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増えるリコマースのマーケットプレイス
中古品・ユーズド品を売買することをリコマース(再び、繰り返しの意味を持つ接頭辞の「re」と商業・通商の「commerce」を組み合わせた造語)といいます。2021年に、ヨーロッパのリコマース(二次流通)市場は750億ユーロの規模に達しました。そのうち、家電製品はリコマース市場全体の11%を占めています。また、オンラインにおける自動車売買は約50%がリコマースです。
欧州最大のファッションECモール「Zalando」をはじめ、多くのマーケットプレイスが、中古品の販売機能を提供し始めています。また、消費者間でユーズド品の売買ができるCtoCのマーケットプレイスも増えています。リコマース市場のシェアを大きく占めているのがeBayです。また、リトアニア発の古着に特化したフリマアプリ「Vinted」も有名でしょう。
2025年までにリコマース市場は小売市場の14%を占める
リコマースの市場規模は、2025年には2021年から60%増の1,200億ユーロになることが見込まれています。Cross-Border Commerce Europeの調査によると、リコマース市場は、小売市場の20倍の早さで成長しているとのことです。2025年までにリコマース市場が小売市場を占める割合は、10%から14%に拡大すると予想されています。
リコマース市場の成長は、インフレによって加速しました。同調査で、93%の消費者が、中古品・ユーズド品の売買を行った理由にインフレが影響していると回答しており、お金を稼ぐことや節約することに注力する傾向が高まっていることが明らかになっています。
中古ファッション市場は2025年に370億ユーロの規模に
中古ファッションの市場規模は、2021年に200億ユーロといわれており、2025年には370億ユーロに達すると予想されています。リコマース市場における中古ファッション市場のシェアは2021年に14.5%でしたが、2025年には21%まで拡大するでしょう。「Vinted」はリコマース業界で欧州最大のプレイヤーであり、6,500万人以上の会員を持つコミュニティを有しています。
日本でも拡大するリコマース市場
インフレの波はヨーロッパに限らず、日本も影響を受けています。物価高騰は日用品や食費に加え、特に水道光熱費の高騰は話題になっています。株式会社デファクトスタンダードの調査によると物価高騰の影響を抑えるために工夫していることとして、「リユース品の購入」が47.1%、「手持ちの不用品の売却」が39.9%となりました。

かねてから言われているサステナブル消費の文脈に、インフレが重なり、リコマース市場の注目度は高まるばかりです。また、C2C取引から始まったメルカリやラクマなどのフリマアプリは、それぞれ法人による公式ショップを開設することが可能になっています。「メルカリShops」を運営する株式会社ソウゾウの発表によると、リユース関連取引数が物価上昇前と比較して約2.2倍、累計出店舗数は約1.5倍と急速に上昇しているそうです。
参考:<物価上昇に「リユース品」購入で対策。おトクなだけでなく、サステナブルな消費にも注目>「メルカリShops」でリユース品の取引が活性化。背景には物価上昇も
リユース品の取り扱い専門の企業以外にも、アウトレット品の販売としてフリマアプリを活用する企業もいます。現在、一次流通でのみで販売している事業者様の新たな販路として、リコマース市場を取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
参考:家電量販店エディオンが「メルカリShops」でアウトレット品の販売を開始
※この記事は「Ecommerce News」に掲載されているニュースをもとに翻訳しています。日本のEC事業者の方の参考になればとのことで、Ecommerce News社にご協力いただいております。
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