LINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー)は、ミッション『「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。』に基づき、革新を促進し、サービスの質と利便性を向上させることを目指しています。本ニュースレターでは、2024年下半期に実施されたLINEヤフーによる生成AIと技術に関する取り組みから6つの主なトピックをお届けします。
この記事の目次
① 新機能(サービス活用)
「Yahoo!知恵袋」のAI回答機能導入により、過去の優れた回答を参照しつつ独自の回答を生成する「みんなの知恵袋」がスタート
2023年11月より「Yahoo!知恵袋」は、OpenAIの生成AI技術を活用し、AIによる回答機能を開始しました。2024年5月には、Amazon Web Services, Inc.(AWS)の生成AIサービス「Amazon Bedrock」を通じてAnthropic社のClaude3を追加し、これにより回答は2つの生成AIによって作成されることになりました。これまでに、161万件以上の質問に対して回答が提供されています。
この新機能では、OpenAIの生成AIが質問を解析し、類似の質問を検索、その後「Yahoo!知恵袋」に蓄積された約1.6億件のベストアンサーから最大5件を参照し、新たな回答を生成します。このプロセスにより、生成AIによる回答生成において「Yahoo!知恵袋」の持つ独特な特徴を融合させた、さらなる独自性の高い回答を提供できるようになっています。また、参照されたベストアンサーのリンクも表示されるため、他の回答を確認することも可能です。
※1:2024年8月29日現在
② 新機能(サービス活用)
「Yahoo!検索」において観光スポットのレビューを生成AIが要約し、検索結果で表示する機能の導入

「Yahoo!検索」は、2024年10月からAI回答表示やチャット形式の機能を含む、生成AIを活用した多くの機能を提供しています。また、観光分野では、生成AIが観光モデルコースの提案を行い、ユーザーのお出かけを支援するためにその活用を進めています。
これまで、ユーザーが「Yahoo!検索」で観光スポット名を調べると、各クチコミが一覧表示されていましたが、新機能では生成AIがそのレビューから、体験や施設に関する評価のポイントを抽出し、最大5つの特長を表示します。この機能は、日本全国の約10,000か所以上の観光地で利用可能です。
③ 新機能(サービス活用)
「Yahoo!ショッピング」でのレビューを基に生成AIが類似商品を推薦する機能が登場

「Yahoo!ショッピング」は最近、レビューの内容をもとに生成AIが類似商品を提案する機能を開始しました。この機能により、ユーザーは関心のある商品のレビューが平均より低い場合、生成AIの提案を通じてより高評価な似た商品を簡単に比較できます。
例えば、服を購入する際に「生地が薄い」という低評価のレビューがあった場合、その観点から高評価の類似商品を生成AIが推奨します。
結果として、ユーザーは多様なレビューの中から必要な情報を探し出す手間が省け、スムーズに商品を比較できるようになりました。
④ LINEヤフーの社員が受賞
令和6年度「卓越した技能者(現代の名工)」に、LINEヤフーの岩崎 雅二郎氏が選出

LINEヤフー研究所の上席研究員である岩崎 雅二郎氏が、厚生労働省が主催する「令和6年度 卓越した技能者(現代の名工)」表彰を受賞しました。この受賞はLINEヤフーにとって初めてのもので、岩崎氏は「情報処理技術・通信技術の職業」部門で評価されました。
卓越した技能者の表彰制度は、優れた技能を持つ専門家を対象に、その技術を次世代へと継承することを目指しています。
岩崎氏は、ECサイトで普及した類似画像検索技術の研究開発に約30年を費やしており、その技術は「Yahoo!ショッピング」など様々な自社サービスに活用されています。加えて、類似画像検索の主要技術に関する研究や論文発表、特許取得、オープンソースソフトウェアの公開においても尽力されています。
⑤ エンジニア職の中途採用情報
約120ポジションで積極的に採用中
LINEヤフーでは、バックエンドエンジニアやデータサイエンティスト、データエンジニア、データアナリストなど、約120の職位でエンジニアの採用を積極的に行っています。専門的スキルを向上させるためのプログラムや独自の技術を学ぶ研修、社内賞を通じた挑戦機会の提供などを行い、約7,000名のエンジニアを支援しています。
⑥ リスキリングプログラム
「LINEヤフーテックアカデミー」について、2週間でChatGPTの基礎や使用法を学ぶ「はじめてのChatGPTコース」など新たに4種のコースを開設
LINEヤフーとキラメックス株式会社が運営するリスキリングプログラム「LINEヤフーテックアカデミー」は、「はじめてのChatGPTコース」など4種類の新コースを新たに開設しました。受講者は、「営業コース」や「マーケティングコース」など、職種やニーズに応じてコースを選択することができます。
「LINEヤフーテックアカデミー」では、過去に美容師からIT企業のJavaエンジニアに転職した受講者や、フォークリフト運転手から大手スーパーマーケットグループの社内SEに転職した受講者が誕生しており、両者とも年収が120万円以上向上しました。
「はじめてのChatGPTコース」は、初めてChatGPTを使用する方を対象としたカリキュラムで、毎週1回のマンツーマン講義を含む実践的な内容で、2週間の受講で効率的に基礎を学ぶことができます。生成AIを活用した業務効率化ツールを提供し、ChatGPTを用いた業務改善が可能です。また、このプログラムは経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に採択されており、企業と契約している受講者がこのコースを終了すれば、受講料の50%がキャッシュバックされる制度も設けられています。
出典元: LINEヤフー株式会社 プレスリリース