
株式会社クリエイティブジャンプが、実店舗における来店・再来店行動に関する調査を実施し、その結果を発表しました。
現在、デジタル広告やSNS運用が広く普及し、実店舗への集客においてもInstagram、TikTok、Googleマップといった多様な施策が注目されています。
しかしながら、店舗の現場では「SNSへの投稿を継続しているものの、再来店につながっている実感を得にくい」「広告やSNSに注力しても、常連客化まで至らない」といった課題が生じているとのことです。
そこで同社は、生活者が「また行こう」と思う瞬間は、本当にSNS投稿を見た時なのかという疑問について調査を行いました。
調査の結果、「後日、SNS投稿を見てまた行こうと思った」と回答した人はわずか2.2%に留まったことが明らかになりました。
その一方で、「初回来店中にすでに思った」が21.4%、「来店直後に思った」が21.0%、「後日、店の近くを通って思った」が12.9%となり、これらを合計すると55.3%に達しました。
この数値は、SNS投稿を見て「また行こう」と思った人の約25倍に相当するものです。
つまり、「また行こう」という気持ちは、SNSなどを活用した遠方への情報発信だけではなく、来店中の体験、来店直後の満足感、店舗の近くを通る日常の生活動線の中で生まれていることが判明しました。
今回の調査は、SNSや広告を否定するものではありません。むしろ、遠方に情報を届ける施策の重要性を認識したうえで、再来店には来店中・店頭・生活動線といった「より近い接点」の設計が必要であることを示すものとなっています。
同社では、こうした顧客との距離ごとに接点を設計する考え方を「距離マーケティング」と呼んでいます。
この記事の目次
「また行こう」はどこで生まれるのか
「後日、SNS投稿を見てまた行こうと思った」人は2.2%にとどまった一方、「初回来店中」「来店直後」「店の近くを通った時」にまた行こうと思った人は合計55.3%となり、SNS投稿の約25倍に相当しました。
SNS投稿をきっかけとした再来店意向は2.2%、来店体験・生活動線では55.3%
「そのお店にまた行こうと思ったのは、いつに最も近いですか」という質問に対して、最も多かった回答は「必要なタイミングが来て思い出した」で27.4%でした。
それに続いて、「初回来店中にすでに思った」が21.4%、「来店直後に思った」が21.0%、「後日、店の近くを通って思った」が12.9%と上位に入りました。
特に注目すべきポイントは、「後日、SNS投稿を見てまた行こうと思った」人が2.2%に留まったのに対し、初回来店中・来店直後・店の近くを通った時の合計が55.3%に達したことです。
これは、SNS投稿を見て「また行こう」と思った人の約25倍に相当する数値となっています。
この結果から、「また行こう」という気持ちは、SNS投稿などの遠方への情報発信だけでなく、来店中の体験や、店舗の近くを通る日常の生活動線の中で生まれていることがわかります。
初回来店も、遠方への発信だけでなく生活圏の接点から生まれている
また、今回の調査では再来店だけでなく、初回来店の入口にも生活圏の接点が大きく関わっていることが明らかになりました。
生活者がその店舗を初めて知ったきっかけについて聞いたところ、最も多かったのは「通りがかり」で38.3%でした。
次いで、「家族・友人の紹介」が18.6%、「看板・店頭」が12.2%と続きました。
一方で、SNS系の接点ではInstagramが3.7%、TikTokが0.8%、Xが0.6%、Web広告は0.5%に留まりました。
SNSやWeb広告が重要である一方で、実店舗の初回来店は、日々の生活の中で偶然見つける、店頭で気になる、誰かから勧められるといった、生活圏内の接点からも多く生まれていることがわかります。
つまり、実店舗への集客においては、まだ知らない人に届ける遠距離施策だけでなく、生活圏で自然に見つけてもらう中距離接点の設計も重要となります。
初回来店は生活圏の中で生まれ、再来店は来店体験や店前接点の中で生まれる。今回の調査結果は、実店舗集客を「施策名」ではなく「顧客との距離」で整理する必要性を示しています。
初回来店の決め手は「商品・サービスの魅力」が最多
その店舗に最初に行こう・買おうと思った決め手について聞いたところ、最も多かったのは「商品・サービスが魅力的だった」で27.3%でした。
次いで、「看板や店頭を見て気になった」が18.3%、「家や職場から近かった」が16.9%、「家族・友人にすすめられた」が10.7%と続きました。
また、「SNSで見て気になった」は2.7%、「広告やネットで見て気になった」は2.1%でした。
実店舗への集客において、商品・サービスそのものの魅力は欠かせない前提となります。
そのうえで、店頭での見え方、生活圏内での近さ、家族や友人からの紹介が、来店の最後の一押しになっていることがうかがえます。
初回来店時に再来店導線がなかった人は35.8%
再来店のきっかけは、来店中や店頭、生活動線の中で生まれやすい一方で、店舗側がその機会を十分に活かしきれていない可能性も見えてきました。
初回利用時に、店内や接客の中で「また来る理由」になる案内や仕掛けがあったかを聞いたところ、最も多かったのは「特になかった」で35.8%でした。
また、初回来店時に実際に登録・利用したものを聞いたところ、「特に何もしていない」が58.2%で最多となりました。
つまり、再来店の種は来店中にあるにもかかわらず、その種を次回につなげる仕組みが十分に設計されていない店舗も少なくないと考えられます。
実店舗集客は「施策名」ではなく「距離」で設計する時代へ
今回の調査で見えてきたのは、実店舗集客における「施策名で考える限界」です。
SNSは、広く知ってもらうための重要な接点となります。広告も、まだ店舗を知らない人に届けるうえで有効です。
しかし、再来店の瞬間を見てみると、生活者はSNS投稿を見た時よりも、来店中の体験、来店直後の満足感、店舗の近くを通った時の接点によって「また行こう」と感じていました。
つまり、実店舗集客に必要なのは、SNS・広告・LINE・店頭POP・ポイントカード・接客を個別に考えることではありません。
まだ知らない人に届ける遠距離の接点。生活圏の中で見つけてもらう中距離の接点。来店中・来店後に思い出してもらう近距離の接点。
それぞれの距離に応じて、役割を分けて設計することが重要となります。
同社では、この考え方を「距離マーケティング」と呼んでいます。
距離マーケティングとは
距離マーケティングは、SNS・広告・LINE・店頭POP・接客などを施策名で考えるのではなく、顧客との距離に応じて役割を整理する考え方です。
距離マーケティングとは、集客施策を「近距離・中距離・遠距離」の3つの距離で整理して考える、同社独自のマーケティングフレームワークです。
SNS、広告、LINE公式アカウント、ポスティング、店頭POP、接客、ポイントカードなどの施策を、単体で良し悪しを判断するのではなく、「どの距離の顧客に、どの役割で効く接点なのか」という視点で設計します。
近距離マーケティング
近距離マーケティングは、すでに接点を持っている人、あるいは購入・来店にかなり近いところまで来ている人との関係を深める接点です。
たとえば、来店中・来店後の接客、LINE公式アカウント、ポイントカード、クーポン、店頭での声かけ、ホームページや問い合わせ後の導線などが含まれます。
一度来店した人に、もう一度思い出してもらう。満足した体験を次回の行動につなげる。「また行こう」と思った瞬間を、再来店の導線に変える。それが近距離マーケティングの役割です。
中距離マーケティング
中距離マーケティングは、まだ直接の接点はないものの、商圏や生活圏の中にいる人に見つけてもらうための接点です。
たとえば、通りがかり、看板、ポスティング、地域での紹介、近隣施設との連携、地域イベント、商圏内での評判などが含まれます。
実店舗は、Web上だけで選ばれるわけではありません。日々の通勤・通学・買い物・散歩の中で目に入り、近くにある店として記憶されます。
生活圏の中で自然に見つけてもらい、初回来店につなげることが、中距離マーケティングの役割です。
遠距離マーケティング
遠距離マーケティングは、まだ自社や店舗のことを知らない人に広く知ってもらうための接点です。
たとえば、SNS、広告、Web、PR、メディア掲載、調査リリース、記事発信などが含まれます。
遠距離マーケティングは、認知を広げるうえで重要です。しかし、遠くに届けるだけでは、再来店までは設計できません。
遠距離で知ってもらい、中距離で生活圏の中から見つけてもらい、近距離で思い出してもらう。さらに、遠距離で得た認知や掲載実績が、近距離の営業・接客・信頼形成を強くすることもあります。
この距離ごとの役割を整理し、接点をつなげて循環させることが、実店舗集客には必要です。
代表コメント
株式会社クリエイティブジャンプの代表取締役である右大輝氏は、次のようにコメントしています。
「実店舗支援の現場で、LINE配信や店頭POP、スタッフの声かけ一つひとつを丁寧に見直していくと、明らかにリピート率が変わります。今回の調査結果は、まさにその現場での実感を裏付けるものでした。」
「現代の集客において、SNSや広告は『遠くの人に知ってもらう』ために欠かせません。しかし、お客様が『また行こう』と決意する瞬間は、画面越しではなく、来店中の体験や、店の前を通るという日常の風景の中にあります。」
「多くの店舗がSNSという『遠距離』に注力する一方で、来店中の『近距離』や生活圏内での『中距離』の接点設計が手薄になっているのが現状です。」
「私たちが提唱する『距離マーケティング』とは、点在する施策を顧客との距離で整理し、つなぎ直す考え方です。遠距離で認知を広げ、中距離で生活圏から見つけ出し、近距離で再来店を確信に変える。この距離に応じた役割分担を明確にすることで、テクノロジーとリアルの接点が心地よく循環する、強い店舗経営を支援していきたいと考えています。」
前回調査とのつながり
同社は、前回の調査リリースにおいて、飲食店公式LINEの登録経験は約2割に留まる一方で、登録者の多くが来店・注文経験を持つことを発表しました。
この結果から、LINE公式アカウントは「登録されれば再来店や注文につながる可能性がある一方で、そもそも登録される導線が弱い」という課題が見えてきました。
今回の調査では、さらに視点を広げ、実店舗の初回来店・再来店がどのような接点で生まれているのかを分析しました。
その結果、初回来店は「通りがかり」「看板・店頭」「家族・友人の紹介」などの生活圏接点から生まれ、再来店は「来店中の体験」「来店直後の満足感」「店の前を通ったこと」など、より近い接点の中で生まれていることがわかりました。
前回の「近距離マーケティング」に続き、今回は実店舗集客全体を、近距離・中距離・遠距離で捉える「距離マーケティング」の重要性を示す結果となりました。
調査概要
調査名:実店舗の来店・購入のきっかけに関する調査
調査対象:過去3か月以内に実店舗を利用した人
有効回答数:776件
性別:男性46.8%、女性52.7%、どちらでもない0.5%
年代:10代1.8%、20代8.1%、30代29.0%、40代28.7%、50代22.9%、60代8.4%、70代1.0%
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年4月20日~4月27日
調査主体:株式会社クリエイティブジャンプ
会社概要
会社名:株式会社クリエイティブジャンプ
代表者:代表取締役 右大輝
所在地:東京都港区芝4丁目7番6号
事業内容:マーケティング戦略立案、広告運用、SNS運用、Web/LP制作、動画制作、LINE公式アカウント運用支援、各種クリエイティブ制作
出典元:株式会社クリエイティブジャンプ











