化粧品ビジネスを始めよう:実践編|「販路を見据えた」商品づくり

「化粧品ビジネスを始めたい」。そんなとき味方になってくれるのが、処方開発、製造までを一手に引き受けてくれる「化粧品OEMメーカー」です。この記事では、数々のブランド立ち上げや商品企画に携わったOEMの立場から、販路を見据えた商品づくりについて解説します。
松崎 淳
株式会社天真堂 取締役
2014年に医薬部外品、化粧品、健康食品のOEMを展開する株式会社天真堂に営業としてジョイン。取締役となった現在も、EC通販をメインとする化粧品会社や、スタートアップおよび異業種から参入する企業に対し、商品企画、事業立ち上げ支援など、OEMの枠を超えたサポートを行っている。
「ECで売る商品」という危険なワード
「想定されている販路はどこですか?」という問いに、多くのお客様から「まずはEC(WEB)で売ろうと思っています。」という回答をいただきます。
製品納品が間近になったタイミングで同じご質問をさせていただいてもやはり、「取り急ぎは、自社サイト、Amazon、楽天市場で売る準備をしています。」という回答が多数を占めます。
かつては、大手ECモールに出店、出品すると、本来自社サイトで購入するはずだったお客様がそちらへ流れてしまうと言われていましたが、現在では「各マーケットプレイスの顧客属性は異なるため、必ずしもカニバリせず、むしろ全体の売上を押し上げる」と考えられています。
その意味において「自社サイト+大手ECモールを抜け漏れなくを準備する」という考え方は正解です。しかしながら、「各マーケットプレイスの顧客属性」は異なります。それを踏まえると、商品企画、商品開発においては、ECをひと括りに考えることは危険であると言えるのです。
ポイント①:商品が輝く場所はどこか
前述の通り、全体の売上を押し上げるために、主要なショップを押さえておくことに問題はありません(むしろ、リソースや予算的に可能であればできるかぎり押さえるべきです)。
問題なのは、マーケットプレイスごとの特徴を理解せず、「EC(WEB)向け商品」とひと括りにしてしまうことです。
改めて、自社サイト、LP、Amazon、楽天市場、Qoo10など、各ショップのUIをご覧ください。商品までの導線、見せ方、見え方、検索した商品の周りに散りばめられた広告の数々……。さらに、各ショップのルールに則ると、同じ商品でも表現できることの量や幅までもが異なります。
自社の商品を最も輝かせることができる場所はどこでしょうか。自由度で考えれば自社サイト一択になってしまいますが、「輝く場所=自由に表現できる場所」ではありません。
以降では、その点についても解説します。
ポイント②:そこに誰がいるのか
貴社の商品を、高く評価してくれる、つまり購入する可能性が高い消費者が多く存在(アクセス)しているショップはどこでしょうか。
価値ある骨董品なら、コンビニではなく目利きの集まるオークションや骨董市に出品すべきです。誰がいるところに置くかによって、その商品が正当に評価されるかが決まります。別の記事でも紹介した「ペルソナ」を明確にして、その方々が集まるであろう場所をメイン販路としましょう。
ポイント③:どのカテゴリが活況か
商品カテゴリごとに検索をすると、出品数や広告出稿状況を確認することができます。自社が取り扱う商材カテゴリは活況でしょうか。Amazonでは直近1か月の販売数量について、目安ですが確認することが可能です。そのため、定期的にご覧いただくことをおすすめします。
ポイント④:価格帯を把握する
想定している販売価格は、メインとするショップで購入されやすい価格でしょうか。ポイント③でカテゴリについて調査する際に、売れ筋商品の価格帯も把握すると良いでしょう。
注目すべきは千の位です。頭の数字が違うだけで、販売数量に影響を及ぼします。実店舗で買い物をする際も、3,000円なのか、2,980円なのかで、20円以上の差を感じることがあります。ECでも千の位が重要であり、かつショップによってもその基準が異なります。
また、定価だけを見るのではなく、売れ筋商品のセール時の価格も確認しましょう。定価ではそこまで動いておらず、セールで売上の山を作っている可能性もあるためです。
ポイント⑤:商品への導線を理解する
自社サイト、モール、いずれも検索結果、または検索後に表示される広告からの流入がポピュラーです。そのカテゴリでよく検索されるワードの要素を商品に追加するだけでも、商品ページに到達してもらえる可能性は高まります。
ネットには膨大な商品が存在しています。販売後に「誰もたどりついてくれない」ということがないよう、戦略的に企画設計しておくことが重要なのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。自社ECなのか、またはECモールなのか、どのECモールなのか、それぞれに特徴があり、売れる、売れやすい商品は異なります。
ある程度成長したブランドであれば、各ショップそれぞれで一定の売上が見込めます。しかし、立ち上げ時は効率的に売上と利益、そして認知を上げていくという点において、最も適した販路をあらかじめ定めて商品設計しておくことをおすすめしています(ここで言う商品設計とは、主に原料、成分、デザイン、容量、原価および販売価格を指します)。
または、〇〇のモールで売れている商品をベンチマークしており、同じモール内でシェアを獲得したいという明確な意図があれば、それをどう実現するのかという戦略に則って商品を企画します。
もし、いま進めている商品開発プロジェクトで、明確な定めがなく「EC(WEB)で売る」というワードが出ていたら要注意です。いちど立ち止まり、ぜひ本記事のポイントを活用して振り返りをおこなってみてください。
ぜひご相談ください
本記事で紹介したポイントは、なかなか自社だけで取り組むには難しい内容も含まれております。その場合、定量的な数字情報をもっているECのコンサル、運用代行会社や広告代理店が頼りになります。
天真堂では、OEMとして商品を企画開発、製造するだけでなく、ECに精通したパートナー企業をアサインすることで、ワンチームで事業をご支援することが可能です。
ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせ先
https://www.tenshindo.ne.jp/contact
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