
みなさん、初めまして。株式会社Cellest 代表取締役の佐々木と申します。まずは簡単な自己紹介をさせていただきます。当社は、ライブコマースを軸に事業を展開しています。ライブコマース販売事業では国内トップクラスの実績を誇り、自社での販売だけでなく、ライブコマーサーの育成やサポート、ライブ配信のプランニング、ライブコマース事業の新規立ち上げに取り組む企業様のコンサルティングまでを一気通貫して提供しています。
この度、数回に渡り「ライブコマース」に関する記事を寄稿させていただくことになりました。日本において、ライブコマースはまだ十分に浸透していているとは言えませんが、これから更なる市場拡大が見込まれる最注目ビジネスの一つだと考えています。
私は5年以上前からライブコマース事業に携わっていますが、ライブコマースのインフラ化を目指す会社の代表として、少しでも多くの方に、ライブコマースを知ってもらい興味・関心を持ってもらうこと、ライブコマース事業に携わる人を増やしていきたいと考えています。
寄稿記事では、ライブコマースの基本的な知識から最新の情報まで、ライブコマースに対して理解が深まるような情報をお届けします。
この記事の目次
ライブコマースの基礎知識。ライブコマースとは
「ライブコマース」とは、ライブ動画を配信しながら、その中でさまざまな商品を紹介し販売する「ライブ配信」と「Eコマース」をかけ合わせた新たな販売形態です。中国では、ライブ配信中に商品を購入することが日常に浸透しており、ライブコマースの市場規模は数十兆円に及びます。

商材に関しては、アパレルやコスメ、雑貨や食品まで幅広い商材が販売されています。実際に当社が支援している企業様の業種もさまざまです。中でも、特にアパレル・コスメは相性が良いです。アパレルに関しては、ライブコマーサーが実際に試着することでサイズ感や着用感もわかりますし、コスメも同様に、ライブ配信中にスキンケアやメイクを実際に行うことで使用感が伝わり、その場での購買に繋がるケースが多いです。
実際にどのようなユーザーが参加しているのか
弊社が5年間で蓄積したデータをご紹介します。ライブコマースというと若者の利用が多いイメージがあると思うのですが、実際参加しているユーザーは35歳〜44歳が一番比率としては高く、続いて45歳〜54歳と比較的年齢層は高めです。弊社のお客様だけでなく、他の配信者も同様のケースが多いです。男女比に関しては、大半が女性で、数値で言うと98%以上になります。

ライブコマースの可能性。実際にどれくらいモノが売れるのか
弊社では、一回の配信(3~4時間)で平均100万円以上のモノが売れます。売れているときで350万円ほど、売れていないときでも50万円以上です。販売数に関しては、単価にもよりますが、一着5,000円ぐらいのアパレル商品だと200着ほど、1,000円の雑貨だと1,000個ほど売れるイメージです。手応えを感じた配信ではその3.5倍以上売れることもあります。
配信者によってもちろん差はありますが、一般的には1配信20万円近く売る人はたまにいるくらいの感覚です。ライブコマースは、何万人もフォロワーを抱える有名なインフルエンサーであるからといってモノが売れるわけではなく、配信ノウハウや蓄積したマーケティングデータを活用しながら、戦略的に配信内容を設計する必要があります。戦略的に配信を組み立てた上で、やはり重要となるのは配信者である「コマーサー」です。商品に対する深い専門知識や熱意、問い合わせに対するレスポンスのスピードやユーザーコミュニケーション、お客様との信頼関係が購買に直結します。
ECサイトやTVショッピングなど、他の販売手法と比較し何が優れているのか
それでは、ライブコマースがECサイトやTVショッピング、店舗販売など他の販売手法と比較して、何が優れているのか、差別化ポイントをお話ししたいと思います。

まず一番の特徴は「ユーザーコミュニケーション」です。ライブコマースでは、リアルタイムで全国各地のユーザーの声や反響を確認することができます。例えば、化粧品であれば「乾燥しやすい肌質だが、どのようなスキンケア商品がいいのか」「夏にイベントを控えているが、TPOに合うメイク用品は」など、参加しているユーザーは商品に対して、多様な意見と疑問を持っています。そのようなユーザーの声をリアルタイムで確認し、コマーサーがその場で回答することで、商品への理解を深めることができます。結果的に、顧客満足度や購買意欲向上に繋がります。そのような配信の積み重ねで、コマーサーとユーザーの信頼関係を日々構築し、アパレルから化粧品、食品、サービスなど、販売する商品のジャンルを問わず、購買に繋げることができるようになります。
企業がライブコマースを活用したほうが良い理由とは
なぜ企業がライブコマースを活用したほうが良いのか。ライブコマースは店舗やオンラインショップの他に、モノを売るための手法の一つであり、新しい販売チャネルとして効果を発揮することは間違いありませんが、実はそれだけではないのです。
例えば、主にサロン商材・業務用化粧品・エステ機器の卸事業を展開されているシンビシン様は、中長期に渡りライブコマースを活用されています。美容業界においては商品トレンドの移り変わりが早く、人気の品であったとしても短期間でニーズが薄れてしまい滞留在庫となってしまう商品があります。在庫商品を販売する手段として、ライブコマースを導入されました。基本的にはエンドユーザーに対しての商品販売は実施しておらず、提携サロンに販売を託されていたため、販売数量はサロン次第である状況の中、サロンに対して近い形での販促支援も目的とされています。
6月1日の販売実績に関しては下記記載の通りです。

まず、ライブコマースは営業時間外の通常売上を上げることができない時間帯に、全国各地のお客様を対象に商品を販売することができます。店舗営業ができる時間帯は限られているので、営業時間外にプラスアルファで売上をつくることができるということは、会社としても非常に影響が大きいです。
「売上を伸ばすこと」は、会社を経営し事業を存続していく上で、常に追求していかなければなりませんが、ライブコマースは「収益性の向上」という経営課題に対し、効率的かつ直接的にアプローチをすることができます。
そのほか、商品の認知が向上することで結果として取引の数が増えたり、「新しい取り組みを実施している」ということ自体も企業PRや価値向上に繋がったりと、結果的に売上もUPする好循環を作ることができます。
どのような課題を抱えている企業にライブコマースの活用を勧めたいか
余剰在庫に課題を感じていたり、商品が売れずに新しい販路を探していたりする企業様には、ぜひ一度ライブコマースを活用していただきたいと考えています。

特に最近増えているのは、地方×ライブコマースの活用です。歴史や伝統がある素晴らしい商品やサービスを提供していても、店舗集客や認知が不足しており、売上に繋がらないという課題を抱えている企業様が多くいらっしゃいます。ライブコマースにより、1か月の売上を1日で達成したケースもございます。
次回の寄稿記事では、地方×ライブ配信の取り組みをご紹介したいと思います。ライブコマースに興味がある方、販売に課題を感じている方はお気軽にご相談ください。
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