
株式会社オンワードホールディングス(東京都中央区、代表取締役社長:保元道宣)のコーポレートコミュニケーション室は、全国の10代から70代までの男女614名を対象として「ファッション情報源と価値観の変化に関する意識調査」を実施しました。
調査の結果、ファッション情報の入手源は雑誌からSNSへと変遷してきましたが、現在ではそのSNSに対しても「情報過多」「広告やPRが多く信頼性に欠ける」といった不満を抱える層が急速に拡大していることが判明しました。
今回の調査により、雑誌離れやSNS疲れの実情に加えて、消費者がファッション情報に対して求める価値が「憧れを眺める・トレンドを追いかける」から「自分にマッチした最適解を得る」へと根本的に転換していることが明らかとなりました。加えて、SNS疲れを契機としてAI活用が急増するという新しい潮流も浮上しており、ファッション情報の収集方法は第三の転換期を迎えつつあると考えられます。
この記事の目次
Marketing Lab. 調査「ファッション情報源と価値観の変化に関する意識調査」結果サマリー
- 5年間でSNS・動画・AIが台頭 — 雑誌は7.3ポイント減少、AI利用は新たに17.1%が活用
- 雑誌はやや後退傾向、参考頻度「減少した」が50.1%、移行先のトップは動画で50.0%
- SNS疲れ47.2% — 最大の理由は「情報が多すぎて自分に適したものが見つけにくい」61.7%
- SNS疲れがAI移行の引き金に — 疲れた人のAI増加率49.3%、非疲れ層の2.4倍
- 情報収集の目的1位は「最適解の発見」46.4% — 「憧れ」を上回り、価値観の転換が完成
5年間でSNS・動画・AIが台頭 — 雑誌7.3ポイント減、AI利用は新たに17.1%が活用
「現在よく利用するファッション情報収集メディア」と「5年ほど前によく利用していたメディア」を比較したところ、SNSは33.1%から49.3%へと16.2ポイント増加、動画コンテンツは30.1%から42.2%へと12.1ポイント増加するなど大幅に伸長しました。その一方で、ファッション雑誌は41.5%から34.2%へと7.3ポイント減少し、かつてファッション情報の中核を担っていた紙媒体の地位低下が数値としても明確に表れています。
5年前には調査項目としても存在しなかったAI(ChatGPTやGemini等)については、現在17.1%が情報収集に活用しており、新しい情報源として急速に存在感を増しています。ECサイトのレビューや口コミも28.8%から33.6%へと伸長しており、実際の購入者の声に対する信頼が着実に広がっていることが確認されました。
雑誌はやや後退、参考頻度「減った」が50.1%、移行先のトップは動画50.0%
「ファッション雑誌を参考にする頻度はどのように変化しましたか?」という質問に対して、「大幅に減った(22.6%)」と「やや減った(27.5%)」を合計した50.1%が参考頻度の低下を回答しました。「変わらない(33.6%)」や「増えた(7.1%)」を大きく上回り、雑誌離れが過半数の消費者に広がっていることが判明しました。
雑誌を参考にしなくなった人(308名)の移行先について尋ねたところ、「動画コンテンツ(50.0%)」「SNS(46.4%)」「ECサイトのレビュー(42.2%)」が上位を占め、視覚的かつリアルタイム性のあるデジタル情報源への全面移行が確認されました。
SNS疲れ47.2% — 最大理由は「情報多すぎて自分に合うものが見つけにくい」61.7%
「SNSでのファッション情報収集に対して"疲れ・うんざり感・限界"を感じることがありますか?」という質問に対し、「よくある(12.5%)」と「たまにある(34.7%)」を合わせた47.2%がSNS疲れを経験していることが分かりました。
SNS疲れが「よくある・たまにある」と回答した290名にその理由を尋ねたところ、最も多かったのは「情報が多すぎて自分に合うものが見つけにくい(61.7%)」で、「広告やPRが多すぎて信頼できない(47.2%)」、「インフルエンサーへの信頼度が低下した(44.1%)」が続きました。疲弊の根本的な原因は「量」と「信頼」の二点に集約されており、SNSが拡大するほど"自分に適した情報"が逆に見つけにくくなるという構造的な矛盾が浮き彫りになっています。
SNS疲れがAI移行のトリガーに — 疲れた人のAI増加率49.3%、非疲れ層の2.4倍
前の質問でSNSでのファッション情報収集に対して"疲れ・うんざり感・限界"を感じることがあると回答した290名を対象に、「SNS疲れをきっかけに情報収集はどのように変化しましたか?」と尋ねたところ、「AIを使うことが増えた(37.6%)」が最多となりました。SNS疲れを感じた人が次に向かう先として、AIが最も選ばれていることが明らかになりました。
また、「ファッション情報の収集にAI(ChatGPTやGemini等)を使う頻度は、1年前と比較してどうなりましたか?」という質問でAI利用頻度の変化を見ると、「やや増えた(22.5%)」と「大きく増えた(9.9%)」を合わせた32.4%がAI利用を拡大しています。前述のSNS疲れの有無で比較すると、疲れあり層のAI増加率49.3%に対し疲れなし層は20.6%と、2.4倍の差が生じており、SNS疲れがAI移行の強力な後押しとなっていることが示されました。
情報収集の目的1位「最適解の発見」46.4% — 「憧れ」を超え、価値観の転換が完成
「ファッション情報を収集する主な目的は何ですか?」という質問に対し、「自分に合う最適な服やコーディネートを見つけるため」が46.4%で首位となりました。「購入の判断材料として(35.7%)」、「失敗しないための情報収集(28.5%)」と続き、上位3項目すべてが"自分にとっての正解を得る"という実用的な目的で占められました。「憧れの人やスタイルを参考にするため」はわずか12.2%にとどまり、ファッション情報収集の重心が「見て楽しむ」から「選んで使う」へと大きく移行していることが確認されました。
情報観の変化について尋ねると、「憧れや流行よりも自分に合う最適解を重視するようになった」と答えた人は全体で23.1%に上り、70代以上では40.0%に達しました。また、集め方の変化では「SNSで憧れや流行を参考にするようになった(13.5%)」に対し、「SNSよりも信頼できる情報源を探すようになった(9.1%)」と「AIなどを活用し最適解を求めるようになった(8.5%)」を合わせた17.6%が脱SNS型の情報行動へとシフトしており、"最適解を得るための手段選び"がすでに始まっていることが分かりました。
以上の調査結果から、ファッションに関する情報収集行動は、「雑誌からSNSへ」という過去の変化にとどまらず、「SNSからAI・公式サイト・ECレビューへ」という第三の波を迎えていることが明らかになりました。
この変化の本質は情報源の置き換えではなく、消費者がファッション情報に求めるものが「憧れを見る・流行を追う」から「自分に合う最適解を得る」へと根本から変化していることにあります。SNS疲れを感じながらも継続利用せざるを得ない現状は、最適解を届けられる情報源がまだ十分に育っていないことを意味しています。AIへの移行はその解決策の一つとして台頭していますが、利用意向はまだ限定的であり、消費者の期待に応えられる信頼性や使いやすさの確立が次の課題となっています。
同社では、今回得られた消費者のリアルな声をもとに、「憧れを届けるだけでなく、その人にとっての最適解を提案できるブランド」として、商品開発、情報発信、デジタル体験の全領域にわたる取り組みを強化していくとしています。
調査概要
調査主体:オンワードホールディングス コーポレートコミュニケーション室
調査方法:インターネットアンケート
調査システム:knowns
調査対象:全国の20代から70代の男女614名
調査期間:2026年6月22日(月)
出典元:株式会社オンワードホールディングス












