【取材】ECで大切な「売る」視点とは?運用から考える売り方の最適解
インタビューの概要

ECを運営するにあたって、どのような業務があるのかご存知でしょうか。商品開発や戦略策定から、お客様に商品をお届けし、継続的に買い物をしてもらうようになるまで、多くの工程があり、様々な人やシステムが関わっています。今回は、EC全般の業務支援を行うコマースメディア株式会社(以下、「コマースメディア」)の小林さんにインタビューを行い、入社から1年での経験から見えるECの業務全体的なお話や運用業務から考える売上を伸ばす上で欠かせないポイントについてお話しいただきました。

業界全体を見ていたからこそ感じられるECの業務範囲の広さ

今までの経歴とコマースメディアの業務領域

小林さんは新卒でEC業界向けのメディアで働いていました。EC事業者様に向けて役立つ情報や支援企業を紹介する中で、ECの業務に必要な工程や、その工程にどういった支援企業がいるのかを知り、業務の全体工程を俯瞰して認識できている状態でした。

業界についての知見が広がるにつれ、実際のECの現場業務に携わってみたいという興味がわき、2020年11月にコマースメディアに入社しました。小林さんが入社したコマースメディアでは、EC全般の業務支援や自社D2Cブランドを持ってメーカーとして物販も行っています。業務支援の領域は幅広く、自社・モールともにECサイトの構築・運営からフルフィルメント、集客など販促支援まで対応しており、特にShopify expertsとしてShopifyにおけるサイト構築実績が多数あります。

入社から1年で取り組んだこと

小林さんは入社してから3ヶ月は商品登録や受注管理、在庫管理、発送指示、梱包や出荷など、OMS(注文管理システム)やWMS(倉庫管理システム)を利用した運用に必要な業務を手広く経験していきました。

「EC業界全体の業務については知ってはいたものの、初めて現場の業務に携わったときにはその業務範囲に驚きました。例えるなら、アメリカの広大さは地図で見て誰しもが感じていると思うのですが、実際に降り立って初めて本当の広さを感じることってあると思います。そんな気持ちだったんです(笑)。ECをやりたい!となる場合、マーケティングや広告運用に携わりたいという人が多いかと思いますが、運営を無視した販促は事故につながりやすく事業に大損害を与えることもあります。そういった認識もあり、私の場合は運用側への興味が強かったんです。実際の業務を通して支援先のEC事業者様の体制や商品ジャンル、販売先が自社ECだけなのか、ECモールも利用しているかで運用の方法が異なることを知りました。その経験を活かして、サイトの立ち上げの支援では具体的な運用を想像しながら要件定義ができたと思っています」と小林さんは話します。

小林さんは複数企業の運用支援を行った後、Shopifyによる自社ECサイトの立ち上げを支援しています。具体的には運用面に必要な要件定義や注文から商品発送までの物流オペレーションの構築などを行いました。

「自社ECサイトの立ち上げ、運用体制の構築の経験からECがどういった工程・運用で業務が行われているのかを知りました。ECサイトを立ち上げる際にどのような視点で要件定義や設計が必要か運用を学んだ上、現在では今までの業務に加え、集客や販促支援を含めたECモールの運用も行っています」と小林さんは話しています。

売り場によって異なる最適解

「楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど、ECモールによって運用の方法は異なります。楽天市場やYahoo!ショッピングのような出店型のモールではセールなどモール主体のイベントが短い期間で多く開催されるため、それに合わせてサイトや商品情報の更新頻度が多くなります。また、販促を行う場合、運用系広告の調整や各モールのECコンサルタントとコミュニケーションを取って広告枠を抑えにいかなければなりません。Amazonの場合、FBA(Amazonへのフルフィルメント業務の委託)に商品を預けていくことで、出店型モールでかかるセール時の設定や更新作業といった手間は少なくなりますが、在庫を切らさないように常にアンテナを張っていなければなりません。」

売り場によって細かい仕様や運用方法が異なるため、それぞれの特性を見極める必要があります。自社ECサイトや各ECモールではそれぞれで注意しないといけないポイントがあり、それは運用に限った話ではなく、販売する商品によってどの売場が適しているのかにも影響するのです。

ECモールと自社ECサイトの商圏の違い

「以前、当社で調査したことがあるのですが、売り場によって固定のお客様がいるということがわかっています。ECモール毎にポイントや決済など、それぞれの強みを持っているので、ECモールのお客様を自社ECサイトに誘導したとしてもあまりお客様は流れていきません。要は、自社ECや各モールで商圏がバッサリ区切られてしまっている状態なんです。」

自社ECサイトで購入をしてもらう利点としては、顧客情報を元に幅広く施策を展開できることや注文に際して発生する手数料を抑えることが可能になる点が挙げられます。また、ECモールのルール変更に振り回される心配がない点も利点といえるでしょう。しかし、各ECモールではポイント還元やセールなどの様々な販促手段を用いて集客が行われていることもあり、商品がマッチすれば売り上げが伸ばしやすい傾向にあります。

「まずは自社ECサイトを立ち上げて、ゆくゆくはECモールに展開していきたいという相談をいただくことがよくあります。こういった場合、そのままECモールに出店してもうまくいかない可能があるため、その売場に合った売り方を考えていかなければなりません。自社ECサイトとECモールではお客様への魅せ方が変わっていくかと思うのですが、大きく分けると自社ECサイトはプロダクトアウトの考え方で、ECモールはマーケットインの考え方になっていきます。自社ECサイトではSNSや広告、検索など1から集客を行う必要があり、企業側の作り出した商品やブランドを気に入ってくれたお客様が集まって商品を購入してくれます。その一方でECモールではモール側の集客によって集まったお客様が買い物をするため、既に市場やニーズがある商品が購入されやすい傾向にあるのです」

「また、新しくEC事業を始めるときは自社ECサイトから始めたほうが全体の体制を構築しやすいことがあります。集客やブランド育成までの一連の流れを自社で内製し、ECモールのルールに左右されずに顧客対応やお客様にお届けするまでの流れの土台を築いていけるからです。その上で、出店時にECモールに合わせたルールを作って運用していければ盤石な体制を構築できるのではないでしょうか。ただし、定期縛りありきのツーステップマーケティングなど、ECモールの仕様では対応できないフローの場合、ECモールへの展開が難しくなります。そのため、まずは販売する商品をどうやって売っていくのかをある程度見通しを立てながら進めていくのが良いかと思います」

集客だけではない「売る」視点

「売上を作るという話になると、とりわけ広告など集客や販促の話がメインになりがちですが、日々の業務の一つ一つが売上を伸ばすために必要なことです。例えば、売り場に応じて、商品名の付け方1つ取っても売上への影響は変わってきます。各ECモールによって細かい仕様が異なるため、多店舗管理を行うための一元管理ツールを利用して、効率的に運用を行った場合、それが検索対策の観点で最適にはならないからです。それ以外にも、商品がキャンセルになった場合の対応方法などもECモール毎に変わります。ECモール毎のキャンセルルールを把握し、顧客の対応方法を決めなければ顧客満足度に影響し、低レビューなどの中長期的なマイナス影響につながることもあります。」

「倉庫側の管理としても、単品売りだけでなく、他の商品と組み合わせてセット商品を作ったりする場合の管理体制や、母の日などシーズナルイベントで突発的に注文が増えたときにどれくらいの受注数を対応できるか事前に把握する必要もあります。また、トラブルが起きた際に柔軟な対応をするために倉庫担当者様との円滑なコミュニケーション体制を確立することも重要です。物流はお客様に商品をお届けする大切な工程なので、販促とはトレードオフにはできない重要なポイントです。」

これからECに挑戦する方に向けて

コマースメディアが選ばれる3つの理由

「ECサイトは作って終わりではなく、運営を前提とした設計が必要不可欠です。当社ではShopifyでの構築依頼が多いですが、最近ではあまりECに詳しくない方までShopifyという言葉が耳に入っていることもあり、Shopifyであれば売上を伸ばせるといった見られ方をすることが増えています。しかし、よほど集客力や資金力がない限りはそう簡単な話ではないでしょう。ECの運営は1人で完結するには業務量がとても多いため、社内外含めて多くの人を巻き込みながらやっていかないといけません。一つ一つの業務や工程がどれを取っても欠かせないものであり、中途半端になってしまうとお客様にネガティブ印象を与えることになってしまいます。そういったことからも、我々支援する側の企業としては、事業者様と手を取り合って二人三脚で歩んでいきたいと思っています。」

取材を終えて:ECの全体業務を行うコマースメディアの強さ

今回、取材をさせて頂いた小林さんはECの業界全体の知見を持っていたものの、実務経験がない状態でコマースメディアへ入社をしました。そこから1年で、運用に関する業務を網羅的に体験し、自社ECサイト立ち上げの要件定義やECモールの運用・集客支援など、商品を販売するために必要な一連の工程を学び、前線で活躍されています。

コマースメディアの社内には、支援先の商品が陳列されている棚があり、クライアントの現場業務にコミットしている様子が感じられました。今後は自社で開発した商品の販売や越境ECにも力を入れていき、支援領域を拡大していくことでしょう。

新型コロナウイルスの影響で物販系のEC市場は大きく伸びており、それに伴ってコマースメディアにも相談が後を立たないそうです。自分自身のスキルやキャリアを伸ばし行きたいとお考えの方がいらっしゃれば、コマースメディアでは現在運営に関わる人材を募集しているので応募してみてはいかがでしょうか。

コマースメディア 採用ページ
https://commerce-media.info/pages/recruit

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