BtoB購買におけるブランド想起の影響度調査、SEOツール領域で商談前認知が選定に影響した割合は65.0%に

株式会社EXIDEAが、BtoB購買プロセスにおける「ブランド想起」が意思決定に与える影響度を解明するための調査を実施しました。同調査の第12弾として発表されたSEOツール領域の結果では、「商談前に認知していたブランドが意思決定に影響を与えた」と答えた担当者の割合が65.0%に達し、事前の認知がいかに重要であるかが明らかになりました。

BtoB購買においては、顧客が営業担当者と接触する前段階で、既に候補となる企業を絞り込んでいるケースが多く見られます。今回の調査結果は、その傾向を裏付けるものとなっています。

同社では、全16カテゴリー(経費精算システム、タレントマネジメント、法人カード、MAツールなど)における認知度や想起順位の実態を順次公表していく予定です。

海外では、LinkedInの研究機関「The B2B Institute」がLes Binet氏とPeter Field氏と共同で、BtoB購買における「想起(Mental Availability)」の重要性に関する研究を行っており、BtoB市場において「今すぐ購入する」層はわずか5%で、残り95%は将来の顧客であるという報告がなされています。

本調査シリーズの結果は、「カテゴリーブランディング白書 2026年版」としてまとめられ、発表される予定です。

調査イメージ

調査結果のポイント

今回の調査では、主に以下の3つのポイントが明らかになりました。

1点目は、無料ツールを提供するGoogleが想起率17.7%でトップとなった一方で、選定候補ではSearch ConsoleにAhrefsが並ぶ結果となったことです。

2点目は、信頼度を示す1位率ではAhrefsが69.1%という圧倒的な支持を獲得したことです。商談実施においても専門性の高い有料ツールが無料ツールを上回る結果となりました。

3点目は、商談前の認知が選定に影響したと65.0%が回答したことです。知名度だけでは不十分で、「選定候補として思い出される」ための戦略が問われる状況にあります。

調査概要

本調査の概要は以下の通りです。

調査名称はBtoB購買プロセスにおける「想起」の影響度に関する実態調査です。調査方法は、IDEATECH社が提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査となっています。

調査期間は2026年2月9日から同年2月10日まで実施されました。有効回答は、過去1年以内にSEOツールの選定・導入推進・検討に携わったことがある方200名から得られました。

なお、構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない場合があります。

導入担当者のサービス理解度

サービス理解度

「SEOツール領域の企業について、当てはまるものを教えてください」という質問(n=200)に対して、「知っていて、サービス内容もある程度理解している」と回答した割合は、Google LLCが63.5%で最多となりました。続いてAhrefs Pte. Ltd.が49.0%、Semrushが44.0%、株式会社CINCが44.0%という結果になりました。

Google LLCについては、「知っていて、サービス内容もある程度理解している」が63.5%、「名前は知っているが、詳しくは知らない」が19.5%、「知らない」が17.0%でした。

Ahrefs Pte. Ltd.については、「知っていて、サービス内容もある程度理解している」が49.0%、「名前は知っているが、詳しくは知らない」が23.5%、「知らない」が27.5%という結果でした。

SEOツールの想起率

想起率

「SEOツールと聞いて最初に思い浮かぶ企業・サービスをすべて教えてください」という自由回答形式の質問(n=200)では、Googleが17.7%で最多想起となりました。次いでパスカルが2.7%、ミエルカSEO(Faber Company)が2.3%という回答結果になりました。

その他、ウィルゲートが1.8%、Ahrefsが1.4%、CINCが1.4%、Microsoftが1.4%、SEARCH WRITEが1.4%と続いています。

選定候補・商談・事前認知のブランド

選定候補・商談・事前認知

「SEOツール領域において、選定候補として検討したブランドおよび実際に商談したブランド、商談前から知っていたブランドを教えてください」という質問(n=200)では、選定候補ブランドはSearch Consoleが43.5%でトップとなりました。

実際に商談したブランドではAhrefsが33.0%で最多となり、商談前から知っていたブランドではSearch Consoleが37.5%という結果になりました。

選定候補ブランドとしては、Search Consoleの43.5%に続いて、Ahrefsが42.5%、SemrushとミエルカSEOが共に36.0%、SEARCH WRITEが27.0%、Keywordmapが25.5%、Similarwebが25.0%などとなっています。

実際に商談したブランドでは、Ahrefsの33.0%に続いて、Search Consoleが32.0%、ミエルカSEOが30.0%、Semrushが29.5%という順になりました。

商談前認知が意思決定に与える影響

意思決定への影響

「商談前に知っていたブランド・サービスが、あなたの選定や意思決定に影響を与えたと思いますか」という質問(n=200)に対しては、「大きく影響した」が32.0%、「やや影響した」が33.0%という回答結果となりました。

合計すると65.0%の導入担当者が、商談前に知っていたブランドが選定・意思決定に「影響した」と回答したことになります。「あまり影響しなかった」は17.0%、「全く影響しなかった」は4.0%、「わからない/答えられない」は14.0%でした。

事前認知が選定に与えた具体的な影響

事前認知の影響

「大きく影響した」「やや影響した」と回答した方に対して、事前に知っていたブランドが選定にどのような影響を与えたかを具体的に質問しました(複数回答、n=130)。その結果、「他社と比較する際の基準になったから」が59.2%で最多となりました。

続いて、「安心感があり、検討しやすかったから」が54.6%、「提案内容への信頼度が高まったから」が45.4%、「決裁者への説明がしやすかったから」が42.3%、「導入後のサポートに期待が持てたから」が39.2%という結果になりました。

その他、「ブランドイメージが良く印象的だったから」が28.5%、「過去の実績を知っていて信頼できたから」が23.1%と続いています。

最も信頼できる・選びたいブランド

信頼度

全て「知らない」以外を回答した方に対して、SEOツール領域において「最も信頼できる」「選びたい」と思うブランドを順に3つまで挙げてもらいました(順位付けかつ上位3つまで、n=179)。

その結果、回答の選出数が多い順に、1位に選ばれた割合である「1位率」は、Search Consoleが37.1%、Ahrefsが69.1%、Semrushが30.1%という回答になりました。

なお、本調査では、回答者に対して「最も信頼できる」「選びたい」と思うブランドを、提示した9ブランドの中から最大3つまで選択し、1位から3位までの順位をつけて回答してもらっています。

各ブランドの数値は、そのブランドを選択した回答者の中で、何位として選ばれたかの割合を表しています。例えば、Ahrefsの「1位:69.1%」という結果は、Ahrefsを選んだ回答者のうち69.1%が同ブランドを1位として挙げたことを意味します。

この「1位率」が高いほど、そのブランドは選ばれた際に最も信頼できる第一候補として評価されていることを示しており、ブランドに対する信頼度や選好度の強さを測る指標となります。

最終導入を検討したブランド

最終導入検討

「最終的に導入・契約した、もしくは最終検討したSEOツール領域のブランドを教えてください」という質問(複数回答、n=200)では、Search Consoleが34.5%で最多となりました。有料ツールではミエルカSEOが28.5%、Keywordmapが27.0%と続く結果になりました。

その他、Ahrefsが24.5%、Semrushが24.0%、SEARCH WRITEが23.0%、Screaming Frog SEO Spiderが23.0%、Similarwebが17.0%、EmmaToolsが10.5%、TACT SEOが10.0%という結果です。

調査結果から見出せること

EXIDEA取締役副社長の塩口哲平氏は、今回のSEOツール領域の調査結果について、BtoBマーケティングにおける「インフラ的認知」と「専門的信頼」の明確な棲み分けを浮き彫りにしていると分析しています。普及率で他を圧倒するGoogle Search Consoleを前提としつつ、実務の「基準」を奪いにいく有料専業ツールの激しい攻防が見られるとしています。

「知っている」から「相談したい」へ

内容認知度や想起率で無料かつ汎用的なSearch Consoleを提供するGoogleが首位をとる一方で、実際に商談へ至ったブランドでAhrefsが33.0%という高い数値を記録した点は、非常に興深い事実です。

これは、SEOという専門性の高い領域において、導入担当者が単なる知名度だけで判断せず、より踏み込んだ解決策やサポートを能動的に求めていることの表れといえます。導入に際して商談を必要とする専業ツールがこのフェーズで確かな存在感を示していることは、プロ向け商材特有のシビアな選定プロセスを象徴しています。

信頼を示す「1位率」69.1%

本調査で最も突出したデータは、Ahrefsの圧倒的な信頼度です。同社を候補に挙げた人のうち、実に69.1%が「最も信頼できる・選びたいブランド」として1位に指名しています。

一方で、Ahrefsは純粋想起率がわずか1.4%と極めて低い点に課題があります。つまり、「SEOといえば?」と聞かれてパッとは出てこないが、いざ比較検討が始まりツールを触り比べると、「これこそが正解だ」と確信させる強烈なプロダクト・バイアス(製品への信頼)を持っているということです。この想起の低さを信頼の深さで補完する構造は、プロツール特有のブランディングの形と言えます。

絶対的な正解がない分散市場

有料ツールの導入検討シェアを見ると、ミエルカSEO(28.5%)、Keywordmap(27.0%)、Ahrefs(24.5%)、Semrush(24.0%)と、各社が30%未満の僅差で横並びになっています。これは、このカテゴリーにおいて「これを買っておけば間違いない」という絶対的な基準(物差し)がまだ市場に定義されていないことを意味します。

担当者の59.2%が事前認知を「他社と比較する際の基準になった」と回答していますが、現状は絶対的な物差しが不在のため、各社を慎重に広く、深く比較せざるを得ない状況が生まれています。

「Google+α」を誰が担うか

今回のデータが示す有料ツールの本質的な課題は、「Search Consoleが前提にある中で、なぜあなたのツールに追加投資すべきか?」という問いへの回答です。

最終導入検討において、国内勢のミエルカSEOやKeywordmapがAhrefsと僅差で競り合っているのは、単なる機能提供を超えて、日本独自の市場環境に合わせた活用基準を提示できているからでしょう。SEOの正解が不透明な分散市場だからこそ、機能競争という「選ばれる側」の戦いを脱却し、「これからのSEOを正しく評価するための基準」としての地位を誰が最初に確立するかが、今後の勢力図を決定づけます。

カテゴリーブランディングの要諦

今回の教訓は、「知られている(Google)」から「信じられる(専業ツール)」への橋渡しをいかに戦略的に構築するかという点にあります。

現在、有料SEOツール市場には絶対的な王者が不在の空白地帯が広がっています。各社が機能比較で拮抗しているからこそ、単なる露出を増やすのではなく、自社の得意領域を「これこそがSEOの最重要評価基準だ」という基準として定義し、市場に定着させたブランドが、この横並びの状況を一気に突き抜けることになりそうです。

自らの主張を、市場の基準として共通言語としたとき、ブランドは比較検討の対象から、無意識に選ばれる「信頼のインフラ」へと昇華します。95%の「今は買わない層」に対し、Ahrefsのような深い信頼を維持しつつ、Googleのような想起の瞬発力をいかに獲得するか。この両輪を回し、自社を比較検討の起点に据えることこそが、分散市場を制するカテゴリーブランディングの正解です。

塩口哲平氏

今後の発表予定

本調査シリーズは、全16カテゴリー(経費精算システム、タレントマネジメント、電子契約、MAツールなど)における認知度・想起順位の実態について、順次発表していく予定です。

これらの調査結果は「カテゴリーブランディング白書 2026年版」としてまとめられ、2026年4月に発表される予定となっています。

会社概要

会社名は株式会社EXIDEAです。所在地は東京都中央区銀座1-20-14 KDX銀座一丁目ビル4階、代表者は小川卓真氏、設立は2013年5月です。資本金は1,500万円、従業員数は89名(連結、2025年4月末現在)となっています。

事業内容は、BtoBブランディング支援、BtoBマーケティング支援、動画制作・動画マーケティング、マーケティングツール開発提供、SEOコンサルティング、Webメディア運営です。

EXIDEAは、クリエイティブとデジタルマーケティングを融合した「カテゴリーデザイン」によって、企業の新たな成長を支援しています。AI機能を搭載した自社開発のマーケティングツールの提供と併せて、ビジネスの戦略策定から実行・改善まで一貫して伴走しています。

※本記事は株式会社EXIDEAのプレスリリースより転載しています。

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