
株式会社ラクーンコマース(本社:東京都中央区、代表取締役社長:和久井 岳)が運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」が、2024年1月〜2025年4月における「推し活」関連商品の仕入れ動向をまとめた「推し活仕入れ調査レポート」を発表しました。このレポートでは、国内外で急速に拡大している「推し活」関連商品の受注推移をもとに、仕入れの傾向を詳細に分析しています。
この記事の目次
調査サマリー
・「推し活」関連商品の仕入れは、国内市場で最大約17.5倍、海外市場では約7.4倍に拡大
・「痛バッグ」「アクスタケース」「レポチケ」など、見せる・守る・記録する機能別アイテムが人気
・「メンバーカラー」重視の多色展開、手芸・カスタマイズ系商品にも需要
・海外展開では「OSHIKATSU」のローマ字表記が発見性向上に有効
調査の背景と目的
スーパーデリバリーは、国内メーカーと小売店やサービス業などの事業者が取引する卸・仕入れサイトです。日本の事業者を対象とした国内版に加え、世界134か国への卸販売が可能な越境版も展開しています。同サイトでは、アパレルや雑貨を中心に、家具、生活家電、食品など幅広いジャンルの商品が約186万点掲載されています。
近年、アイドル、アニメキャラクター、俳優、スポーツ選手などに対する個人の熱烈な支持に支えられる「推し活」は、関連グッズの購入やイベント参加などを通じて、巨大な消費市場を形成するようになりました。スーパーデリバリーでは、このような「推し活」関連商品の仕入れ動向を可視化することで、小売・事業者が市場の潮流を的確に把握し、自社の販売戦略に効果的に活かせるよう本調査を実施したとのことです。
受注推移に見る市場傾向
スーパーデリバリーにおける「推し活」関連グッズの流通額は、国内・海外市場ともに顕著な成長を続けており、関連商品を取り扱う出展企業の数も目立って増加していることが報告されています。
・国内市場:2024年12月以降から加速度的に成長し、2025年4月には2024年1月比で最大17.5倍にまで拡大していることが明らかになりました。

・海外市場:2024年10月に約6.9倍のピークを迎え、その後も高水準で推移し、2025年2月には約7.4倍まで拡大していることがわかりました。
この背景には、台湾、香港、アメリカ、韓国といった主要仕入れ国における継続的な需要の高まりがうかがえ、「OSHIKATSU(推し活)」カルチャーが海外でも着実に浸透していることが要因として考えられます。

こうした海外市場の活況を踏まえ、商品を海外向けに展開する際には、商品名などにローマ字表記で「OSHIKATSU」といったキーワードを取り入れることが、商品の発見性を高める上で効果的な手段の一つであると指摘されています。
「推し活」関連グッズの仕入れ動向:多様化する人気仕入れカテゴリ
実際に出展企業による商品を見ると、「痛バッグ」や「ぬいポーチ」に代表される『見せる(ディスプレイする)』ためのアイテム、「缶バッジカバー」や「アクスタケース」「硬質カードケース」のような『守る(保護する)』ためのアイテム、そして「レポチケ(チケットファイル)」や「フォトファイル」のような『記録する(コレクションする)』ためのアイテムが、人気商品として多く出品され仕入れられている傾向が明らかになりました。
これらは単なるグッズではなく、ファンが自身のアイデンティティである「推し」を日常生活に取り入れ、推し活体験全体をより豊かにするための実用的なツールとして機能している点が特徴的です。
仕入れ戦略のヒント:多様化するニーズへの対応が鍵
ファン心理をつかむ「メンバーカラー」戦略
ファンの商品選択において、応援する対象の「メンバーカラー」は極めて重要な要素となっています。調査によると、多くのファンは自身の好みよりも、公式に設定された色やイメージカラーを優先し、その色の商品を求める傾向が強く見られることがわかりました。このため、小売店が推し活関連商品を取り扱う際には、幅広いカラーバリエーションを揃えること、時には絶妙な色味の違いにまでこだわった品揃えが、売上向上の鍵になると考えられます。
「自分だけのグッズ」を作るカスタマイズ需要
手芸材料、デコレーション用ステッカー、うちわ作成グッズといったカスタマイズ関連商品も推し活のグッズとして高い認知を得ています。これはファンが既製品の購入に留まらず、「自分だけのオリジナルグッズ」を制作することで、より深い自己表現と推しへの愛着を追求していることを強く示しているといえるでしょう。
また、これらの手作りアイテムはSNSを通じてファンコミュニティ内で活発に共有されており、新たな創造性を刺激し合う好循環を生み出していることも特筆すべき点です。
スーパーデリバリーでは、今後も購買トレンドに注目し、特集企画やレポートを通じて、よりよい仕入れ支援に取り組んでいくとしています。
調査概要
・分析対象データ:卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」における「推し活」関連グッズの商品取引データ
・基準と指標(受注金額推移指数):国内外それぞれの2024年1月の受注金額を100とした指数で受注推移を算出
・分析対象期間(商品取引データ):2024年1月~2025年4月
スーパーデリバリーについて
スーパーデリバリーは、メーカーと小売店やサービス業などの事業者が取引する卸・仕入れサイトです。商品掲載数は約186万点に達しています。メーカーにとっては、地域を超えた44万店舗への販路拡大ツールとして効果を発揮し、小売店にとっては3,200社を超える出展企業とインターネットを通して取引でき、仕入先を大幅に拡大することが可能となっています。また同サービスは、コストや手間、リスク等を解消し効率的な取引を実現するプラットフォームとして機能しており、第1回日本サービス大賞にて地方創生大臣賞を受賞しています。(数字は全て2025年1月末時点)
株式会社ラクーンコマースについて
代表者:代表取締役社長 和久井 岳
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目14番14号
設立:2018年11月
資本金:300,000千円
株主:株式会社ラクーンホールディングス100%
出典元:株式会社ラクーンコマース プレスリリース