
NE株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長CEO:比護則良)が、同社が提供するSaaS型ECバックエンドシステム「ネクストエンジン」の受注データを活用した調査レポートを発表しました。このレポートでは、2025年における記録的猛暑、米の価格高騰、推し活の定着などの社会的出来事がEC上の購買行動にもたらした変化が分析されています。
今回公開されたレポートでは、ニュースや報道で取り上げられた出来事と実際の購買行動データを時系列で照合することによって、生活者が何に反応し、どのような判断基準で購買に至ったのかが明確に可視化されています。
この記事の目次
主な調査結果のポイント
天候・気候変動:季節の前倒しが購買タイミングを変化させた
2025年は梅雨入り・梅雨明けがいずれも早まり、猛暑も長期にわたって継続しました。これに連動して、レイングッズや暑さ対策商品の購入は例年に比べて早い時期から活発化し、需要が前倒しで生じる傾向が明らかになっています。
米騒動:不安は「量」ではなく「単価」に現れた
米関連商品においては、購入件数の伸びに対して流通金額の増加が顕著に大きく、1件あたりの購入単価が上昇する結果となりました。生活者の不安感は、買いだめという形ではなく、価格や商品選択に反映されていた可能性が示されています。
推し活:一過性のイベントから日常消費へ移行
推し活関連商品の受注は特定の月に偏ることなく、年間を通じてベース水準が上昇しており、推し活消費が生活の一部として根付いている状況がECデータからも確認されています。
災害・地震情報:反応したのは「噂」ではなく「現実」
SNS上で広がった科学的根拠のない災害情報に対しては購買行動に大きな変化は見られなかった一方で、実際の地震発生や公的機関からの情報発表時には、防災関連商品の購買が明瞭に増加していました。
調査の位置づけについて
今回のレポートは、変化の大きかった2025年という一年を通じて、生活者の意思決定がどのように購買行動として表出したのかを多面的に整理したものとなっています。レポートの結果は、ネクストエンジンを利用するEC事業者(販売者)の店舗で発生した購買行動データを集計・分析して導出されたものであり、国内EC市場全体の推計を示すものではありません。
調査概要
- 調査機関:NE株式会社
- 調査対象:ネクストエンジン利用企業のうち、2024年以前から契約し、2025年12月時点も契約中のユーザー受注データ
- 対象期間:2024年1月1日~12月15日、2025年1月1日~12月15日
- 集計方法:受注情報テキストに対象キーワードを含む受注件数を集計
- 集計単位:月次単位と週次単位。週次集計はISO週(ISO week)を採用(月曜始まり)。各年の同一ISO週同士で前年比較を実施
調査結果の詳細
1.天候・気候変動:季節の前倒しが購買タイミングを早期化
2025年は梅雨入り・明けが早まり、夏の平均気温が統計開始以降で最高を記録しました。これに伴って、EC上でも「対策購買」の前倒しが顕著となっています。
- レイングッズ:梅雨前線の停滞に合わせて、5月26日週から受注が急激に伸びました(図1-1)
- 暑さ対策グッズ:5~6月から需要が立ち上がり(図2-1)、6月30日週前後でピークを迎えた後は前年より早く収束する「短期集中型」の推移となりました(図2-2)
- 冬物グッズ:10月下旬の急激な冷え込みと同時に、10月20日週からマフラーやカイロ等の受注が急増しました(図3-1)




2.米市場:不安は「量」ではなく「単価」に反映
「令和の米騒動」と呼ばれた品薄・価格高騰の影響は、購買金額に強く表れる結果となりました。
- 需給の変動:米関連商品の受注件数は前年比+15%の増加に留まったものの、流通金額は前年比+41%と大幅に増加しました(図4-1)
- 購入単価:1受注あたりの金額は約+23%上昇しており、購買量の増加だけでは説明できない「価格高騰」の影響が示唆されています

3.災害・地震情報:SNS上の「噂」には反応せず
2025年夏にSNS上で拡散された「大災害の予言」に対して、消費者の反応が検証されました。
- 冷静な判断:予言された当該日を含む週の受注に目立った変化は観察されませんでした(図5-1左側)
- 対比:実際の震災発生直後に受注が急増した2024年(図5-1右側)と比較すると、生活者は不確かな情報よりも、現実的なリスクに対して合理的に反応している様子が浮き彫りとなっています

4.推し活:一過性のイベントから日常消費へ定着
「推し活」関連商品の受注データからは、消費のベースアップが確認されています。
- 通年での底上げ:特定の月の突出よりも、年間を通じてすべての月で2025年の受注数が2024年を上回って推移しました(図6-1)
- 市場の広がり:外部調査の「年間消費額平均25万円」という結果と整合するように、ECにおいても推し活が「日々の生活の一部」として定着したことが示唆されています

まとめ
2025年は、季節の前倒しと極端高温が「対策購買の前倒し」を生み出し、米の供給不安や地震・津波注意報が「備え」の購買を刺激し、推し活のようなカルチャー起点の熱量が"モノ"としてECに流れ込む一年でした。
ニュースで語られる出来事は、EC事業者の受注データ上でも「いつ・何が・どの程度」動いたのかとして観測できていることが今回の調査で検証されています。
出典元:NE株式会社 プレスリリース












