Amazonインフルエンサー・プログラムとは?Amazonが提供する新たなアフィリエイトプログラム

Amazonインフルエンサープログラムとは?

Amazonインフルエンサー

Amazonインフルエンサー・プログラムはSNSを活用し、フォロワーに商品を勧めてくれるインフルエンサーを募るAmazonのプログラムです。日本では2023年7月より開始されました。

承認されたインフルエンサーは、Amazon上にインフルエンサー専用のページを作成でき、お気に入りの商品リストや商品写真を投稿できる仕組みです。かねてから提供されているサービスの中では、個人のユーザーがおすすめの商品リストを作成できる「楽天ROOM」と似たサービスといえます。

SNSが普及しインフルエンサーの影響力が強まるに伴い、SNS上で商品を検索したり、レビューを確認したりして購入する商品を選ぶユーザーが増えてきました。実際に商品を手にとって検討することが難しいオンラインショッピングにおいて、馴染みのあるインフルエンサーの発言は影響力が大きくなっています。

EC事業者としては、自社が発信する広告などのメッセージはもちろんのこと、ターゲットユーザーが好んで閲覧するインフルエンサーの力を借りた商品のPRも選択肢の一つとして持っておくべきでしょう。

参加要件

Amazonインフルエンサー・プログラムに参加するには、以下のいずれかのSNSアカウントを保有し、Amazonの審査を通過する必要があります。審査はフォロワー数や各エンゲージメント指標を基に行われます。

【Amazonインフルエンサー・プログラムに参加できるSNS】

  • YouTube
  • Instagram
  • Facebook
  • TikTok

なお、InstagramまたはFacebookのアカウントを使用する場合は、ビジネスアカウントである必要があります。また、X(Twitter)やブログを使用しての申請はできません。

紹介料

インフルエンサーが共有したリンクから、ユーザーが購入に至った場合には紹介料が支払われます。紹介料はAmazonアソシエイト・プログラムと同様にユーザーが購入した商品のカテゴリーごとに定められています。

紹介料率商品カテゴリー
10.00%Amazonビデオ(レンタル・購入)、Amazonコイン
5.00%ドラッグストア・ビューティー用品、コスメ、ペット用品
4.50%Kindleデバイス、 Fireデバイス、Fire TV、 Amazon Echo、Ringデバイス
4.00%DIY用品、産業・研究開発用品、ベビー・マタニティ用品、スポーツ&アウトドア用品
3.00%本、文房具/オフィス用品、おもちゃ、ホビー、キッチン用品/食器、インテリア/家具/寝具、生活雑貨、手芸/画材、Amazonフレッシュ、食品スーパー ライフ、スーパーマーケット バロー、成城石井 ネットスーパー
2.00%CD、DVD、ブルーレイ、ゲーム/PCソフト(含ダウンロード)、カメラ、PC、家電(含 キッチン家電、生活家電、理美容家電など)、カー用品・バイク用品、腕時計、楽器
0.50%フィギュア
0.00%ビデオ、Amazon ネットスーパー(Amazonフレッシュ、食品スーパー ライフ、スーパーマーケット バロー、成城石井 ネットスーパーを除く。)、ギフト券
2.00%上記商品カテゴリーに含まれない商品
引用:アソシエイト・プログラム紹介料率表 別紙

Amazonアソシエイト・プログラムとの違い

似たものにAmazonアソシエイト・プログラムがあります。これはホームページやブログ上で商品を紹介し、購入された金額に応じて成果報酬が支払われるもので、商品を紹介する場所がブログか、SNSかという点が大きな違いです。

また、Amazonアソシエイト・プログラムの場合は、Amazon上に「商品リストページ」の作成はできません。SNS上でおすすめ商品を見やすく取りまとめるための機能としてAmazonインフルエンサー・プログラムに用意された機能といえます。

なお、報酬は先述のAmazonインフルエンサー・プログラムの紹介料と同じです。

Amazonインフルエンサー・プログラムの事例

Amazonインフルエンサー・プログラムの事例としては次のようなものがあります。日本ではまだ提供開始から日が浅いため、海外での事例を取り上げています。

Keep Your Daydream

Amazonインフルエンサー・プログラムの活用事例:Keep Your Daydream

Keep Your Daydreamは、RV(Recreational Vehicle)車で旅するMarcとTriciaが、旅の様子や夢を叶えるための方法をYouTubeやPodcast、ブログで配信しています。Amazon上に掲載している商品リストは「Starting small now is better than starting big later.(今、小さく始めるほうが、後で大きく始めるよりいい)」のキャッチコピーの基、27の商品リストで約350の商品(2023年9月時点)を紹介しています。

Yellow Brick Home

Amazonインフルエンサー・プログラムの活用事例:Yellow Brick Home

Yellow Brick Homeは、自宅のリフォームやシカゴでの生活に関する情報をYouTubeやInstagramなどで配信しています。Amazon上に掲載している商品リストは「All homes deserve to be filled with love and be loved, too.(すべての家庭は愛に満たされ、愛されるに値する)」のキャッチコピーの基、29の商品リストで約650の商品(2023年9月時点)を紹介しています。

La Passion Voûtée

Amazonインフルエンサー・プログラムの活用事例:La Passion Voûtée

La Passion Voûtéeは、ナイジェリア出身のLouisa Mojeという女性がファッションや美容に関する情報をブログやYouTubeをはじめとするSNSで紹介しています。Amazon上に掲載している商品リストは「Practical style & beauty for today's woman(現代の女性のための実用的なスタイル&ビューティー)」のキャッチコピーの基、400以上の商品リストで多数の商品(2023年9月時点)を紹介しています。またライブ配信も盛んに行われています。

Amazonセラーはどのように活用できるか?

Amazonに出店しているEC事業者は、Amazonインフルエンサー・プログラムをどのように活用すると良いのでしょうか?

上手な活用方法としては、商品認知の拡大や売上の拡大が考えられます。インフルエンサーは特定のユーザー層から支持を集めている場合が多いため、自社商品のユーザーターゲットと同じユーザー層から支持を得ているインフルエンサーを起用して商品を紹介してもらうことで、商品認知や売上の拡大が期待できます。

フォロワーにとって、信頼を寄せるインフルエンサーが使用する商品は、友人や家族のおすすめと同じような価値を持つ場合もあり、購入意欲の高まりが期待されます。

また、ニッチな領域に特化したマイクロインフルエンサーを起用するというのも有益な手法になりえます。マイクロインフルエンサーは、インフルエンサーの中ではフォロワー数が少ないため影響力が少ないように感じますが、実際にはより身近に感じやすく、またインフルエンサー自身がフォロワーとやり取りをする可能性があるため、エンゲージ率は高い傾向にあるのです。

おわりに

Amazonインフルエンサー・プログラムについてご紹介しました。EC事業者が自ら利用するプログラムではありませんが、インフルエンサーをうまく起用して商品をPRすることで、認知拡大や売上の伸長に貢献できる可能性が十分にあるでしょう。企業が自ら発信する商品情報とは異なる形で情報発信ができる一方、ブランドイメージを毀損することがないようインフルエンサーと商品の相性を考慮した起用が求められます。プログラム提供開始から日の浅い日本ではまだ活用例が少ないのが現状ですが、まずはイメージに合うインフルエンサーが思い当たる商品などから検討を進めてみてはいかがでしょうか?

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