
2023年1月31日に、ANAグループのANA X株式会社(以下、ANA X)が、新サービス「ANA Mall(エイエヌエーモール)」に関する発表会を実施しました。同社のEC事業推進部部長の平山剛生さんにサービスの概要をご説明いただいた後、ANA Mallに出店されている4ブランドにもお話をいただきました。本記事ではその内容についてまとめています。
この記事の目次
ANA Mall(エーエヌエーモール)とは
2023年1月31日にオープンしたANA Xが運営するECモールです。”旅と日常がつながる”をコンセプトに、買い物をするごとに100円につき1マイル、ANAカードの利用により更に2マイル貯まる特徴があります。溜まったマイルはANA Mall内で1マイルあたり1円で利用できる点に加え、特典航空券と交換し、ANAの飛行機に乗れる点が他のECモールにはない点といえるでしょう。
「ANAマイレージクラブ会員約3,800万人の基盤を活かし、初年度は取扱高160億円が目標(※)」と平山さんは話します。通常2,000円~3,000円といわれるECサイトの客単価がANAグループ直営サイトでは平均で10,000円を超えています。会員基盤の半数以上が世帯年収1,000万円以上であり、高所得者層に向けた販売が可能です。
(※)ANAグループ直営のA-Styleなど4ECサイトを含む
サービスローンチ時の出店企業
オープン時はANAグループの直営店を含めて23ショップが出店。九南サービスやリンベルなど、他のECモールにおいて表彰されるような有名企業から、ECモールに初出店のハースト婦人画報社など、ファッション、食品、家電、生活用品など幅広いジャンルの商品を取り揃えています。「来年度中に100ショップの出店を目指す」と平山さんは話されます。

ストリーム・成城石井・ツインバード・ハースト婦人画報社と出店されている4ブランドからもお話しをいただきました。出店を決意した理由としては、ANAの会員にアプローチできることに魅力を感じたからという声が目立ちました。また他モールにおいて競争が激しいことを理由に先行者優位を獲得する目的やマイルを日常的に活用している消費者にアプローチする目的などもあり、出店動機はさまざまです。

出店料や連携サービスは?
ANA Mallの出店料
出店料金は、出店時の初期費用、掲載商品数に応じた月々の固定費、売上に対する手数料が発生します。月々の固定費は商品数によって増減し、手数料は月間の売上によって変わるため、売れば売るほどお得になる仕組みです。詳しくは出店資料をご覧ください。
連携サービス
出店に際し、既存のECモールに出店している事業者は在庫管理や受注管理などの一元管理ツールとの連携が気になる点です。サービス開始時点で連携しているツールはないようですが、平山さんは「今後連携することを検討している」ことを明らかにしていました。
まとめ:新たなECモールがどこまで台頭するか
3,800万人と非常に大きな基盤を持つANAマイレージクラブ会員はすでに楽天市場やAmazonなど、日常的な買い物を他のECモールで行っているかと思います。他モールが独自のエコシステムで消費者を誘引する中で、ANA Mallがどういった戦略で台頭するのか今後の動向に注視が必要です。
初期費用や固定費がかかることから、EC運営や小売において初心者が気軽に物販を始めるモールではなく、一定の売上規模を持つ会社が新規顧客と接点を持つために始める売り場といえるでしょう。EC領域で有名な企業だけでなく、ANAグループが運営するモールだからこそ参加する企業の出店が今後鍵を握るかもしれません。
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