は今後も成長が見込まれており、2025年には1兆5,491億円、2030年には1兆7,693億円と、2兆円に近い規模になると予測されています。
住宅設備の高機能化や機器の多様化に伴い、延長保証への需要も変化していくことが予想されます。特に、IoT機能を搭載したスマート家電やスマート住宅設備の普及により、ハードウェアだけでなくソフトウェアやネットワーク接続に関連する保証ニーズも高まっています。
また、省エネ性能の高い設備や再生可能エネルギー関連設備(太陽光発電システムや蓄電池など)の普及により、これらの高額設備に対する長期保証の需要も拡大しています。さらに、高齢化社会の進展に伴い、高齢者の生活をサポートするバリアフリー設備や見守りシステムなどの安全関連設備の保証ニーズも増加しています。
株式会社交換できるくんでは、こうした市場の変化を見据え、単なる保証サービスにとどまらず、暮らし全体を支える新たな保証商品の開発にも取り組んでいく方針です。具体的には、複数の住宅設備をパッケージで保証する総合保証プランや、住宅設備の使用状況をIoTで監視し予防保全につなげるスマート保証サービスなど、革新的な商品の開発を検討しているとのことです。
両社の相乗効果で実現する新たな価値
株式会社交換できるくんは、これまで培ってきた住宅設備交換のノウハウと全国規模の工事ネットワークを持ち、ユーザーにとって便利で透明性の高いサービスを提供してきました。一方、IMIは保証事業に特化した企業として、保証商品の企画や運営に関する専門知識を有しています。
両社の強みを組み合わせることで、「保証が必要になった際にすぐに交換工事まで完結できる」という、ユーザーにとって非常に価値の高いサービスを実現することが可能になります。また、交換工事の際に得られるデータを保証商品の改善に活かすことで、より実態に即した保証サービスの開発も期待できます。
さらに、デジタル技術を活用した保証管理システムを構築することで、保証の申請から承認、工事手配までの一連のプロセスを効率化し、顧客満足度の向上とコスト削減の両立を目指します。例えば、AIを活用した故障診断システムにより、適切な対応方法を迅速に判断することや、ブロックチェーン技術を用いた透明性の高い保証記録の管理なども検討されているようです。
住宅設備の保証事業は、単なる保険的な役割を超えて、住まいの安心・安全を総合的にサポートするサービスへと進化しています。株式会社交換できるくんとIMIの統合により生まれる新しいサービスは、こうした市場のトレンドを先取りし、住宅設備の購入から保守、交換までのライフサイクル全体をカバーする包括的なソリューションとなることが期待されています。
IMI会社概要
会社名:株式会社 IMI
代表:代表取締役社長 厚木 勝之
住所:〒104-0032 東京都中央区八丁堀4-4-13
事業内容:住宅設備機器等の保証事業、損害保険の代理店事業
交換できるくん会社概要
会社名:株式会社交換できるくん (東証GRT:7695)
代表:代表取締役社長 栗原 将
住所:〒150-0011 東京都渋谷区東1-26-20 東京建物東渋谷ビル
事業内容:住宅設備リフォームDX、「交換できるくん」開発・運営
出典元:株式会社交換できるくん プレスリリース