2024年下半期に向けて、株式会社マクロミル(本社:東京都港区、代表執行役社長 CEO:佐々木徹)が発表した「食品」と「日用品」カテゴリの購買金額動向に関するレポートが注目されています。これに基づいた「2024年下半期市場規模拡大・縮小ランキング」は、消費者購買履歴データ「QPR™」を活用しています。
「QPR™」は、全国3.5万人の消費者パネルから日々の購入履歴を収集し、通常のPOSデータでは把握できない購入者属性や、アンケートで得た購入シーン、理由などが追跡できる貴重なデータです。ランキングのカテゴリはJICFS(JANコード商品情報データベース)用語に統一され、集計データは2024年7月1日から10月17日までのものが基になっています。
■2024年下半期の注目ポイント
- 食品部門では、「米」が前年比42.3%の増加を記録し1位を獲得。続いて2位にはパックご飯の「米飯加工品」がランクインしています。また、切り餅の「包装餅」が5位に入るなど、コメ関連商品が上位に名を連ねています。
- 日用品部門では「ボディケア化粧品」が1位に選ばれ、前年比79.8%の大幅増加を見せました。特に「ダヴ クリーミースクラブ」が牽引役となり、SNSでの注目が購買を後押ししています。
- 南海トラフ地震の臨時情報発表により、備蓄食品や防災グッズの市場が急成長しています。カセットコンロやガス部品、水、米飯加工品などの需要が急増しています。
- 日用品部門第2位には「その他男性化粧品」が入っており、「洗顔シート」が牽引役として前年比69.1%の増加を示しました。特に、男性40代から60代の増加率が79〜121%と顕著であり、女性の購買も平均78.2%の増加が見られます。
この記事の目次
1. 食品部門の第1位は「米」で前年比42.3%増
食品部門での市場規模拡大ランキングでは、「米」が1位で前年比42.3%増を達成しました。続いて2位にはパックご飯やカップご飯類の「米飯加工品」が31.0%の増加を見せ、3位には「畜産珍味」が28.9%、4位「液体だし」が26.7%、5位「包装餅」が23.8%の増加を記録しています。特に、コメ関連がトップ5に3項目も入る結果となり、2024年夏の市場で「令和の米騒動」への影響が伺えます。
「米」の平均購入単価は前年比35.6%上昇し、購入者数も前年より9.2%増加しています。「米飯加工品」や「包装餅」もそれぞれ20.6%、15.2%の増加を示しており、コメ不足による価格上昇が影響している模様です。【図表1】

2. 日用品部門の第1位は「ボディケア化粧品」で前年比79.8%と増加
日用品部門で第1位となったのは「その他ボディケア商品」で前年比79.8%の増加が見られます。中でも「ダヴ クリーミースクラブ」の人気が非常に高く、インフルエンサーによるSNSでの言及が相次いでいます。第6位の「ビタミン含有の滋養強壮(指定医薬部外品)」も注目を集めており、Xの投稿回数が470万回を超えています。さらに、第8位の「その他メイクアップ化粧品」は前年比42.7%増加しており、コーセーの「メイク キープ ミスト EX +」も人気を集めています。

3. 南海トラフ臨時情報の影響で備蓄市場拡大
日用品部門第4位には「その他調理器具」がランクインし、特にカセットコンロが前年比59.6%増、9位の「ガス部品」についても前年比36.4%の増加が見られました。
さらに、食品部門の「米」と「米飯加工品」、5位の「包装餅」、および「水」の購入金額を日々観察すると、南海トラフ地震の臨時情報が発表された8月8日以降に「水」や「米飯加工品」の購入額が急増した傾向が見られます。今後の災害への備えとして購入が進んでいることが明らかです。【図表3】

4. 日用品部門の第2位「その他男性化粧品」の急成長
日用品部門第2位には「その他男性化粧品」がランクインし、前年比69.1%の増加を記録しました。「洗顔シート」が、このカテゴリの成長を牽引しており、記録的な暑さだった夏季が市場拡大の要因とも考えられます。
性別や年代別のデータでは、男性全体で前年比65.1%の増加を示し、特に男性40代から60代での増加率が際立っています。男性60代は121.0%、40代は92.7%、50代は79.1%の増加を記録し、同様に女性も78.2%の増加が観察されています。【図表4】

以上の結果から、2024年下半期においては食品と日用品の両部門において顕著な成長が見られ、特に備蓄品や米関連商品が市場の注目を集めています。今後の動向に注目が集まるでしょう。
出典元: 株式会社マクロミル プレスリリース