
Z世代向けの企画やマーケティングに特化した株式会社seamint.(本社:東京都江東区、代表取締役:戎 光璃)は、Earth hacks株式会社およびLINEヤフー株式会社と共同設立した「デカボLab」にて、Z世代のウルトラファストファッションおよびサステナブルファッションに関する意識調査を実施しました。
この調査は、株式会社seamint.、Earth hacks株式会社、LINEヤフー株式会社が共同で設立した研究機関「デカボLab」により行われたものです。
<調査概要>
調査主体 :Earth hacks株式会社、株式会社seamint.
調査方法 :LINEリサーチプラットフォームを利用した調査
調査対象者 :東京および大阪に在住の18~27歳
有効回答数 :300名
調査期間 :2024年7月12日~7月16日
また、座談会も開催され、Z世代の3名の意見が収集されました。
※Z世代は1996年から2012年生まれの世代を指します。
今回の調査は、特に1996年から2006年生まれのZ世代を中心に実施されました。
最近、環境問題への関心が高まる中で、Z世代がその先頭に立っているとのことですが、環境に優しい選択を意識しつつも、日々の消費行動に矛盾を感じていることも事実です。
本調査は、特にZ世代が抱える「ごめんね消費」という現象の実態にフォーカスし、その背後にある心理や社会的要因を探求しています。
※この情報は、Z世代の環境意識を批判するためではなく、彼らを対象とした意識調査の結果に基づき、現代のファッションが抱える環境問題について考えるきっかけを提供することを目的としています。
Z世代の74%が「ウルトラファストファッション」を購入経験あり
ウルトラファストファッションとは?
Z世代は他の世代と比較し環境意識が高いとされていますが、同時にウルトラファストファッションも人気を博しています。
ウルトラファストファッションは、インターネットで購入できる1着あたり約1,000円程度のブランドを指し、「安くて可愛い商品がたくさんある」との理由でZ世代から特に支持を集めています。
しかし、有害化学物質の使用や厳しい労働環境、プラスチック素材の使用による環境への悪影響も懸念されています。
Z世代の74%がウルトラファストファッションを経験
デカボLabの調査によると、Z世代の74%がウルトラファストファッションを購入した経験があることが明らかになりました。その中で、15.4%は月に1回以上購入しているとのデータも示されています。

環境に悪影響を及ぼす商品については、Z世代の約55%が「知っている」と答えています。X(旧Twitter)やInstagram、YouTube、テレビなど、様々なメディアから発信される情報によって、環境問題がZ世代にとって身近なものになっています。

環境への悪影響を知りながらの「ごめんね消費」
罪悪感を抱えながらも購入するZ世代
ウルトラファストファッションの購入に関して調査した結果、約77%が「環境への悪影響が購買行動に影響を与える」と回答しました。
Z世代を対象とした座談会では、「環境への悪影響を常に考慮しているが、価格が安くデザインが豊富なため、『ごめんね』と思いながらも購入せざるを得ない」との意見がありました。
調査の結果、52.3%が環境に影響があると認識しつつも「ごめんね消費」を行っていることが明らかに。環境への影響を理由に購入を避けている人はわずか24.8%にとどまっています。

なぜ「ごめんね消費」が生じるのか?
ウルトラファストファッションの魅力には主に「低価格」と「豊富なデザイン」が挙げられます。特に、毎日数千種類の新作がリリースされるブランドが多いため、これがZ世代の消費を促す要因となっています。
調査によれば、Z世代はウルトラファストファッションに対して「価格が安い」「手に入れやすい」「失敗しても気にしなくて良い」といった印象を持っていることが明らかに。また、「なんとなく不安」「環境への配慮が足りない」といったネガティブな印象を抱く人も少なくありません。

ウルトラファストファッションは、ハロウィンやお揃いコーデなど特別な場面で急遽必要となることが多く、その手軽さと安さから重宝されています。
座談会では、「価格が安いから『失敗しても大丈夫』感がある」という意見が寄せられました。たとえば、300円程度のイヤリングがもしなくなった時も、大きな痛手にはならないため、自由に購入しやすいとの意見がありました。
一方で、「デザインのパクリが多い」といった懸念も指摘されました。不正規ブランド品を欲しがる一方で、模倣品や偽ブランド品を避けたいとの意見もありました。
さらに、インフルエンサーによるコーディネート紹介動画や大量購入動画がウルトラファストファッションの購買を促していることも明らかになりました。

また、XやYouTube、TikTokなどのSNSでウルトラファストファッションのコーディネート動画や投稿を見たことがある人は80%以上に達し、その中で3人に1人が実際に購入に至ることが分かりました。
デカボLabの所長でありZ世代の専門家である株式会社seamint.代表の朝比奈ひかり氏は、次のように語っています。
ファッション系インフルエンサーによると、これらの動画や投稿の多くは広告として行われており、特にウルトラファストファッション関連の投稿が反響を得やすいことが知られています。そのため、フォロワーを増やしたいインフルエンサーがこうした投稿を多く行っているとのことです。
購入を控えている25%のZ世代の共通点
Z世代の52.3%が「ごめんね消費」を行う一方で、24.8%は実際に購入を避けていることが分かりました。座談会参加者からは、「友人や知人からウルトラファストファッションが環境に悪影響を及ぼすことを知らされると、購入をためらう」との声が挙がりました。

座談会に参加したZ世代からは、「ごめんね消費の存在は理解できるが、自分はサステナブルファッションが高額で届かないものとは考えない。工夫によって状況は改善できるのではないか」という意見も出ました。このように、意識せずとも自然にサステナブルファッションを生活に取り入れているZ世代も確認されました。

まとめ
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環境意識の高いZ世代に支持されている「ウルトラファストファッション」
Z世代は環境意識が高い一方、ウルトラファストファッションの人気が根強く、安価で可愛い商品が豊富に存在しますが、その一方で環境への悪影響も懸念されています。
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Z世代の4人に3人がウルトラファストファッションの購入経験あり
74%がウルトラファストファッションを利用した経験があり、その中で55%が環境への悪影響を意識し、SNSやメディアからの情報にも影響されています。
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約半数が環境に悪いことを認識しながら購入している「ごめんね消費」
環境への悪影響を認識しつつも52.3%が「ごめんね消費」を経験していますが、一方で24.8%は購入を控える行動を選択しています。
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ウルトラファストファッションの「安価」「豊富なデザイン」がZ世代の消費を支える
座談会では、罪悪感を抱きつつも購入する意見が多数寄せられました。
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購入を控えている25%のZ世代に共通する特徴
「友人や知人からの影響で購入を控える」という意見が挙がり、周囲の行動や風潮がZ世代の消費行動に影響を及ぼしていることが示されています。
Z世代とサステナブルな未来を結ぶ「デカボLab」
株式会社seamint.、Earth hacks株式会社、LINEヤフー株式会社が共同設立した研究機関「デカボLab」は、Z世代の生活者を中心に、彼らのサステナブルな取り組みや行動、トレンドを深く探求し、貴重なインサイトを提供するプラットフォームです。
Z世代が持続可能な未来に向けて実際に行動を起こすための触媒を提供し、彼らが楽しみながら参加できる情報を発信しています。
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