
こんにちは。
株式会社ドットコム・マーケティングの韮澤と申します。
近年、新型コロナウィルスの影響によるライフスタイルの変化とスマートフォンの普及で手軽に商品を購入できるようになったことで、ネット通販を取り巻く環境が急激に変化しています。
弊社でも直接取引でサービスを展開している企業様よりECサイトで物販したいと相談をいただく機会が多いです。ECサイトの立ち上げは、新たな店舗を立ち上げるよりも設立資金を抑えて出店しやすい反面、現在はレッドオーシャン化しつつあります。
その中で、あまたのライバル店の中でも勝ち抜いていけるように、私がいつも最初にお話をさせていただいていることがあります。
本稿では、その点についてお話をさせていただきたいと思います。
ECモールなのか自社ECなのか
まずは、『ECモールなのか自社ECなのか』という点。
ECモールなのであれば、売る商品にもよりますが、真っ先に思い浮かぶのが「楽天市場」や「Amazon」、「Yahoo!ショッピング」などが例です。
ECモールの特徴は、ご存じの通り大きな集客力がすでに備わっていることが最大の特徴といえます。逆に自社ECの場合、店舗や商品をまず知ってもらえないといけませんのでさまざまなマーケティング活動を自分で行わなければなりません。
また、ECモールはランニングコストも意外とかかります。その辺も注意しながら、お客様の予算などヒアリングさせていただいてアドバイスさせていただく場合が多いです。

ECモールと自社ECの場合で販売戦略が異なる
ここで、ECモールと自社ECとで、商品販売の在り方について解説させていただきます。
自社ECでは、初期投資を抑えながら価格競争にも巻き込まれないメリットがありますが、集客力が圧倒的にECモールと比べるとありません。
いざ、準備を整えてECサイトを立ち上げても1日何も売れない日があるのはざらです。さらに言えば、訪問客が一人もいないということも。そのため、自社ECを立ち上げた場合は、自身の店舗や商品を顧客に知ってもらうために広告宣伝など別にコストを結局かけなければなりません。それでも、広告宣伝費も無限ではないため、いつかはある程度広告に頼らなくても売り上げが見込める状態にしていきたいと考えるわけです。
その際に、考えるべきは商品のリピート購入です。商品が良ければ、顧客に再度購入していただける可能性が高まります。初めに投資した広告宣伝費の中で、新たな顧客を得ることができたら、そこで得た顧客名簿が手元にあるわけですから、その顧客にリピート購入していただくように顧客を育てるのです。そうすれば、新たに広告宣伝を打たなくても継続的に売上が見込めます。
逆にECモールでも、リピート購入を念頭に運営をしていく必要はありますが、顧客名簿は出店しているモール側の持ち物になりますので、積極的に自分たちから顧客にアクションは起こせない仕様になっています。それでも自社ECよりも圧倒的に商品が新規顧客の目に触れる回数も多いわけです。
自社ECの場合、ほとんどの方が目的をもってサイトに訪問しますが、ECモールの場合、常に見込み客がふらふらいる状態が続きます。そのため、衝動的に購入される機会も多くなるでしょう。さらにそのECモールの中でも売れ筋商品になるとモール側も積極的にランキングやレコメンド掲載をしてくれて、露出がさらに上がり、商品がどんどん売れていく仕組みです。こうなってしまうとECモールからは簡単に抜け出せなくなりますね(苦笑)。
このように、ECモールと自社ECとでは、そもそも販売戦略が違うということを理解する必要があります。当社もお客様には、販売する商品が何かによって、どっちが企業様にとって最適なのか判断してもらっています。
定期購入させることが可能な商材とは
以上の流れでお話を進めると、多くの経営者様が初めてのネット通販に参入希望をいただく際に、「商品開発コストをかけながら、できるだけ初期投資を抑え、価格競争にも巻き込まれず、通販を行いたい」とおっしゃられます。
そうなると、こちらも自社ECでまずは立ち上げてはどうか?という話になるのですが、その場合、前述したとおり「自社ECに適した商材を持っているか」ということが開業後の閉店リスクを下げる重要なポイントとなります。
自社ECの場合、モール型と違い、顧客が常に無限にいるわけではありません。自社商材のファン=リピート購入回数をとにかく増やしていかないと立ち行かなくなります。つまり、顧客に常に購入アクションを起こしていただく必要があるわけです。
そのため、販売する商品はできるだけ、定期的に再購入が必要になる商品(生活するうえで日々の使用頻度が高く、消耗してしまう品々など)が適しています。
私が思いつく商品では以下のようなものが挙げられます。
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・毎日利用する食料品など生活必需品類
お米・水・調味料、洗濯洗剤類、ペットフードやおむつ など
・毎日利用することで消耗する美容・健康製品
サプリメント、糖質制限食品などの健康食品、化粧水などの基礎化粧品、シャンプー など
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特徴としては、1回の購入で満足してしまう趣向性が高いものよりかは、好きなものを継続して購入する必要があるものが向いています。また、お米や水などの重量があるものやかさばるものなど、こういったものも定期購入の通販に向いていると思います。
皆さんの中でも他に思いつく商品があると思います。そのような商品をお持ちなのであれば、自社ECで立ち上げても失敗する可能性を低くさせることができるでしょう。
うまくリピートしてもらうには
定期購入させる商品があっても、実際に新規顧客がリピートしてくれるかわかりません。そもそもその商品自体の魅力がなければ、好きになってもらえません。そのため、まず定期購入をしてもらいたいと思うなら、通常の商品よりもお得にお試しできる商品を同じサイトの商品棚に陳列させておくべきで、一番目立たせるべきなのです。
新規顧客に一番わかりやすく興味を持ってもらいやすいのが、価格訴求になりますので、そこを突いていけばよいのです。最近は、新型コロナの影響で見なくなりましたが、スーパーの試食と一緒です。まずは、ユーザーに手に取って試してもらいましょう。
あとは、試供品を購入したユーザーに店舗側からプッシュメールなどを行い定期購入者になってもらえるよう、顧客を育てていきます。その際に、カートシステムには定期購入の機能が充実したカートシステムを利用するとよいです。
大手通販カートの『MakeShop』では、通常プランにオプション契約を追加することで、定期購入機能を追加することができます。
購入者は、商品の配送タイミングを「日付」、「曜日」、「指定日からの一定間隔」のいずれかを選択して商品を受け取ることが可能です。他社システムでは、ある程度決済方法も限られてしまうものもある中、「クレジットカード」をはじめ、「代引き」「後払い」や「Amazon Pay」購入者の細やかなニーズにも応えることできます。
兎にも角にも通販は商品が大事
これまでに述べた『ECモールなのか自社ECなのか』という点は、自社が販売する商品によって大体決定することができるということはご理解いただけたかと思います。もちろん最初から両方に出店してみるというのも、全く問題ありません。
むしろ、自社の商材に適している通販スタイルがどちらなのかを検証できますし、販売チャネルが多いほど売上は早期に上がりやすく、結果の出るスピードも速くなります。
また、通販であれ直接店頭であれ、売ろうとしている商品自体が、とても魅力的でかつ世の中に似たような商品が存在しないのであれば、自然に売れるはずです。その場合は、商品自体が顧客を連れてきてくれますので、わざわざ出店料や販売手数料をかけてECモールで販売する必要はないかもしれません。
すでに商品自体多くの方に知られていて、ブランドが確立しているのであれば、定期購入商品でなくとも、自社ECで十分にやっていけます。
しかしながら、モノで溢れかえっているこの世の中では、なかなかそのような独自性の高い商品を生み出すことは並大抵のことではありません。そのために、常にアンテナを張り、自社の商品価値を高める努力は惜しむべきではないわけです。
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