
SBIトレーサビリティ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:輪島 智仁)が、ブロックチェーン技術とIoT(NFCタグ)を融合させたトレーサビリティ・サービス「SHIMENAWA(しめなわ)」を、新潟県の老舗酒造メーカー・今代司酒造株式会社(本社:新潟県新潟市中央区、代表取締役社長 岡田 龍)の日本酒「錦鯉」シリーズに導入したことを発表しました。
現物資産とデジタル情報を強固に結びつけるこのサービスにより、日本酒の真正性証明や開封検知などの機能が実現し、消費者と生産者の信頼関係構築に貢献するとのことです。
この記事の目次
時代を超えて受け継がれる今代司酒造の伝統と革新
美しい白と青の暖簾が迎える今代司酒造は、新潟の沼垂(ぬったり)地区に位置し、発酵食の町として知られるこの地で長い歴史を刻んできました。かつて新潟は江戸・京都と並ぶ日本三大花街の一つとして栄え、その時代から美食家たちを唸らせる上質な酒造りに取り組んできたとされています。
高級店の料理を引き立てながらも深い味わいを持つ、すっきりとした淡麗な味わいは今代司酒造の特徴として現代にも受け継がれています。「今の時代を司る」という名前の通り、時代の変化に対応しながらも、飲む人の心を掴む日本酒を生み出し続けているのです。
新作「錦鯉 白銀(しろがね)」が醸す美と伝統
今回発表された「錦鯉 白銀(しろがね)」は、今代司酒造のこだわりが詰まった逸品です。化粧箱には魚のシルエットがくり抜かれ、そこから覗く美しい模様の瓶は、まるで水面を泳ぐ錦鯉を鑑賞しているかのような趣があります。
看板商品「錦鯉」シリーズの新作として、これまでの紅白や金に続く銀の紋様で装飾された本商品は、存在感と美しさを兼ね備えた、手に取るだけで愛着が湧く特別な一本となっています。
日本酒市場が若者のアルコール離れや国内需要減少という課題に直面する中、「錦鯉 白銀」は日本酒が持つ価値と可能性を改めて提示しています。酒を酌み交わす場で生まれる人と人との縁、飲む人と造る人、人と地域をつなぐ架け橋として、今代司酒造の哲学を体現しているとのことです。
「SHIMENAWA(しめなわ)」サービスが実現する価値
SBIトレーサビリティが提供する「SHIMENAWA(しめなわ)」サービスは、今代司酒造の日本酒をより正確に、より美味しく「むすぶ」役割を担っています。ボトルキャップに取り付けられた「開封検知機能付きNFCタグ(インレイ)」は二つの重要な機能を果たします。
まず、未開封の正規品であることを証明することで消費者に安心を提供します。さらに、開封時には特別なサイトへのアクセスが可能となり、日本酒を味わう体験をより豊かなものに高めるとされています。
今代司酒造は古来からの伝統と歴史を継承しながら、現代の技術を取り入れ、日本酒を愛するすべての人との縁を大切にしています。店頭に並ぶ「錦鯉」と「SHIMENAWA(しめなわ)」が織りなす世界観は、日本酒文化の新たな価値を創造しているようです。


「錦鯉 白銀」の詳細については、今代司酒造の公式サイトでご確認いただけます。
「SHIMENAWA(しめなわ)」の基本機能
「SHIMENAWA(しめなわ)」は、日本酒のブランド保護に必要な以下の機能を備えているとのことです:
1. 真贋証明機能
各商品に取り付けられたNFCタグに記録された固有IDと、ブロックチェーン上に改ざん不可能な形で記録された醸造情報(いつ、どこで、誰が醸造したか)が強固に結びついており、その日本酒の正規性を証明します。
2. 開封検知機能
食の安全性確保の観点から重要な、日本酒が未開封であることを証明する機能です。開封した瞬間をエンターテイメント的な演出とともに地図上で表示することが可能です。また、各銘柄がいつ、どこで開封(消費)されたかというデータを収集でき、酒造会社の経営戦略に活用できるとされています。
3. 正規品管理機能(出荷先情報の紐付け)
酒造会社がNFCタグを通じて個々の日本酒に付与した固有IDに出荷先情報を紐付けし、データベースで管理することができます。これにより不正な横流しを抑止し、万が一の場合には出所を特定して特約店管理に役立てることができるとのことです。
4. ファンマーケティング機能
日本酒の開封(購入)登録後にのみ表示される特別画面を通じて、限定サイトへの誘導やNFT(Non-fungible token)の提供など、顧客ロイヤリティ向上のための施策を展開できます。
5. デザイン・コンテンツ管理機能 <新機能>
2025年3月から実装された新機能として、「SHIMENAWA(しめなわ)」アプリの画面デザイン(ロゴ・カラーや表示文言)およびコンテンツを、利用企業が独自に作成・変更・更新・管理できるようになりました。これにより、企業は統一感のあるブランド表現が可能になるとのことです。
技術解説
ブロックチェーン技術とは、電子署名とハッシュポインタという改ざん耐性のあるデータ構造を利用し、データの変更履歴をネットワーク上で共有することで価値を保存する技術です。この技術により、物理的資産の真正性や品質証明を取引関係者間で行うことができ、信頼性の高いトレーサビリティを実現します。
NFCタグは、物理的資産に固有IDを付与し、ブロックチェーンに記録された情報と強固に紐付ける役割を果たすHF帯(近距離無線通信)の技術です。クレジットカードやマイナンバーカードなどでも使用されている技術です。
NFT(Non-fungible token)は、「非代替性トークン」と呼ばれ、ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位です。NFTを活用することで、特定のデジタル資産や現物資産、およびその資産を特定目的で使用するためのライセンスや権利などを関連付けることができます。
「SHIMENAWA(しめなわ)」では、株式会社Uni Tag(本社:東京都中央区、代表取締役社長:半野 巧也)と共同開発したロゴ入り専用NFCタグを採用しているとのことです。
関連企業の概要
今代司酒造株式会社
所在地 | 製造部:新潟県新潟市中央区鏡が岡1番1号 |
代表者 | 代表取締役社長 岡田 龍 |
代表銘柄 | 今代司、錦鯉 |
酒造概要 | 今代司酒造では、酒造りを見直したいという想いで、2006年からアルコール添加を一切行わない全量純米仕込みに切り替えました。新潟県内で戦後最初の取り組みでした。アルコール添加やその他副原料を使わないということは、酒造りの最後に味や香りを調整することができないことを意味します。
それゆえ、最初から最後まで、酒造りのすべての工程が緊張感あふれる真剣勝負となることは、全量純米仕込みにするメリットでした。純米大吟醸、純米吟醸、純米酒と、純米だけを作る純米専門の酒蔵として、個性を大切にした酒造りに取り組んでいます。 |
SBIトレーサビリティ株式会社
所在地 | 東京都港区六本木一丁目6番1号 泉ガーデンタワー |
代表者 | 代表取締役 輪島 智仁 |
事業内容 | ブロックチェーンを活用したトレーサビリティ・サービスの提供など |
株式会社Uni Tag
所在地 | 東京都中央区日本橋本町4丁目11番2号 (KISCO株式会社 東京本社内) |
代表者 | 代表取締役社長 半野 巧也 |
事業内容 | RFIDの設計・開発・製造・販売及び技術サービスを含めたコンサルティング |
今回の取り組みは、伝統的な日本酒文化と最先端のブロックチェーン技術を融合させた画期的な試みとなっています。「SHIMENAWA(しめなわ)」サービスの導入により、今代司酒造は消費者に対して製品の信頼性を高めると同時に、日本酒を楽しむ新たな体験価値を提供することが可能になるとのことです。
ブロックチェーンとNFCタグを組み合わせたこのソリューションは、日本酒業界における偽造品対策や品質保証の新たな標準となる可能性を秘めています。今後も技術の進化とともに、伝統産業がいかに革新的なデジタル技術を取り入れていくかに注目が集まることでしょう。
出典元:SBIトレーサビリティ株式会社 プレスリリース