2024年の日本の広告費はインターネット広告費が過去最高の成長を記録

電通グループの4社(電通デジタル、CCI、電通、セプテーニ)が、2025年2月27日に発表された「2024年 日本の広告費」に関する調査結果をもとに、インターネット広告媒体費の詳細な内訳を広告種別や取引手法に基づいて分析しました。この結果と2025年の予測は「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」として公表されています。

2024年の日本総広告費は、前年比104.9%の7兆6,730億円と見込まれ、2021年から4年連続の成長を記録し、3年連続で過去最高を更新しています。特にインターネット広告費は、デジタル化の進展を受けて堅調に成長し、前年から3,187億円増加した3兆6,517億円(前年比109.6%)となり、これも過去最高を更新しました。このインターネット広告費は、日本の総広告費の47.6%を占めています。

さらに、インターネット広告費から制作費および物販系ECプラットフォーム広告費を除いたインターネット広告媒体費は、ビデオ(動画)広告の特にSNS上での縦型動画広告の成長により、前年比110.2%の2兆9,611億円となっています。

「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」の主なポイント

1. ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の8,439億円で、最高の成長率
ビデオ(動画)広告は、前年比123.0%の8,439億円を記録し、広告種別の中で最も高い成長率を達成しました。内訳としては、インストリーム広告が4,260億円(構成比50.5%)、アウトストリーム広告が4,178億円(同49.5%)と、ほぼ同水準にあります。

2. ソーシャル広告は1兆1,008億円で、推定開始以降初めて1兆円を超える
ソーシャルメディアで展開されるソーシャル広告は、前年比113.1%の1兆1,008億円に達し、推定開始以降初めて1兆円を突破しました。インターネット広告媒体費に占める構成比は37.2%です。

3. 検索連動型広告が約4割を占め、最高の構成比
インターネット広告媒体費の広告種別構成比では、検索連動型広告が40.3%で最も高く、続いてビデオ(動画)広告が28.5%、ディスプレイ広告が25.8%となります。なお、ビデオ(動画)広告はディスプレイ広告を推定開始以降初めて上回りました。

4. 2025年のインターネット広告媒体費は3兆2,472億円に増加すると予測
2025年のインターネット広告媒体費は、ビデオ(動画)広告、ソーシャル広告、検索連動型広告の継続的な成長を受けて、前年比109.7%の3兆2,472億円になると予測されています。ビデオ(動画)広告については、前年比114.7%の9,677億円と予測されています。

インターネット広告媒体費における広告種別の構成比

~ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の8,439億円で、最高の成長率を記録~

2024年のインターネット広告媒体費は前年比110.2%の2兆9,611億円(電通「2024年 日本の広告費」より)となっており、広告種別別に見ると、ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の8,439億円で成長率が最も高く、構成比でも28.5%とディスプレイ広告を上回りました。検索連動型広告は過去最高を記録した2023年からさらに増加し、2024年は前年比111.2%の1兆1,931億円となる見通しです。

インターネット広告媒体費における取引手法別構成比

~運用型広告は2兆6,095億円、インターネット広告媒体費における構成比は90%近くに達する~

インターネット広告媒体費の取引手法別に見ると、運用型広告が前年比111.1%の2兆6,095億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.1%に達します。予約型広告は前年比105.4%で2,789億円に成長し、成果報酬型広告は前年比99.3%とわずかに減少し727億円となりました。

インターネット広告媒体費の取引手法別構成比
【グラフ2】インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

インターネット広告媒体費の広告種別別×取引手法別構成比

~ビデオ(動画)広告は運用型が前年比123.0%、予約型も前年比123.2%と大きく伸びる~

広告種別別×取引手法別で見ると、運用型の検索連動型広告が全体に占める構成比は最も高く40.3%となり、運用型のビデオ(動画)広告が初めて運用型のディスプレイ広告を超えて24.0%を占めています。

インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比
【グラフ3】インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比

ビデオ(動画)広告市場

~インストリーム広告とアウトストリーム広告の構成比はほぼ同じ~

ビデオ(動画)広告市場は前年比123.0%の8,439億円と、広告分類の中で最高の成長率を記録しています。その内訳は、動画コンテンツの間に流れるインストリーム広告が4,260億円(構成比50.5%)、Webサイトや記事上で再生されるアウトストリーム広告が4,178億円(構成比49.5%)となり、ほぼ同等の割合になっています。また、取引手法別では運用型広告が全体の中で84.4%を占めています。

ビデオ(動画)広告の広告種類別・取引手法別構成比
【グラフ4】ビデオ(動画)広告の広告種類別・取引手法別構成比

ソーシャル広告市場

~ソーシャル広告は前年比113.1%の1兆1,008億円に達する~

ソーシャルメディア上でのソーシャル広告は、前年比113.1%で1兆1,008億円に達しました。これは、2019年からの推定開始以降初めて1兆円を超えた結果であり、インターネット広告媒体費における構成比は37.2%を記録しています。

種類別には「SNS系」、「動画共有系」、「その他」に分かれ、SNS系が4,550億円(構成比41.3%)、動画共有系が4,054億円(構成比36.8%)、その他が2,404億円(構成比21.8%)を占め、特に動画共有系の割合が前年から増加しています。

ソーシャル広告の構成比推移・広告種類別構成比
【グラフ5】ソーシャル広告の構成比推移・広告種類別構成比

インターネット広告媒体費総額の推移と予測

~2025年には前年比109.7%の3兆2,472億円となる見込み~

2025年には、インターネット広告媒体費が前年比109.7%の3兆2,472億円に達することが予測されています。

インターネット広告媒体費総額の推移(予測)
【グラフ6】インターネット広告媒体費総額の推移(予測)

ビデオ(動画)広告市場の推移と予測

~2025年には前年比114.7%の9,677億円となる見込み~

ビデオ(動画)広告についても、2025年には二桁成長を維持し、前年比114.7%の9,677億円に達すると予想されています。インストリーム広告とアウトストリーム広告の成長はほぼ同等と見込まれています。

ビデオ(動画)広告市場の推移と予測
【グラフ7】ビデオ(動画)広告市場の推移と予測

出典元:株式会社電通デジタル プレスリリース

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