越境ECの返品対応に関する調査、半数が「国内ECより返品コストが高い」と回答―Return Helper株式会社

グローバル返品ソリューションを提供するReturn Helper株式会社は、株式会社NEXERと共同で「越境ECの返品対応に関するアンケート」を実施しました。事前調査で「越境ECに関わる業務経験がある」と回答した全国の男女20名を対象に、越境EC返品対応の実態について調査が行われました。

越境EC返品対応の現場が抱える課題とは

海外の顧客に商品を届ける越境ECは、販路拡大の手段として大きな魅力がある一方で、返品が発生した際の対応は国内取引とは大きく異なります。送料や関税、言語の壁、時差などさまざまな課題が存在し、1件の返品対応にも多くの負担がかかっているのが実情です。今回の調査では、実際の現場でどのような点に負担を感じているのかが明らかにされました。

調査概要

調査手法はインターネットでのアンケートで、調査期間は2026年5月18日から5月24日まで実施されました。調査対象者は事前調査で「越境ECに関わる業務経験がある」と回答した全国の男女で、有効回答数は20サンプルとなっています。質問内容は、海外返品にかかるコストや日数、困っていること、改善のための取り組みなど7項目にわたります。

海外返品1件あたりの平均コストは3,000円から5,000円未満が最多

まず、海外からの返品1件あたりにかかる平均コスト(送料と手数料)について聞いたところ、最も多かったのは「3,000円から5,000円未満」で40.0%でした。次いで「1,000円から3,000円未満」が35.0%、「1,000円未満」が15.0%、「5,000円から1万円未満」が10.0%という結果になりました。

海外返品1件あたりの平均コスト

回答を見ると、7割以上が1件あたり1,000円から5,000円未満の範囲に収まっていることがわかります。ただし、5,000円以上かかっているケースもあり、商品サイズや配送方法、配送先の国や地域によって返品コストに差が出ていることがうかがえます。返品は売上を生まない作業であるにもかかわらず、1件ごとに数千円規模の物流コストが発生するため、その積み重ねが越境ECの利益を圧迫する要因のひとつになっていると考えられます。

返品対応完了までの平均日数は3日から1週間未満が40.0%

続いて、返品対応のフローが完了するまでにかかる平均日数を聞いたところ、最も多かったのは「3日から1週間未満」で40.0%でした。次いで「3日未満」「1週間から2週間未満」「2週間から1か月未満」が、いずれも20.0%で並んでいます。

返品対応完了までの平均日数

数日で完了するケースがある一方で、1か月近くかかるケースもあり、対応にかかる日数には大きな差が見られました。海外をまたぐ返品では、配送や確認、各種手続きに時間がかかることもあり、国内返品よりも完了までの流れが読みにくい面があるようです。返品にかかる時間が長引けば、その間は商品が在庫としても売上としてもカウントできず、事業者にとって見えにくいロスにつながります。

海外返品で最も困っているのは「返送料が高い」と「状態確認に時間がかかる」

海外返品で最も困っていることや負担に感じていることを聞いたところ、最も多かったのは「返送料が高い」と「返品商品の状態確認に時間がかかる」で、どちらも30.0%でした。次いで「通関・関税対応が複雑」が20.0%、「顧客対応の言語・時差対応」と「返品可否の判断が難しい」がそれぞれ10.0%と続いています。

海外返品で最も困っていること

返送料というコスト、状態確認の手間、通関の煩雑さ、いずれも商品が海外から手元に戻ってくるまでの物流プロセスで発生するものです。国内返品とは異なり、越境ECでは国や地域をまたいだ対応が必要になるため、物流面での負担が大きな課題となっていることがわかります。

半数が返品コストを国内ECより「高い」と感じている

返品コストが国内ECと比べてどの程度高いと感じるかを聞いたところ、「非常に高い」が10.0%、「やや高い」が40.0%となり、合わせて50.0%が国内ECよりも「高い」と回答しました。一方で、「あまり変わらない」は30.0%、「国内ECの方が高い」は20.0%でした。

返品コストの比較

半数が越境ECの返品コストを高いと感じている一方で、「あまり変わらない」「国内ECの方が高い」と回答した人も半数を占めています。同じ越境ECでも、扱う商品や配送ルートによって返品物流のコストは大きく変わるため、「越境ECの返品は一律に高い」とは言い切れない状況です。自社の物流条件をどれだけ正確に把握できているかが、負担感にも影響していると考えられます。

返品対応改善のために「返品ポリシーの明確化」を検討・導入している企業が40.0%

返品対応を改善するために検討・導入していることを聞いたところ、最も多かったのは「返品ポリシーの明確化」で40.0%でした。次いで「サイズ表・画像・動画の改善」と「返金・交換フローの見直し」がそれぞれ30.0%、「返品管理システムの導入」が20.0%と続いています。

返品対応改善のための取り組み

上位には、返品時のルールや商品情報、返金・交換の流れを整える取り組みが並びました。まずは自社で改善しやすい部分から見直し、返品対応の負担を減らそうとしている事業者が多いようです。返品ポリシーやサイズ表を整えることで返品の発生はある程度抑えられるかもしれませんが、実際に返品が発生した後の「輸送・検品・再出荷」といった物流面の負担は、社内の工夫だけでは解消しきれない部分もあります。

求められるサービスは検品・再販売・多言語サポートが各30.0%でトップ

返品対応で「こんなサービスがあれば助かる」と思うものを聞いたところ、最も多かったのは「返品商品の検品・状態確認」「再販売・再出荷の代行」「多言語カスタマーサポート」で、いずれも30.0%でした。次いで「通関・関税対応のサポート」が20.0%、「現地返品拠点での受け取り」と「廃棄・リサイクル対応」がそれぞれ10.0%と続いています。

求められるサービス

注目したいのは、海外返品で困っていることの上位に挙がった「返品商品の状態確認に時間がかかる」に対して、求められるサービスでも「返品商品の検品・状態確認」が上位に入っている点です。また、言語や時差への負担には「多言語カスタマーサポート」、戻ってきた商品の扱いには「再販売・再出荷の代行」が求められています。現場の困りごとと求められているサポートは重なっており、越境ECの返品対応では、検品や再販売、多言語対応などを外部に任せたいニーズがあることが明らかになりました。

現場の声から見える課題と理想のサービス

最後に、越境ECの返品対応について課題や理想のサービスを自由回答で聞いたところ、「言語」に関する課題が多く挙げられました。商品の状態を確認したくても、相手とのやり取りは翻訳を通したものになるため、意図が正確に伝わっているのか判断しづらく、対応に難しさを感じている現場もあるようです。

具体的には、「翻訳での対応なので、実際に何をどうしてほしいかがわからない時がある。間に翻訳できる人が入ってくれてそのまま一任できたら最高だと思う」(30代・男性)、「相手と交渉してくれる(外国語)」(50代・女性)、「理想のサービスは、返品専門の業者があるといいなと思いました」(20代・女性)、「言語の違い」(50代・男性)、「返品を専門的に対応してほしい」(40代・女性)、「やり取りが大変」(50代・女性)といった声が寄せられました。

「交渉してくれる人がほしい」「返品を専門的に対応してほしい」といった声からは、返品対応を自社だけで進める負担の大きさがうかがえます。返送料などのコストだけでなく、言語や交渉を含むコミュニケーションの負担も、越境ECの返品対応を難しくしていることがわかりました。

まとめ

今回の調査では、越境ECの返品1件あたりの平均コストは「3,000円から5,000円未満」が40.0%で最多となり、返品対応の完了までにかかる平均日数も「3日から1週間未満」が40.0%で最多となりました。海外返品で最も困っていることは、「返送料が高い」と「返品商品の状態確認に時間がかかる」がそれぞれ30.0%で並びました。返品コストについては、50.0%が「国内ECより高い」と感じていることも明らかになっています。

越境ECでは返品を完全に避けることは難しいからこそ、自社だけで抱え込まず、専門的なサービスを活用することが、無理なく運営を続けるための選択肢になっていくのではないでしょうか。

出典元:Return Helper株式会社

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