
株式会社PR TIMES(東京都港区、代表取締役:山口拓己、東証プライム:3922)は、2024年12月24日(火)に、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」にて、2024年1月1日から10月31日までの発信プレスリリース32万8938件に基づく「PR TIMES コンテンツ基準」による審査結果レポートを公開しました。このレポートでは、企業登録審査やプレスリリース審査において指摘された割合や内容、分析結果が詳述されています。2022年に発表されたこのレポートは、今年で3回目となり、2024年では「新規性の不足」が指摘理由で最も多く(25.2%)、次いで「最上級表現の根拠不足」が上位に挙げられています。
この記事の目次
【調査概要】
調査期間:2024年1月1日~2024年10月31日
調査主体:株式会社PR TIMES カスタマーリレーションズ部 審査部門
調査対象:PR TIMESプレスリリース32万8938件
調査方法:2024年プレスリリース審査に基づく指摘割合や内容の分析等
2024年には4032件、全体の1.2%のプレスリリースが基準に則して指摘されました
PR TIMESでは、プレスリリースを発信する企業や情報を受信するメディア、転載するパートナーメディア、また一般の生活者が安心して利用できる環境を整えるため、企業利用登録やプレスリリース内容についての審査基準を設けています。発信されるプレスリリースについては、ニュースバリューや法令遵守、情報の信頼性などの観点から、全件目視で審査を行っており、その結果として4032件(1.2%)に指摘がなされ、昨年の7153件(2.4%)と比べて指摘件数は減少しています。

2024年1月から10月に発表された32万8938件のプレスリリースの中で、基準に沿って4032件(1.2%)が指摘される結果となりました。昨年の7153件と比較して指摘件数が減少しているのは、PR TIMESの審査基準の見直しや、指摘を受けた企業へのサポート施策の導入が効果を上げた結果と捉えられます(詳細は後述)。ただし、指摘対象の4032件のうち、修正や表現の変更により掲載を継続できたプレスリリースは2712件(68.6%)であり、昨年の75.4%に比べて減少していることに注意が必要です。
プレスリリース発信主体の多様化に対応するための審査基準の見直し
PR TIMESの審査基準は、法律や業界団体による自主規制に準拠しているだけでなく、法改正や社会情勢も反映するよう努力しています。2022年の調査に基づき、リリース基準の見直しや最上級表現に関する基準が新設され、2023年には景品表示法の改正を受けてステルスマーケティングに関する基準が設けられました。また、今年はコンテンツ基準を維持しつつ、プレスリリース発信主体の多様化に応じた審査基準の改定を実施しました。
PR TIMESでは、設立から2年以内のスタートアップを支援する「スタートアップチャレンジ」を始めとし、地域の事業者や中小企業との連携、イベントの開催を通じてプレスリリースの活用を促進しています。このような多様化に対し、審査基準の見直しが重要であると考えています。
74件のプレスリリースを運営者判断で即時取り下げ

「PR TIMES」では、不適切なプレスリリースについては法令違反や誹謗中傷を含む場合、厳格に対応しています。指摘対象となった場合、通常の審査フローに沿った修正や削除の要請を行いますが、場合によっては運営者の判断で即時取り下げが行われることもあります。自動通知botを用いて、発信後に確認が必要なプレスリリースを検知し、優先的にチェックする体制を構築しています。従って、2024年には即時取り下げされたプレスリリースは74件あり、指摘対象の1.8%にあたります。
「新規性の不足」と「最上級表現の根拠不足」が上位を占める
指摘を受けたプレスリリースにおいて、最も多い理由は「新規性の不足」で25.2%、次いで「最上級表現の根拠不足」で19.4%となり、特にこの二つが目立っていました。今年の特徴的な指摘には、「第三者の権利侵害のおそれ」があり、特に国際的なスポーツイベントや選挙に関連するケースに目立ちました。

指摘理由1.「新規性の不足」
プレスリリースは、企業や団体にとって新たな活動を広める重要な機会です。このため、過去の活動を発信することは控えられており、「情報がタイムリーかどうか」が重要視されています。「新規性」の不足は2022年にも多く指摘されており、今年も最も頻繁に挙げられています。
指摘理由2.「最上級表現」の根拠不足
「PR TIMES」では「No.1」や「業界初」といった最上級表現に関する基準を新設しており、消費者庁の摘発が増えている現状を踏まえています。これに伴い、最上級表現を使用する際には客観的根拠の記載が必要とされています。今年もこの理由に基づく指摘は19.4%に上っています。
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(*2)根拠例(記載は1,2のいずれかを推奨)
1. 試験・調査による客観的結果
※自社調査の場合は、下記3点を記入すること
自社調査である旨/調査年月/調査範囲
2. 専門家や専門機関の見解もしくは学術文献
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その他の指摘理由について
・再告知 10.1%
└すでにプレスリリースで発表済みの情報の再発信
・法令抵触おそれ 6.7%
└法律に抵触する可能性がある場合
・メディア掲載情報の告知 6.3%
└プレスリリースがメディアへの掲載情報を含むこと
・調査リリースの不足 4.8%
└調査内容が不明確または古くなっている場合
・発表主体が不明 3.8%
└「PR TIMES」の発信元企業がプレスリリースの主体でない場合
・コンテンツ更新情報 3.2%
└Webサイトの更新に関する情報
・第三者の権利侵害のおそれ 3.0%
└権利の侵害リスクがある場合
・インタビュー・コラム形式 2.8%
└対談やインタビュー以外の形式で発信されること
“発表後”も継続される審査の理由

「PR TIMES」では、発表される内容の審査は、迅速に行われる仕組みが維持されています。企業登録審査を経て発表された情報は、内容が不適切であれば即時に訂正や削除が行われ、サービスとしての責任を全うするための重要な工程となっています。
企業登録審査について
「PR TIMES」の新規利用登録の審査は、申請された企業情報をもとに行われます。2024年の1月から10月までに、385社が登録を見送っており、その理由は主に法令やガイドラインへの抵触が懸念されたためです。
審査部門の取組み
プレスリリースの効果的な活用を促すサポート面会を実施
2023年から、複数回の指摘を受けた企業向けにサポート面会が開始され、今年は新たに初回配信時に指摘を受けた企業への対応を行っています。その結果、発信時に事前相談がしやすくなり、指摘数の減少にもつながっています。今後は取り下げとなった企業へのフォローアップや個別サポートも強化し、利用企業やメディアにとってプレスリリースが有益なものとなるよう努めます。
レポートを担当した審査プロセス担当者からのコメント
PR TIMES事業ユニット カスタマーリレーションズ部 審査担当 重富太壱
PR TIMESをご利用いただき、ありがとうございます。利用企業は既に10万社を超えており、我々カスタマーリレーションズ部では広報未経験者や海外のクライアントへの支援を行っています。プレスリリースは「メディアの情報源」としての役割だけでなく、一般生活者の目にも重要な情報源となりつつあります。我々は各プレスリリースを丁寧に審査し、適切かつ正確な情報を提供することに努めています。今後もPR TIMESが活発な行動者のプラットフォームであり続けられるよう、サポート体制の充実を図ります。

PR TIMESについて

PR TIMES(ピーアールタイムズ)は、「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」というミッションのもと、行動者のポジティブな情報がニュースの中心となることを目指しています。利用企業数は10万1000社を超え、国内上場企業の59%以上が活用しており、約9000万PVの月間アクセス数を誇るプレスリリース配信サービスです。
出典元:株式会社PR TIMES