スキャンディット合同会社が、Smart Data Capture技術のリーダーとして、最新のレポート「小売の現場の現状: テクノロジー面での課題とメリット」の後編を発表しました。

この調査によると、コロナ禍の終息後に店舗スタッフから寄せられた厳しい来店客の要求が明らかになりました。この結果、小売業者にとって新たな成長機会が生まれる可能性が示唆されており、テクノロジー、生産性、従業員と顧客の体験の関連性が探求されています。

■店舗スタッフが求めるテクノロジーの特性

本調査では、世界中の小売店舗スタッフ2,000名(日本からは300名)の回答をもとにスキャン関連技術に対する期待が探られました。その結果、スタッフは接客や売上に関連する場面で、最新のAI技術よりも効率的で時間を節約できるツールを求めていることが明らかになりました。

主な調査結果は以下の通りです。

  • 日本のスタッフも他地域と同じく、使用するスキャンデバイスへの不満を抱いており、特に「一度に1つのバーコードしかスキャンできない」ことや「スキャン性能の低さ」が過半数(42%)に挙げられ、機能性に関する不満が高まっています。必要とされるスキャン機能には「スキャンの確実性向上」と「スキャン速度の向上」が多くの回答者によって求められています。
  • スキャン機能の向上に必要な機能について、半数(50%)が厳しい条件下でもスキャン可能な機能を求めています。また、食品店などで多くのアイテムを扱う場合、在庫管理や価格チェックのためスキャン機能の高速化を求める声が45%に上り、21%はこれを最優先事項と位置づけています。
  • IDスキャン(51%)やマルチバーコードスキャン(48%)といった高度なソリューションが、AI(35%)などの最新技術よりも求められています。この傾向は、スキャンが必要な商品の数と頻度を考慮した結果、スタッフが手動データ入力や面倒な業務を減らすための実用的なツールを重視していることを示しています。
  • テクノロジーが最も役立つ分野として、棚管理(84%)、顧客サービス(83%)、オンライン注文のオーダーピッキング(81%)が挙げられています。

■テクノロジーの限界と顧客体験への影響

スムーズな顧客サービスは小売業にとってロイヤルティの基盤であり、これは知識豊かな店舗スタッフによって支えられています。しかし、顧客とのインタラクションのために設計されたテクノロジーが、逆に重要な接点を妨げ、潜在的な売上を逃している可能性があります。小売フルフィルメントソリューションは、プロセスを合理化しスタッフを支援する役割を果たしています。

  • 店舗スタッフは、現行のテクノロジーの限界のためにスムーズな顧客体験を提供できずに苦労しています。顧客の待ち時間(68%)、質問に対する効果的な回答ができない(48%)、関連情報へのアクセスの難しさ(35%)が主な不満として挙げられ、特に有用なデータへのアクセスが障害となっています。
  • 17%の店舗スタッフは、デバイスが顧客体験に影響を与えていないとしていますが、約25%(22%)は実際にはデバイスがより良いサービス提供を妨げていると考えており、改善の必要があることを示唆しています。
  • 76%のスタッフは、手作業を減らし、顧客対応に時間を増やすためにデバイスが役立っていると認めています。しかし、小売企業は不十分なテクノロジーが原因で顧客体験を悪化させ、顧客を遠ざけるリスクを抱えています。

スキャンディットのCTO兼共同創業者であるChristian Floerkemeier氏は、「店舗スタッフが顧客に優れた買い物体験を提供するのに苦労しているのは明白であり、その原因は現在利用可能なテクノロジーの限界に基づいています。Smart Data Captureはワークフローのストレスを軽減し、日常業務を改善するための重要な要素となり、従業員の生産性を向上させ、洞察を提供し、将来の収益性の向上を促進する重要なドライバーになります。本調査は、小売業者が現場で働くスタッフを支援し、顧客体験を向上させるための戦略的なテクノロジー導入の助けとなるでしょう」と述べています。

出典元: スキャンディット合同会社

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