TikTok Shop、6月に日本でサービス開始へ ─ 日本貿易振興機構(ジェトロ)発表

日本貿易振興機構(ジェトロ)は、中国発のSNS型Eコマース「TikTok Shop」が2025年6月に日本でサービスを開始する見通しであることを発表しました。さらに、2025年内にはイタリア、ドイツ、フランス、ブラジルでも同様にサービスが開始される予定です。特にドイツでは、TikTokが在庫・包装・物流配送までを担う「Fulfilled by TikTok(FBT)」の導入が予定されており、セラー向けにワンストップのサービス提供が進められる見込みです。

日本国内では、TikTokの月間アクティブユーザーは3,300万人以上(TikTok調べ)に達しており、そのうち62%を18~34歳のユーザーが占めています。1日当たりの平均使用時間は96分間で、YouTube(82分間)やInstagram(54分間)を上回る数字となっています。

TikTokがサービス提供国の拡大を急ぐ背景には、最大市場である米国におけるサービス存続の不透明さが影響しています。これまで、TikTok Shopは米国、英国、スペイン、アイルランド、メキシコ、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、サウジアラビアなどでサービスを展開しており、セラーには自営型やFBT型など複数のサービスモデルを提供してきました。

日本の電子商取引市場ではこれまで、消費者がECサイト内で商品やブランドを検索して購入するのが一般的でした。しかし、TikTok Shopの進出により、中国市場で定着している「動画視聴やライブ配信から商品購入へと誘導する」という新たな購買スタイルが導入されることになります。この手法が日本市場でどこまで機能し、浸透するのか、そして日本企業がTikTok Shopを活用して新たなビジネスチャンスをつかめるのか、今後の動向が注目されます。

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ