シニア世代の生成AI利用実態調査、3割超が「全く利用していない」一方で7割以上が将来的重要性を認識―BEYOND AGE

株式会社BEYOND AGEが、50歳から65歳までの男女603名を対象とした「生成AI利用に対する意識調査」の結果を発表しました。この調査では、シニア世代における生成AIの活用状況や不安要素、将来に対する見通しについて、多面的な分析が行われています。

調査の実施概要

本調査は2026年2月にインターネット調査方式で実施され、ノウンズ株式会社の協力を得て行われました。全国の50歳から65歳の男女603名から回答を得ており、設問数は10問となっています。

利用実態:3割以上が未使用、日常的な活用は少数派

生成AI活用頻度調査結果

生成AIの利用頻度について質問したところ、「全く利用していない」との回答が31.3%で最多となり、50代・60代において生成AIが日常的に定着しているとは言い難い状況が明らかになりました。その一方で、「毎日(ほぼ毎日)」利用している人が15.9%、「週に4~5日程度」が10.4%と、週に複数回以上使用している層も一定数存在しており、適切なアプローチによっては今後の普及拡大が期待できる結果となっています。

心理的障壁:約7割が「専門知識が必要」と認識

生成AI専門知識の必要性調査

生成AIを活用するために専門知識が必要と考えるかという質問に対しては、「必要だと思う」が28.5%、「少しは必要だと思う」が44.2%で、合計すると72.7%に上りました。多くの人々が「AIは敷居が高い技術である」という印象を持っており、「専門的なスキルがなければ使用できない」という心理的な障壁が、普及を妨げる要因となっている実態が浮き彫りになっています。

仕事での活用状況:「人間性」「責任」が求められる業務には慎重姿勢

仕事での生成AI活用分野

業務における生成AIの活用分野としては、メールの作成やアイデアの創出、資料作成といった文章作成や企画関連の業務が上位を占めました。事務作業の効率化については前向きな姿勢が見られる一方、人事評価や顧客対応など判断や責任が伴う領域については、AIへの代替を受け入れない傾向が顕著に表れています。

プライベート利用:検索エンジンの代替的存在として活用

プライベートでの生成AI活用

プライベートシーンでの活用については、「調べもの・検索」が圧倒的に多く、従来の検索エンジンの発展形としてAIを位置づけている人が多いことが判明しました。「趣味・検索」や「旅行プラン作成」など、情報収集を目的とした用途でも幅広く利用されています。その一方で、健康管理など正確性や信頼性が求められる領域では、活用に対して慎重な態度が見受けられます。

最大の懸念事項は「情報の信憑性」

生成AIへの不安要素

生成AIが社会に広まることへの懸念について尋ねたところ、最も多かったのは「情報の信憑性:誤った情報やフェイクニュースが広まること」であり、次いで「プライバシー・機密保持:入力したデータや個人情報が流出・悪用されること」という結果になりました。

上位2項目はいずれも「AIが取り扱う情報の信頼性と安全性」に関連するものであり、50代・60代の世代はAIの性能そのものよりも、情報の品質と管理体制を重視していることがわかります。

「雇用への影響」や「思考力の低下」といった個人への影響を心配する意見も一定数見られましたが、それ以上に「誤情報の拡散」「個人情報の流出」といった社会全体に対するリスクへの関心が高いことが特徴的です。

また、「特に不安は感じていない」との回答はごくわずかに留まっており、ほぼすべての回答者が何らかの懸念を抱いている実情が明らかとなりました。

将来展望:7割以上が重要性を認識

生成AIの将来的重要性

今後、生成AIを使いこなすことが人生において重要であるかを質問したところ、「非常に重要だと思う」が21.7%、「まあまあ重要だと思う」が52.9%で、合わせて全体の74.6%が将来的な重要性を認識しています。ただし、AIに対して無条件に期待を寄せているわけではなく、「リスクは存在するものの、使いこなせないと損失を被る、または取り残される可能性がある」という、実利的な観点に基づいた受容姿勢が主流となっていると結論づけられます。

調査結果の総括

本調査により、50代・60代は生成AIに対して「関心と警戒が共存している段階」にあることが明確になりました。将来的な重要性を認識している人は7割を超える一方で(74.6%)、3割以上がまったく利用しておらず、約7割が「専門知識が必要」と感じています。活用範囲は調べものやメールの作成など定型的な業務に限られており、判断や責任を伴う領域に対しては慎重な姿勢が見られます。

不安の中心となっているのは「情報の信憑性」と「プライバシー」であり、AIの性能そのものより、アウトプットの信頼性が最大の関心事項となっています。

生成AIが「便利な検索ツール」から「信頼できるパートナー」へと発展するためには、技術の向上だけでなく、情報の正確性を保証する仕組みや法的責任の明確化、そして「難しい技術」という心理的障壁を低減する環境整備が不可欠であると言えます。

株式会社BEYOND AGE 代表取締役 市原大和氏のコメント

前回の調査では、シニア世代がAIに対して「敗北」を認識しつつも「味方」として共存しようとする柔軟な姿勢が明らかになったとのことです。

今回、回答者数を603名に拡大した本調査では、その傾向がより明確に確認されるとともに、「関心はあるものの専門知識が必要だと感じて一歩を踏み出せない」という心理的障壁の存在が浮き彫りになったとしています。

同社は、この「意識と行動のギャップ」を埋めるため、生成AIリスキリング研修などを通じて、シニア世代の方々が「難しい技術」ではなく「頼れる相棒」としてAIを日常生活に取り入れるためのサポートを続けていくとしています。

株式会社BEYOND AGEの会社概要

株式会社BEYOND AGEは、2022年4月20日に設立され、東京都中央区銀座一丁目16番7号 銀座大栄ビル6階に本社を構えています。代表取締役は市原大和氏が務めています。

主な事業内容

同社は以下の事業を展開しています。

  • 企業向け生成AIリスキリング研修
  • シニアに対する独立伴走アカデミーの運営
  • シニアの独立に関するオウンドメディア「シニア独立100万人」の運営
  • シニア人材の審査制・有料のオンラインコミュニティの運営
  • シニアと企業のマッチングプラットフォームの運営
  • シニアに特化した転職エージェントの運営

出典元: 株式会社BEYOND AGE

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