消費者調査に見る米の購入行動とその影響

株式会社mitoriz（本社：東京都港区、代表取締役社長：木名瀬博）が実施した「米に関する調査」に関するデータが、消費者の購買行動に関するサービス「Point of Buy®（以下、POB）」を通じて発表されました。調査対象は3,008人で、米の価格高騰に伴う消費者の行動の変化を探る内容となっています。

調査からは、米の価格への実感度や摂取頻度、購入時の重視点、さらには代替食品として選ぶアイテムについての詳細が明らかになりました。

調査サマリー

米を食べる頻度は「毎日食べる（週7日）」が53.3％で、8割以上が週5日以上に及ぶ

調査結果によると、「普段の米を食べる頻度」で「毎日食べる（週7日）」が53.3％を占め、「ほぼ毎日食べる（週5〜6日）」は29.1％、続いて「週半分程度食べる（週3〜4日）」が10.3％となっています。これにより、週5日以上米を食べている人は8割を超え、米が日常的に消費されていることがわかります。

米の価格高騰を9割以上が実感し、年齢が上がるほどその実感が強まる

米を「食べない」と回答した39人を除く2,969名の回答を集計した結果、「米の価格高騰を感じている」との回答が83.3％に達し、「少し感じている」を加えると9割以上がその実感を持っていることが確認されました。

年代別の分析では、20代以下の実感率が71.8％であるのに対し、60代以上では85.9％にのぼり、年齢が上がるにつれて価格高騰の実感が強くなる傾向が明らかになりました。

米の摂取頻度が「減った」と「少し減った」を併せて35.9％が減少したとの回答

「食べる」と答えた2,969名に「最近の米の摂取頻度の変化」を尋ねると、「変わらない」が63.3％の回答があった一方で、「減った」は11.1％、「少し減った」が24.8％となり、合わせて35.9％が摂取頻度の減少を認めています。

年代別では、「減った」と答えたのは20代以下が14.1％と最も多く、年齢が上がるにつれてこの比率は減少する傾向が見受けられます。ただし、「少し減った」を加算すると50代が37.5％で最も高くなり、「変わらない」の回答は60代以上で66.8％がトップとなっています。

米を購入する際の重視点は「価格」が78.7％で最多、「ブランド・銘柄」は年齢が上がるほど意識される

米を「食べる」とした2,969名に対し、「米の購入時に重視する点」について調査したところ、「価格」は78.7％で最多となり、約8割の人が価格を重要視していることが示されました。「品質（味・食感）」が53.0％、「産地」が34.6％、「ブランド・銘柄」が32.9％で続いています。

年代別の分析では、20代以下で「価格」を重視する人が84.5％と最も多く、「産地」「安全性（無農薬・減農など）」「調理のしやすさ（無洗米）」についても他の年代より高い支持を得ています。一方で、「品質（味・食感）」は50代で56.1％が最も高く、「ブランド・銘柄」は60代以上が37.8％に達し、年齢が上がるほど品質やブランドに対する関心が高まる傾向がうかがえました。

米を購入する行動として「安い店を探す」が40.7％で最多、次に「価格を気にしない」が18.5％

調査対象の2,969名に「米を購入する際の行動で最も近いもの」を尋ねたところ、「安い店を探して購入する」が40.7％で最多の結果となりました。その次に「価格を気にせず、通常通りに購入する」が18.5％、続いて「特売を狙ってまとめて購入する」が14.8％という結果が出ています。また、「購入頻度を減らして消費を抑える」との回答は11.4％、「価格が下がるまで極力買わない」との回答は5.7％と、価格高騰の影響は受けているものの、消費を抑える層は少ないこともわかりました。

主食として選びたい米の代替食品は「うどん」が最多で68.7％、次いで「パン」が67.1％

米を「食べる」と回答した2,969名に「米の価格高騰が続いた場合に主食にしたい代替食品」について調査した結果、最も多かったのが「うどん」で68.7％、続いて「パン」が67.1％でした。年代別では「そば」の選択が増える傾向が見られ、20代以下では「イモ類（25.4％）」「シリアル（21.1％）」「オートミール（14.1％）」を選ぶ割合が高いことが確認され、若年層における主食選択肢の多様化が見受けられました。

米5㎏の平均価格推移…2024年にはほぼ2倍の価格に上昇

POB会員から提示された15,445枚のレシートデータに基づいて、「米5kgの平均価格推移」を分析したところ、2024年6月までは2,000円前後で安定していたものが、7月には2,251.6円にまで上昇し、前月比で212円の急上昇が見られました。その後、8月から10月にかけては毎月300円のペースで価格が上昇し、10月には3,155.4円に達しました。2025年にはさらに価格が上昇し、2025年2月には2024年の2月の1,853.0円から3,625.5円（前年同月比で+1,772.5円）に達し、1年間でほぼ2倍に達すると予測されています。