アパレル販売員の71.0%が「もっと売れるのに追加されない」と実感、店舗と本部の需要予測ズレが明らかに―ハイクリ調査

株式会社ハイクリ(本社:東京都中野区、代表取締役:兼松洋輔)は、アパレル店舗で働く販売スタッフ、副店長、店長、エリアマネージャー279名に対して「販売現場の業務実態に関するアンケート調査」を実施しました。

同社は「アパレル・EC業界の総合インフラを作る」というミッションを掲げており、今回の調査では販売現場が抱える課題を可視化することを目的としています。

調査の結果、販売員の71.0%が「もっと売れる商品なのに店舗に追加されない」という経験があることが判明しました。

この背景には、6割弱(56.6%)の販売員が実感している本部と店舗間の「需要予測のズレ(売れ筋商品の認識ズレ)」が存在していることが明らかになっています。

店頭で日々お客様と接し、最も需要を肌で感じているはずの販売員の声が、本部の需要予測や発注判断に十分に反映されていない実態が浮き彫りになりました。

調査実施の背景について

アパレル業界の販売現場では、目の前のお客様が「欲しい」と希望した商品が店頭に在庫として置かれておらず、販売機会を逃してしまうという場面が日常的に起きています。

その要因として考えられるのが、本部の需要予測と店舗の肌感覚との間に存在するズレです。

本部側は過去の売上データや在庫データなどをベースに需要を予測し、発注や商品配分を決定していますが、店頭で実際にお客様と向き合っている販売員の実感とは必ずしも一致していないのが現状です。

同社では、この「現場が感じている違和感」がどの程度深刻なものであるのかを可視化するために、今回の調査を実施したとしています。

なお、同社は2026年7月にMD・バイヤー層96名を対象とした調査も実施しており、今回の調査はその現場版に位置づけられています。

調査結果の主なポイント

今回の調査で明らかになった主なポイントは以下の通りです。

  • 71.0%が「もっと売れる商品なのに店舗に追加されない」と感じた経験があります
  • 6割弱(56.6%)が「本部と店舗で売れ筋商品の認識が違う」と感じたことがあります
  • 店舗で最も困っていることは「本部との情報共有」(26.2%)です
  • 「欠品による機会損失」または「競合店・ECサイトへの顧客流出」のいずれかを経験した人は合計7割超(72.4%)に達しています
  • 7割弱(69.9%)が接客以外の業務に時間を取られていると感じ、7割超(72.0%)が「事務作業が減れば接客時間を増やせる」と回答しています
  • 7割弱が「AIによる店舗間移動・追加提案」(67.4%)、「AIによる現場情報の分析が業界全体に役立つ」(68.1%)と回答しています

71.0%が実感する「追加発注のジレンマ」

「もっと売れる商品なのに追加されないと感じたことがあるか」という質問に対して、71.0%の販売員が「よくある」「時々ある」と答えました。

調査結果グラフ

店頭で日々お客様の反応を直接見ている販売員ほど、「この商品はもっと売れるはず」という実感を持ちやすい傾向にあります。しかし、その情報が本部の発注判断に反映されるまでにタイムラグが生じており、結果として販売機会を逃しているケースが少なくないことがうかがえます。

自由回答では「現場が売りたい商品と本部の売りたい商品の乖離をなくしてほしい」「売りたいものを押し付けるのではなく、売れるものを用意してほしい」といった切実な声が寄せられています。

背景にあるのは本部と店舗の「需要予測のズレ」

こうした状況の背景にあると考えられるのが、本部の需要予測と店舗の間に存在するズレです。

「本部と店舗で売れ筋商品の認識が違うと感じたことがあるか」という質問には、6割弱(56.6%)が「よくある」「時々ある」と回答しました。

調査結果グラフ

また、店舗で最も困っていることとして「本部との情報共有」(26.2%)が最多となり、「商品情報不足」(25.8%)、「発注状況が分からない」(20.4%)と続いています。

本部が保有する需要予測データと、店頭での肌感覚との間に無視できないギャップが存在していることが明らかになりました。

中規模店舗(6〜20名)が突出して高い機会損失を経験

こうした情報格差の先に起きているのが、実際の販売機会の損失です。

「欠品による機会損失」または「競合店・ECサイトへの顧客流出」のいずれかを経験した人は合計7割超(72.4%)にのぼりました。

また、「欲しい商品がなく、お客様が購入を諦めた場面をどのくらい見るか」という質問には、51.3%が「毎日のように」「週に数回」と回答しています。「月に数回」まで含めると8割近く(77.4%)に達する結果となりました。

調査結果グラフ

店舗の従業員数別に見ると、6〜20名の中規模店舗では61.3%が機会損失を経験している一方、1〜5名の小規模店舗では46.7%、21名以上の大型店舗では40.3%にとどまっています。全体平均(51.3%)と比較しても、中規模店舗が突出して高い結果となりました。

接客以外の業務負担も深刻、AI・DXへの期待は高水準

7割弱(69.9%)の販売員が「接客以外の業務に時間を取られていると感じる」と回答し、7割超(72.0%)が「事務作業が減れば、お客様への接客時間を増やせると思う」と答えています。

さらに、「AIが『今週移動すべき商品』『追加すべき商品』を提案してくれたら役立つと思うか」、「販売現場の情報をAIが分析し、本部の判断に活用できる仕組みがあれば、業界全体にとって役立つと思うか」という質問に対しては、いずれも7割弱(それぞれ67.4%、68.1%)が肯定的に回答しました。

AIに最も期待する内容としては「売上分析」(29.4%)、「売れ筋予測」(22.9%)、「接客サポート」(16.1%)が上位に挙がっています。

現場のリアルな声

自由回答では、以下のような現場のリアルな声が寄せられています。

「現場が売りたい商品と本部の売りたい商品の乖離をなくしてほしい。」

「本部と店舗で必要な在庫量の認識にズレがあるのでそれが少なくなるとよい。」

「在庫状況をリアルタイムで確認でき、本部との情報共有がもっと迅速になると販売しやすいです。欠品や入荷予定がすぐ分かれば、お客様への案内がしやすくなります。」

「言いたい事は山程あるが、とにかく在庫管理に時間を取られ過ぎている。」

「AIが自動的に在庫の過不足を判断し、店舗間移動を提案してくれれば良い。」

調査概要

調査名:販売現場の業務実態に関するアンケート

調査期間:2026年7月7日〜2026年7月20日

調査方法:インターネット調査(モニターパネル)

調査対象:アパレル店舗に勤務し、販売スタッフ・副店長・店長・エリアマネージャーのいずれかに該当する回答者

有効回答数:279名(全体回収数323名のうち、上記対象職種に該当する回答者を集計対象とした)

調査主体:株式会社ハイクリ

株式会社ハイクリ 会社概要

会社名:株式会社ハイクリ

所在地:東京都中野区中央4丁目4-2ヘリオス6新中野4階

代表者:代表取締役 兼松洋輔

設立:2024年5月

資本金:約2,800万円(資本準備金含む)

事業内容:ファッション業界向けAIサービス事業、AIシステム受託開発事業

出典元:株式会社ハイクリ

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