
企業の「失敗」をテーマにしたカンファレンス「しくじりECカンファレンス〜失敗から逃げなかった企業が変えた未来〜」が、2025年6月23日(月)に神田明神ホールで開催されます。
このカンファレンスでは、失敗学の第一人者であるBabson大学の山川恭弘准教授や、ビジネス動画メディア「ReHacQ」の高橋弘樹氏、さらにスペシャルゲストを迎え、EC事業における課題や失敗事例を多角的に分析します。また、Shopifyパートナーが事業者の失敗を乗り越え、成長を支援した成功事例も紹介されます。
開催に先立ち、全国のビジネスパーソン400名を対象に実施された「失敗」に関する実態調査では、多くの人が失敗を経験しながらも新たな挑戦には慎重な姿勢を示していることが明らかになりました。また、「賢い失敗」から企業が成長するためには、失敗を学びの機会と捉える文化やデータに基づいた分析・改善が重要だと考えられています。
イベント詳細
このイベントでは、炎上や売上減少などの実際の"失敗"事例を取り上げ、それらをどのように克服し成功へと転換したかが詳しく解説されます。
注目のセッションでは、ShopifyパートナーとともにV字回復を果たしたEC企業の実例が紹介され、外部視点の重要性について深く掘り下げられます。
さらに、失敗学の第一人者であるBabson大学の山川恭弘准教授や、ビジネス動画メディア「ReHacQ」の高橋弘樹氏、そしてスペシャルゲストによる特別セッションも実施されます。これらのセッションでは、失敗を新たな視点から捉え直し、ECビジネスに活かす方法が提供されます。
イベント後半では、神田明神ならではの特別な空間で食事と交流の機会も用意されており、"商売繁盛の地"で成功のヒントを共有する充実した一日となります。
■開催日時:
2025年6月23日(月)13:00~
■会場:
神田明神ホール
〒101-0021 東京都千代田区外神田2丁目16-2
■参加費:
無料/事前登録制(400名限定)
■神田明神ホール 開催の意義:
商売繁盛・社運隆昌の象徴とされる神田明神という特別な場所で、EC業界の経営者・決裁者が一堂に会し、「失敗」を学びの機会として捉え、将来の成功へつなげるためのヒントを得ることを目指しています。
登壇者プロフィール
山川恭弘氏

Babson大学
アントレプレナーシップ准教授
慶應義塾大学法学部卒業後、エネルギー業界で新規事業開発やスタートアップ設立を経験。ピーター・ドラッカー経営大学院で経営学修士課程修了(MBA)、テキサス州立大学で国際経営学博士号取得(PhD)。起業・経営コンサルタントとして活動する一方、ベンチャー企業のボードメンバーも務めています。
アントレプレナーシップに関する教本や多数の学術論文を執筆しており、近著に『バブソン大学で教える世界一のアントレプレナーシップ』(講談社)があります。
高橋弘樹氏

映像ディレクター
株式会社tonari CEO
2005年テレビ東京入社。『家、ついて行ってイイですか?』『ジョージ・ポットマンの平成史』『吉木りさに怒られたい』などの企画・演出を手掛けました。
2021年からYouTubeチャンネル「日経テレ東大学」の企画・制作統括を担当。2023年3月からは自身が代表を務める株式会社tonariでビジネス動画メディア「ReHacQ(リハック)」を運営し、チャンネル登録者数は145万人(2025年5月時点)に達しています。
大久保勝氏

NSW株式会社
サービスソリューション事業本部 クラウドプラットフォーム事業部
アドバンスドディベロップメント部
情報工学やプログラミング、統計学を学んだ後、NSW(旧・日本システムウエア)に新卒入社。システムエンジニアとしての開発経験を軸に、マーケティングや新規事業推進など幅広い業務を担当し、様々な業界のECサイト・Webシステム構築プロジェクトに携わってきました。
2023年からはShopifyを中核としたEC開発体制を推進し、ECに加えバックヤード業務や基幹システムと連携したトータル提案力と実行力を活かして、大手企業の課題解決と価値創出に取り組んでいます。
山岡義正氏

株式会社ウェブライフ 代表取締役
ワシントン大学ビジネスプログラム修了後、富士通ビジネスシステムで基幹システム導入やEC業務改善に従事。2007年にウェブライフジャパンを設立し、EC-CUBEによる構築支援を経て、2017年からShopifyを基盤に事業領域を拡大しました。現在はShopify Premierパートナーとして「BiNDec」を展開しています。事業フェーズに応じた課題整理と全体最適に基づく設計を強みとし、構築から運用・グロースまで効率化するパッケージ型ソリューションを提供しています。
石川森生氏

株式会社RESORT
代表取締役CEO
新卒でSBIホールディングスに入社。SBIナビ(現・ナビプラス)を創業し、多くのサイトグロースに携わった後、事業会社の道に進みました。マガシークのマーケティング部長、cotta運営 TUKURU代表取締役社長、DINOS CORPORATION CECO(Chief e-Commerce Officer)を歴任。現在は、RESORT 代表取締役CEOと、ルームクリップ 株式会社 KANADEMONOカンパニー長を務めるほか、トレンダーズ 社外取締役、オルビス CDO(Chief Digital Officer)等も兼任しています。また、多くのベンチャー企業にエンジェル投資家として参加しています。
渡辺啓之氏

TIS株式会社
エンタープライズサービス事業部 副事業部長
大手SIerでコンテンツ領域・EC領域などの新規事業に従事した経験を持ちます。
大手アパレル企業への転職後は、執行役員としてデジタル戦略を統括し、EC事業部門とIT部門を管掌。データドリブンによる事業構造変革に注力し、物流等のサプライチェーンDXや、OMOを軸としたNextコマースの構築に取り組んできました。また、多数の講演活動も行っています。
TIS入社後は、コマース/デジタルマーケティング領域のソリューション戦略を統括。事業会社での実績と経験を活かして、事業戦略から施策実行まで幅広い支援を提供しています。
ビジネスパーソン/企業のしくじり調査概要
調査名:ビジネスパーソンの「失敗」に対する意識調査
調査対象:企業で働く会社経営者・役員・団体役員、正社員の方(全国の20〜50代男女、n=400)
調査方法:インターネット調査
調査実施期間:2025年4月16日~17日
調査サマリー
①「挑戦すべき」と思いつつも、踏み出せない日本のビジネスパーソン
本調査からは、日本企業における"安定志向"と"挑戦意欲"の間に存在する深いギャップが明らかになりました。
多くの人が「挑戦が成長につながる」と理解しているものの、実際には失敗を恐れて行動に移せない傾向が浮き彫りとなっています。
②成長企業の鍵は「賢い失敗」にあり
企業が成長するためには「失敗から学ぶ姿勢」が必要だと考える人が多いことがわかりました。具体例として最も支持されたのは「スペースXのロケット実験(32.8%)」です。失敗をデータとして活用し、改善を重ねる"進化型"の取り組みが、企業の信頼と成果につながっていることが示されています。
③陥りがちな「愚かな失敗」は「ガバナンス」と「視野」の欠如
企業の「愚かな失敗」として最も多く挙げられたのは「ガバナンスの欠如(26.8%)」でした。
次いで「短期的な利益優先」「トップダウン型の意思決定」など、内向きな判断が現場や市場との乖離を招いている現状も明らかになっています。
④EC事業の落とし穴は「市場調査不足」と「差別化の不在」
EC領域においては、「市場調査不足」「競合との差別化不足」「情報と実物のギャップ」が失敗要因として浮上しています。特に、情報過多の現代では「ユーザーとの期待値のズレ」が致命的な問題になる可能性があります。
⑤SNS時代の致命傷:ミスよりも「対応のまずさ」が命取り
SNS運用においては、誤投稿や失言よりも「炎上時の対応ミス」に最も厳しい目が向けられていることがわかりました。
"何をミスしたか"よりも、"どう謝罪し、どう信頼を取り戻すか"が問われる時代になっています。
⑥「失敗を乗り越える力」は文化として広がり始めている?
アニメやマンガの名セリフ、失敗から何度でも立ち上がるセリフが選ばれた理由は、
「失敗を恥ではなく学びとする」価値観が、少しずつ日本社会に根づき始めているという希望の兆しかもしれません。
日本のビジネスパーソンの「失敗」に対する意識:安定志向と挑戦の間にあるギャップ
新たな挑戦に対して慎重な姿勢を示す一方で、多くのビジネスパーソンが企業の成長には「挑戦が必要」だと考えていることが明らかになりました。このことは、「安定志向」と「挑戦の重要性」との間に意識のギャップが存在することを示しています。


山川准教授コメント
「今回の調査は、日本企業における"失敗"に対する根強いネガティブな認識を、改めて浮き彫りにしています。多くのビジネスパーソンは、これまでの失敗を通じて成長してきたにもかかわらず、新たな挑戦には積極的になれません。その背景には、組織内の評価制度や文化、心理的安全性の欠如などが影響しているのではないでしょうか。真の成長は、安全圏にとどまるだけでは達成できません。失敗から学び、それを次に活かすプロセスを組織として確立することが、日本企業の持続的成長には不可欠です。」
「賢い失敗」とは?成長に繋げた企業の具体例
失敗を成長に結びつけた企業の「賢い失敗」の例としては、「スペースXによるロケット実験」が32.8%で最も多く挙げられました。
これらの事例に共通しているのは、失敗から得られたデータを収集・分析し、改善につなげる姿勢、そして顧客ニーズや市場動向を見直す柔軟性です。そうした取り組みが企業の成長を後押ししていることがわかります。


陥りがちな「愚かな失敗」:短期的な利益優先やガバナンスの欠如
企業の「愚かな失敗」として最近目立っている要因には、「ガバナンスの欠如」が26.8%で最も多く、次いで「短期的な利益の優先」が24.8%、「トップダウン型の意思決定」が18.8%と続いています。
また、今後増加しそうな失敗としても、「ガバナンスの欠如」(20.8%)、「トップダウン型の意思決定」(20.3%)、「マーケットの誤読」が19.5%、「短期的な利益優先」が19.3%と上位を占めていることがわかりました。


EC事業者が失敗する主な要因:市場理解と差別化戦略の欠如
EC事業における失敗の主な要因としては、「市場調査が不十分だった」「競合との差別化不足」「EC上の情報と実際の商品とのギャップ」などが多く挙げられています。
これらの課題は、顧客理解の深化と一貫性のあるブランド体験の提供が重要であることを改めて示しています。

SNSにおける"致命的な失敗":炎上対応のまずさが命取りに
SNS運用において最も致命的とされるのは、「炎上時の対応ミス」です。さらに、「不適切な表現や差別的な投稿」「誠意の感じられない謝罪文」なども、ブランドへの信頼を大きく損なう要因として重視されていることがわかりました。

山川准教授コメント
「EC事業で成功するためには、徹底した市場調査と顧客理解、そして他にはない価値の提供が不可欠です。一方でSNS運用においては、共感を呼ぶコミュニケーション力と、万一炎上が起きた際に迅速かつ誠実に対応する姿勢が求められます。
SNSは、たった一つの投稿が一瞬で拡散される時代です。だからこそ、ほんの小さなミスがブランドに深刻なダメージを与えることもあります。失敗をした後の対応がカギを握っているのです。」
失敗をポジティブに捉える力:共感を集めたマンガ・アニメの名セリフ
最も多くの支持を集めたのは、『SLAM DUNK』の「『負けたことがある』というのがいつか大きな財産になる」(25.5%)でした。次いで、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の「人間!つまずくのは恥ずかしい事じゃない!立ち上がらない事が…恥ずかしいんだぞ!」(24.3%)、『ドラえもん』の「きみはこれからも何度もつまづく。でもそのたびに立ち直る強さももってるんだよ。」(23.8%)など、失敗に立ち向かう勇気や回復力をテーマにしたセリフが上位を占めています。

失敗しても復活しそうな有名人:狩野英孝さん、千鳥・大悟さん
「たとえ失敗しても、必ず復活しそうな有名人は?」という質問には、狩野英孝さんが18.0%で最多の支持を集めました。続いて、千鳥・大悟さんが13.3%、マツコ・デラックスさんとひろゆきさんがともに12.8%という結果になっています。

山川准教授コメント
「失敗を"終わり"ではなく"成長のプロセス"と捉えるマインドセットこそが、次の挑戦に踏み出すための原動力となります。
アニメやマンガの名セリフに共感が集まっていること、また、有名人の中でも失敗を経ても復活できるだろうと支持を得ている人物がいることは、社会全体に『失敗は学びの機会』という意識が根づき始めている兆しとも言えるでしょう。」
今回の調査結果を踏まえ、「失敗」から学び、それを成長につなげる具体的な戦略や事例を共有する場として、『しくじりECカンファレンス ~失敗から逃げなかった企業が変えた未来~』が2025年6月23日(月)に神田明神ホールで開催されます。
このカンファレンスでは、失敗学の第一人者であるBabson大学の山川恭弘准教授や、ビジネス動画メディア「ReHacQ」の高橋弘樹氏をはじめ、EC業界で数々の困難を乗り越えてきたスペシャルゲストが登壇します。
Shopifyパートナーによる実際の「しくじりからの再起」事例紹介や、参加者が自社の課題について相談できる個別セッションも予定されています。
「失敗=タブー」ではなく、「失敗=成長のチャンス」として捉える文化の醸成を目指すこのカンファレンスは、過去から学び、未来を描き直す第一歩を踏み出す貴重な機会となるでしょう。
出典元:しくじりECカンファレンス実行委員会 プレスリリース