
かっこ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岩井裕之、証券コード:4166)が、ウェブ広告運用担当者400名を対象とした「2026年版 ネット広告不正(アドフラウド)に関する実態調査」の結果を公表しました。
調査の結果、アドフラウドのリスク認知が約7割まで拡大している一方、運用担当者の多くが「対策実施によって見かけ上のクリック数が減少し、顧客獲得単価(CPA)が高騰したように見えるため、社内での評価が下がることを恐れて対策に踏み切れない」というジレンマに直面していることが判明したとのことです。
同社は今回の調査を通じて、日本におけるデジタル広告市場が「見せかけの成果」を基準にした評価制度に依存している現状に警鐘を鳴らすとともに、真の投資対効果(ROI)の追求を目指した啓発活動を展開していく方針を示しています。
なお、アドフラウドとは、Botや競合企業による不正な広告クリックにより広告費が詐取される行為を指します。また、CPA(Cost Per Acquisition/Action)とは、1件の成果獲得にかかった費用を意味します。
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調査結果のポイント
今回の調査で明らかになった主要な知見は以下の4点です。
第一に、アドフラウドの認知度は75.8%に達しており、さらに69.3%がコンプライアンス上のリスクとして認識していることが分かりました。
第二に、被害の実態として、広告費の「1〜20%」が搾取されているケースが約8割を占めており、あらゆる企業が直面する構造的リスクであることが明らかになりました。
第三に、対策実施における最大の障壁は「CPA悪化への懸念」であり、39.0%が社内評価を恐れて対策を躊躇している状況が浮かび上がりました。
第四に、42.8%は広告代理店やプラットフォーム事業者に対策を依存しており、広告代理店任せや担当者不在の割合が合計33.8%に達していることが判明しました。
認知度は常識レベルに到達、約7割がコンプライアンスリスクと認識
「アドフラウド」という用語の認知度は75.8%に達しています。内訳を見ると、「名前と内容も知っている」が49.5%、「名前だけ知っている」が26.3%となっています。また、約7割(69.3%)が自社広告の配信先をコンプライアンス上のリスクとして認識していることが明らかになりました。


被害実態は広告費の「1〜20%」が約8割、構造的リスクとして顕在化
調査対象者全体の36.8%が「アドフラウドの被害を経験したことがある」と回答しています。被害経験者が搾取された広告費の割合については、「1%〜5%未満」が27.9%で最多となり、「5%〜10%未満」が26.5%、「10%〜20%未満」が23.8%と続き、これらを合計すると全体の約8割に達しました。
広告費の数パーセント程度という気づきにくいレベルから、利益を大幅に侵食する水準まで、アドフラウドが幅広い範囲で発生している構造的リスクであることが裏付けられました。


最大の障壁は「CPA悪化への懸念」、39.0%が社内評価を恐れ対策を躊躇
今回の調査で浮き彫りになった最も深刻な課題は、運用現場が抱えるジレンマです。アドフラウド対策を実施すると、見かけ上のクリック数が減少したり、獲得単価(CPA)が上昇するため、社内での評価低下や成果悪化を懸念して対策に踏み切れない(または中止してしまった)という経験を持つ担当者が39.0%に上りました。
この結果は、「質の低い安価なクリック」も含めて評価してしまう従来型の評価制度が、根本的な不正対策の妨げになっていることを示しています。

責任の所在が不透明、「誰かがやってくれている」という依存状態
現在実施している対策としては「広告代理店に任せている」が42.8%で最多となりました。その一方で、対策の責任の所在については、「広告代理店任せ」が17.8%、「明確な担当がいない」が16.0%で、これらを合わせると33.8%に達しており、当事者意識の欠如と責任の曖昧さが問題となっていることが明らかになりました。


明治大学サイバーセキュリティ研究所 所長 齋藤孝道氏のコメント

アドフラウドは、単なる広告運用上の効率低下の問題に留まらず、サイバー犯罪の一形態として位置付けるべき事象です。具体的には、ボットネット等を活用した不正トラフィックの生成やクリック操作により、広告収益を不正に獲得する手口が確認されています。
過去の海賊版サイト問題でも指摘されてきたように、デジタル広告収益の不正な獲得は、組織犯罪活動の資金源として機能してきた経緯があります。つまり、対策が不十分な状態を放置すれば、結果として反社会的活動への資金供給を容認することにつながり、現代企業にとっては重大なガバナンスリスクを内包するものといえます。
今回の調査で明らかになった「見かけのCPA悪化を恐れて対策を躊躇する」という現場のジレンマは、短期的なKPI最適化と、本来優先されるべきリスク管理との間に生じる構造的な衝突を示しています。リスク管理の観点から見れば、これは課題を認識しながらも業務継続を優先して対応を先送りする、いわば既知のリスクを内在化したまま運用を継続する状態に近いと言えるでしょう。
さらに、この問題は個別の広告運用の効率性に留まらず、広告配信を支えるプラットフォームや仲介事業者を含むエコシステム全体に関わるサプライチェーンリスクとして捉える必要があります。したがって企業は、本件を現場の評価指標の問題に矮小化するのではなく、経営層主導のもとで、サイバーセキュリティおよびコンプライアンス上の重要課題として再定義すべきです。
透明性および検証可能性を備えたデジタル広告環境の確立は、企業価値の毀損防止に留まらず、健全なデジタル経済圏の維持という観点からも、いま強く求められています。
かっこ株式会社 代表取締役社長 岩井裕之氏のメッセージ
かっこ株式会社は、先日4月1日よりアドフラウド対策サービス「X-log(エックスログ)」の提供を開始しました。同社がデータサイエンスの力で解決したいのは、単に不正クリックをブロックすることだけではありません。今回の調査で明らかになったような、運用現場の皆様が抱えるパフォーマンスのジレンマを解消し、企業がbotではなく、真の顧客に適切に予算を投じられる健全な環境を構築することです。
今後も、データに基づいた実態の可視化と啓発活動を通じ、日本のデジタル広告市場の健全化と、企業の真のROI向上に貢献していく方針を示しています。
かっこ株式会社について
かっこ株式会社が提供する不正検知サービス「O-PLUX」は、AIなどのデータサイエンスを活用した独自のアルゴリズムにより、オンライン取引におけるあらゆる不正をリアルタイムに検知し、被害防止とチェック業務の自動化を実現するクラウドサービスです。
EC事業者向けには、不正ログインから不正注文対策、金融機関や会員サイトには、口座開設からログイン、取引に至るまでの一連の工程において、情報漏洩やフィッシング、なりすまし等への対策として、不正検知ソリューションを提供しています。
データサイエンスサービスでは、製造業やアパレル、建設業など様々な業種において、データ活用・分析を通じ、コスト削減・業務効率化・利益向上などに貢献しています。
調査概要
調査主体:かっこ株式会社
調査期間:2026年4月
調査機関:インターネットリサーチ
調査対象:ウェブ広告運用に携わる担当者400名
会社概要
会社名:かっこ株式会社
住所:東京都港区元赤坂一丁目5番31号
代表者:代表取締役社長 岩井裕之
設立:2011年1月28日
事業内容:SaaS型アルゴリズム提供事業(不正検知サービス、決済コンサルティングサービス、データサイエンスサービス)
出典元:かっこ株式会社











