Google(グーグル)、2024年第4四半期決算発表:AI投資が成長を加速、検索・広告・クラウドが牽引

Alphabet(Googleの親会社)は2024年第4四半期および通期の決算を発表しました。総収益は前年同期比12%増の964億ドル、純利益は28%増の265億ドルに達し、堅調な成長を遂げています。検索やYouTube広告の好調に加え、Google Cloudの成長が収益を押し上げました。

AI技術への投資で各事業の統合を加速

近年、AlphabetはAI技術への投資を強化し、各事業への統合を加速させています。サンダー・ピチャイCEOは、「AIの先進技術が検索やYouTube、Google Cloudの成長を支えている」と述べ、Gemini AIモデルの進化や検索機能の向上がユーザーエクスペリエンスの改善につながっていると強調しました。

特に検索関連では「AI Overviews」や「Circle to Search」が導入され、Google検索の利用頻度が増加しています。YouTubeではショート動画の視聴数が引き続き増加し、広告収益の拡大を後押ししています。また、Google Cloudでは、AIインフラやデータ分析プラットフォームの需要が高まり、クラウドビジネスの成長を加速させました。

Google検索とYouTube広告が成長を牽引

Googleの主力事業である「Google Services」セグメントの売上は、前年同期比10%増の841億ドルとなりました。この成長を牽引したのはGoogle検索とYouTube広告です。

Google検索では、AIを活用した「AI Overviews」が新たに導入され、複雑な質問にも対応できるようになり、検索ボリュームが増加しました。現在、AI Overviewsは世界100か国以上で展開され、月間10億人以上のユーザーが利用しています。また、広告もAI Overviews内で表示され、広告主にとって新たなタッチポイントとなっています。

一方、YouTubeの広告収益は前年比14%増の105億ドルを達成しました。特に短編動画「YouTube Shorts」の視聴数は日々700億回を超え、広告の収益化も進展しています。YouTube TVやYouTube Music Premiumなどのサブスクリプションサービスも順調に成長しており、テレビ視聴者向けのコンテンツも拡大しています。

Google Cloudは好調!AI・データ分析が収益の柱に

クラウド事業の売上は前年同期比30%増の120億ドルでした。特にAIインフラやデータ分析プラットフォーム「BigQuery」などの企業向けサービスが好調です。ピチャイCEOは「Google Cloudが企業のAI活用を支え、コスト削減や顧客エンゲージメントの向上に寄与している」とコメントしています。

セキュリティソリューションでもAIの活用が進んでおり、脅威検知プラットフォーム「Mandiant」を導入する企業が増えています。例えば、保険会社のHiscox社では、BigQueryを活用してリスクの見積もり時間を数日から数分に短縮するなど、AIによる意思決定支援の事例も増加しているとのことです。これにより、Google Cloudの収益が急成長し、営業利益は前年同期の8.6億ドルから20.9億ドルへと大幅に拡大しました。

今後の展望と設備投資の計画

Alphabetは2025年に約750億ドルの設備投資を予定しており、主にAIおよびクラウドインフラの強化に充てると発表しました。ピチャイCEOは「我々のAI戦略が成長を加速させる鍵となる」と述べ、Google CloudおよびYouTubeのさらなる拡大を目指す方針を示しました。

また、Waymoを含むOther Bets部門でも成長の兆しが見られ、自動運転技術の商業化が進められています。Waymoは、完全自動運転の有料ライドが月間15万件を超え、ロサンゼルスやオースティンなどの都市でサービスが拡大中です。ピチャイCEOは「Waymoは技術面でリーダーシップを発揮し、商業化への第一歩を踏み出している」と述べ、Uberとの提携などを通じ、新たな市場開拓を進める方針を示しました。

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