
シンガポール発: DHL Expressが発表したところによると、2024年度におけるアジア太平洋地域の航空輸送網および地上施設を強化することに決定し、同地域の国際貨物輸送量が前年比で6%の増加を見込んでいるとのことです。この増加は、アジア太平洋地域が今後も世界貿易において重要な役割を果たすことを示しています。DHL Expressは、供給チェーンの多様化に努め、地理的利点を最大限に活用しながら成長する貿易市場への対応を進めています。
DHL Expressアジア太平洋地区のCEOであるケン・リー氏は、「アジア太平洋地域はグローバル供給網の多様化や構造的利点、更にはeコマースの成長によって著しい進展を遂げています。この変化に適応するために、私たちは事前に戦略的な計画を行い、地域全体で強化を進めてきました。この体制があれば、市場の需要の変動にも柔軟に対応できます。また、強化により、eコマースの需要がピークに達する繁忙期にも、顧客をしっかりサポートできる体制が整っています」と述べています。
東南アジアにおける需要の成長に対応
若く優れた労働力、数多くの貿易協定、そしてイノベーションへの注力がある東南アジアは、国際貿易においてますます注目される地域となっています。この地域は、供給網の多様化を図る国際貿易業者にとって、特に成長が期待される地域の一つです。
DHL Expressは、昨年、東南アジアにおける貨物輸送量の増加に対応すべく、主要拠点となる施設を拡大しました。具体的には、シンガポールのチャンギ空港近くに位置する「南アジアハブ」を拡充しました。この施設は2021年から2022年にかけて20%以上の貨物量の増加を見込んで設計されており、さらなる成長の可能性を考慮しています。このハブはアジア太平洋地域におけるマルチハブ戦略の重要な基点であり、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニアへの輸送を支えています。また、新たに導入したX線検査機器により、スキャン能力が30%向上し、既存のマテハンシステムの強化により仕分け能力が40%向上したとのことです。
さらに、南アジアハブには、DHLが所有するボーイング777貨物機5機を配備し、1,200トン以上の追加積載能力を確保しています。これにより、アメリカとアジア間の輸送時間が最適化され、貿易をさらに促進することが期待されています。また、新型ボーイング777は従来のB747-400型機に比べ、二酸化炭素排出量が18%低く、DHLのスコープ1排出量削減にも寄与します。
DHL Expressアジア太平洋地区ネットワークオペレーション&アビエーション担当シニアバイスプレジデントのピーター・バーデンズ氏は、「私たちはサービスの品質向上とネットワークの柔軟性を積極的に追求しています。お客様のニーズは日々多様化しており、当社の強固な国際ネットワークは、グローバル市場との接続を支え、地域での新たな成長機会を生み出します。国際貿易は世界経済にとって不可欠な要素であり、DHLはその中心的な役割を果たし続けるでしょう」とコメントしています。