最近、ECサイト運営を行う企業においてカートシステムのリプレイスが進んでいることが明らかになりました。

- 01|カートシステムのリプレイスを行った理由として「ランニングコストを削減するため」が4割以上を占める
- 02|リプレイス時に重視された点は「セキュリティなどの安全性」(44.1%)および「使いやすさ」(40.5%)が上位にランクイン
- 03|リプレイス後の改善点では「多様な決済方法への対応」(35.1%)や「内製化のしやすさ」(31.5%)が挙げられる
この記事の目次
■調査概要
- 調査名称:カートシステムのリプレイスに関する実態調査
- 調査方法:IDEATECH提供のリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」によるインターネット調査
- 調査期間:2024年10月31日〜同年11月1日
- 有効回答数:カートシステムのリプレイスを実施した111名
※回答の構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計で100%にはなりません。
■リプレイスの目的、4割以上が「ランニングコストの削減」を挙げる
調査では「Q1.カートシステムのリプレイスを行った理由は何ですか?(複数回答可)」(n=111)と問いかけたところ、「ランニングコストを削減するため」が41.4%、「セキュリティを強化するため」が37.8%、「機能性や拡張性の向上を希望したため」が35.1%という結果が得られました。

- ランニングコストを削減するため:41.4%
- セキュリティを強化するため:37.8%
- 機能性や拡張性を重視したため:35.1%
- デザインの自由度を高めるため:29.7%
- 動作速度を改善するため:28.8%
- BtoBシステムに対応するため:23.4%
- 複数サイト・ブランドを一元管理するため:18.0%
- モバイルに対応するため:17.1%
- 越境ECに対応するため:12.6%
- UI/UXを改善するため:9.0%
- その他:0.9%
- 答えられない/不明:7.2%
■導入したシステムの種類、最も多いのは「パッケージ型」
次の質問「Q2.リプレイス後に導入したシステムの種類を教えてください。」(n=111)に対しては、「パッケージ型」が34.2%、続いて「ASP型」が29.7%との回答が寄せられました。

- オープンソース型(「EC-CUBE」や「WooCommerce」など):15.4%
- ASP型(「Shopify」や「BASE」など):29.7%
- パッケージ型(「ecbeing」や「MakeShop」など):34.2%
- フルスクラッチ型(独自開発):6.3%
- その他:0.9%
- わからない/答えられない:13.5%
■リプレイス時に重視した要因、第1位は「セキュリティ」
「Q3.リプレイスを進める際にシステム選定で重視した要因は何ですか?(複数回答)」(n=111)と聞いたところ、「セキュリティなどの安全性」が44.1%、「使いやすさ」が40.5%、「データ集計や分析のしやすさ」が35.1%と回答がありました。

- セキュリティなどの安全性:44.1%
- 使いやすさ:40.5%
- データ集計や分析のしやすさ:35.1%
- サポート体制の整備:33.3%
- 提供企業の実績:28.8%
- コストの低廉さ:27.0%
- カスタマイズの柔軟性:23.4%
- 既存システムとの連携のしやすさ:18.9%
- 機能追加のしやすさ:8.1%
- その他:0.0%
- わからない/答えられない:6.3%
■リプレイスに要した期間、最も多いのは「3ヶ月〜6ヶ月未満」
「Q4.カートシステムのリプレイスにかかった期間を教えてください。」(n=111)の結果、「3ヶ月〜6ヶ月未満」が35.1%、続いて「1ヶ月〜3ヶ月未満」が27.0%という結果が得られました。

- 1ヶ月未満:2.8%
- 1ヶ月〜3ヶ月未満:27.0%
- 3ヶ月〜6ヶ月未満:35.1%
- 6ヶ月〜1年未満:13.5%
- 1年以上:8.1%
- わからない/答えられない:13.5%
■リプレイス時に直面した課題
「Q5.カートシステムのリプレイス過程でどのような課題に直面しましたか?(複数回答)」(n=111)という問いに対して、「社内の説得や合意形成」が37.8%、「既存システムとの連携」が36.0%、「新システムの操作に慣れるための社員トレーニング」が35.1%という見解が返されました。

- 社内の説得や合意形成:37.8%
- 既存システムとの連携:36.0%
- 新システムの操作に慣れるまでの社員トレーニング:35.1%
- データ移行の複雑さ:34.2%
- 外部サービスとの連携:27.9%
- 顧客サポート体制の再構築:20.7%
- ユーザー体験(UX)の変化:9.9%
- その他:0.0%
- 特にない:0.9%
- 不明:8.1%
■依頼先としての選定基準
「Q6.リプレイスに依頼した先として該当するものは?」(n=111)という質問では、「希望するカート制作のみ行っている会社」が29.7%、続いて「カートシステム会社からの紹介」が25.2%という結果が得られました。

- 複数カート制作を行う会社:23.5%
- 希望するカート制作を専門に行う会社:29.7%
- カートシステム会社からの紹介:25.2%
- 社内エンジニア:11.7%
- フリーランス:0.0%
- その他:0.0%
- 不明:9.9%
■リプレイスによって得られた改善点
また、「Q7.カートシステムのリプレイスによって改善された点を教えてください。(複数回答)」(n=111)では、「多様な決済方法への対応」が35.1%、「内製化のしやすさ」が31.5%、さらに「商品表示や編集機能の改善」が28.8%と報告されました。

- 多様な決済方法への対応:35.1%
- 内製化しやすさ:31.5%
- カート内商品の表示・編集機能の改善:28.8%
- SEO評価の向上:23.4%
- モバイル端末での使いやすさの向上:23.4%
- 在庫管理精度の向上:23.4%
- クーポンやポイント機能の拡充:19.8%
- 顧客データの統合と分析機能の強化:16.2%
- 運用コストの削減:15.3%
- 外部サービスとの連携強化:12.6%
- パーソナライゼーション機能の導入:7.2%
- 多言語、多通貨への対応:5.4%
- その他:0.9%
- 特になし:1.8%
- 不明:7.2%
■リプレイスによる効果と業界動向
調査の結果、「Q8.リプレイスによって改善された点について他に自由に教えてください(自由回答)」(n=101)という質問に対し、「コストが下がった」や「セキュリティ向上」など50の回答が寄せられました。
<自由回答・一部抜粋>
- コストが下がった。
- 業務の効率化、時間短縮が実現。
- 元々は卸売用サイトだったが、小売にも対応できるようになった。
- 業務が簡略化された。
- セキュリティが向上した。
- 迅速性の向上。
- 従来の負担が大幅に軽減された。
さらに、今回の調査から、ECサイトのカートシステムのリプレイスが企業のパフォーマンス向上やセキュリティの強化に貢献していることが確認されました。EC市場の拡大と競争の激化に伴ったコスト削減や、柔軟なシステム対応、多様な決済手段の導入が重要視されており、これらのリプレイスが将来的な売上拡大や顧客満足度向上の要素となるでしょう。
出典元:株式会社フルバランス プレスリリース