
OMOマーケティングを専門とする株式会社favy(東京都新宿区、代表取締役社長:髙梨 巧)が、同社が提供する商業施設向け広告データ分析サービス「OMO analytics」において、「ROAS計測機能」を新たに実装したことが発表されました。
この新機能により、Web広告から実店舗への集客と売上を連携させ、ROAS(Return On Advertising Spend)を分析指標として導入することで、より精緻な分析に基づくWeb広告の最適化が可能になるとのことです。同社では本日より、この機能を導入いただける商業施設の先行募集を開始しているとのことです。

この記事の目次
OMOマーケティングと「ROAS」について
OMO(Online Merges with Offline)マーケティングとは、オンラインとオフラインの顧客体験を融合させるマーケティング手法です。消費者の購買行動がオンラインとオフラインを行き来する現代において、双方のデータを統合して分析することで、より効果的なマーケティング施策を実現することを目指しています。
また、ROAS(Return On Advertising Spend)とは、広告費用対効果を示す指標で、広告費用に対してどれだけの売上が発生したかを示します。例えば、ROAS 300%は、広告費用1円に対して3円の売上があったことを意味します。広告効果を数値化して評価できるため、マーケティング戦略の効果測定や最適化に重要な指標となっています。
商業施設が抱える広告効果測定の課題
従来、商業施設や実店舗においては、Web広告から実店舗への来店や売上への影響を正確に測定することが難しいという課題がありました。特に、どの広告がどれだけ実店舗での売上に貢献したかを把握することは容易ではなく、広告投資の最適化が困難でした。
株式会社favyが開発した「ROAS計測機能」は、この課題を解決するもので、Web広告と実店舗での購買行動をデータとして連携させることにより、より精緻な広告効果の測定と分析を可能にしています。これにより、広告費用の無駄を削減し、より効果的なマーケティング施策の立案・実行が期待できます。
「ROAS」改善による商業施設のデジタルマーケティング施策の最適化
株式会社favyによりますと、同社が運営する自社店舗において、各媒体社が提供するWifiやGPSシグナルをベースにした来店増加広告を実施した際、コンバージョン数値が正確に計測できないことや、それに連動したコンバージョンユーザー情報が不鮮明であるという課題があったとのことです。
この問題を解決するため、同社ではタグベースでの来店コンバージョン計測を可能にするサブスクリプションサービスやモバイルオーダーシステムを自社開発したとのことです。ユーザーの購買行動において「favyモバイルオーダー」を経由させることで、ROAS(Return on Advertising Spend)分析による広告数値改善が可能になる機能を追加しています。
今回の機能アップデートにより、商業施設および施設内フードホールのデジタルマーケティング施策をさらに最適化することが可能になったということです。
「OMO analytics」サービスの特徴
「OMO analytics」は、商業施設向けに特化した広告データ分析サービスです。このサービスの特徴として、実店舗とオンラインの両方からデータを収集・分析できること、ユーザーの購買行動を詳細に追跡できること、そしてROASなどの指標を用いて広告効果を可視化できることが挙げられます。
今回実装された「ROAS計測機能」により、商業施設や施設内のテナントは、より効率的な広告運用が可能になり、マーケティング予算の最適化や売上向上につながることが期待されています。
実施導入事例:自社運営フードホールでの計測事例

株式会社favyでは以前から、東京・大阪において商業施設内のフードホールの企画開発・運営を行っているとのことです。同社では本サービスの有効性を検証するため、自社が運営するフードホールにおいて「ROAS指標」の分析による広告改善を実施したそうです。
その結果、施設全体のROASは328%を達成し、訴求別では最大で1,178%という高いROAS値を計測することができたとのことです。このように、ROAS指標と実来店数を改善指標として活用することで、商業施設および店舗のデジタル施策の最適化が可能になっているようです。
今後の展望
株式会社favyでは今後、商業施設でOMOマーケティングおよびリテールメディア化の取り組みを始める企業向けに、カスタマイズした計測システムの開発や、それに連動した広告配信システムの開発・提供を予定しているとのことです。また、DOOH(デジタル屋外広告)へのデータ活用や連携配信システムの構築も計画しているということです。
会社概要

【株式会社favy】
所在地:アドホック新宿ビル
代表者:代表取締役社長 高梨 巧
事業内容:飲食店向けの集客支援、DX推進、フードホールの企画開発・運営など
出典元:株式会社favy プレスリリース