
DX&マーケティング事業を手がけるナイル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:高橋飛翔)が、全国の20~60代の男女752名を対象として、Google検索結果に表示される「AIによる概要(AI Overviews)」の利用実態に関する調査を実施しました。本調査では、「AIによる概要」のみで検索行動が完結するのか、あるいは検索結果や参照サイト(リンク)を閲覧する行動があるのかなどについて検証が行われました。
この記事の目次
- 1 調査結果のサマリー
- 2 調査の概要
- 3 「AIによる概要」は毎回閲覧されるわけではなく、必要に応じて参照される傾向
- 4 「AIによる概要」はユーザーの疑問解消における補助的役割に留まる
- 5 「AIによる概要」閲覧後も約7割が検索結果をクリック、AI回答の裏付けを求める行動が顕著
- 6 検索結果を閲覧する理由はAI情報の正確性への不安、AIへの信頼は発展途上
- 7 「AIによる概要」からのアクションは約半数が経験、関心喚起の役割が中心か
- 8 「AIによる概要」の参照元サイトは半数以上がクリック経験を持つ
- 9 参照元クリックの理由は「根拠の確認」が約6割、AI情報の裏付けニーズが明確
- 10 「AIによる概要」は検索を完全に代替せず、情報収集の起点として利用される傾向
調査結果のサマリー
- 「AIによる概要」を毎回必ず閲覧するユーザーは約1割に留まっており、大多数のユーザーは検索の意図や状況に合わせて選択的に参照していることが判明しました。特に20代においては積極的な閲覧傾向が顕著である一方、40代以降では補助的な利用に留まる傾向が確認されました。
- 「AIによる概要」を閲覧した後、約7割のユーザーが通常の検索結果もクリックしていることが明らかになりました。その最大の要因は「情報の正確性を確認したいから」(44.8%)であり、AIに対する信頼がまだ完全には確立されていない現状がうかがえます。
- 「AIによる概要」で紹介されていた企業や商品・サービスに関して、その後検索を行った経験があるユーザーは約半数でした。「AIによる概要」は直接的にユーザー行動を強力に促進する存在というよりは、ユーザーの関心を引き起こす役割が中心であると考えられます。
- 「AIによる概要」内に表示される参照元サイト(リンク)については、半数以上がクリックした経験を持っています(Q6)。参照元をクリックする理由としては「根拠の確認」が56.5%(Q7)と過半数を占めており、AI情報の裏付けを求めるニーズが明確に示されました。
調査の概要
・調査実施期間:2025年12月22日~24日
・調査手法:インターネット調査(Fastask利用)
・調査対象者:全国の20~60代の男女752名
「AIによる概要」は毎回閲覧されるわけではなく、必要に応じて参照される傾向

「AIによる概要」を「必ず読む」と答えたユーザーはわずか10.5%に留まり、最も多かったのは「気になったときだけ読む」(31.1%)という回答でした。
「だいたい読む」(25.5%)を加えても、積極的に活用しているユーザーは全体の約3割程度となっています。
このことから、AIによる概要はユーザーにとって"常に確認すべき情報源"というよりも、検索の意図や状況に応じて取捨選択される存在であることがわかります。
年齢別:「AIによる概要」の閲覧傾向

年齢別に見ると、若年層ほど「必ず読む」「だいたい読む」の割合が高く、20代では合計52.7%が積極的に活用している結果となりました。一方、40代以降では「気になったときだけ読む」の割合が高まり、状況に応じた利用傾向が強くなっています。
この結果から、若年層ほど「AIによる概要」を起点として情報収集を行っており、中高年層は必要に応じて補助的に参照する姿勢が強いことが明らかになりました。
「AIによる概要」はユーザーの疑問解消における補助的役割に留まる

「AIによる概要」のみで検索時の疑問や悩みが解決した経験について、「よくある」「ときどきある」を合計すると、約7割のユーザーが何らかの解決経験を持っていることがわかりました。
ただし、「よくある」は14.8%に留まっており、過半数は「ときどきある」(54.3%)に集中しています。
この結果から、「AIによる概要」は検索課題を"毎回完全に解決する存在"というよりも、状況次第で有用な情報源として認識されていると言えます。
一方で、「ほとんどない」(25.4%)、「一度もない」(5.5%)と回答したユーザーは約3割存在しています。これは、「AIによる概要」が期待する情報を提供できていない、または最終的な判断や理解には追加情報が必要だと感じている状況も明らかになりました。
この調査結果を踏まえると、「AIによる概要」のみが自然検索のクリック数・セッション数減少を引き起こしているとは断定できません。
ただし、疑問が比較的簡単に解消される検索においては、「AIによる概要」のみで満足し、通常の検索結果のクリックやセッションが発生しにくくなっている可能性はあると考えられます。
「AIによる概要」閲覧後も約7割が検索結果をクリック、AI回答の裏付けを求める行動が顕著

「AIによる概要」を閲覧した後に通常の検索結果(青いリンク)をクリックするかという質問では、「ほぼ必ずクリックする」(19.3%)と「状況によってクリックする」(50.0%)を合わせて、約7割のユーザーがAIによる概要だけでは完結せず、さらなる情報収集を行っていることが明らかになりました。
特に注目すべきは、「状況によってクリックする」が半数を占めている点です。これは前の質問の「AIの回答だけで検索時の疑問や悩みが解決したと感じる経験」について、「ときどき解決する」が半数を超えていたことと一致しており、ユーザーが「AIによる概要」の内容を確認した上で、追加情報の必要性を判断していると考えられます。
年齢別:「AIによる概要」と併せて通常の検索結果をクリックするか

年齢別で見ると、「ほぼ必ずクリックする」と回答したのは20代が31.4%と圧倒的に高い割合となりました。「AIによる概要」を積極的に閲覧する世代が、最も検索結果と併せて確認しているのは興味深い結果です。
検索結果を閲覧する理由はAI情報の正確性への不安、AIへの信頼は発展途上

「AIによる概要」と併せて通常の検索結果をクリックする主な理由として、「情報の正確性を確認したいから」が44.8%で最多となり、半数近くのユーザーが情報の裏付けを行っていることが明らかになりました。
AIによる概要は利便性の高い情報源である一方、ユーザーはその内容を無条件に受け入れているわけではなく、まだ「完全に信頼できる情報源」としては確立されていないと言えます。
次いで多かった回答は「より詳しい情報を知りたいから」(29.9%)でした。この結果から、ユーザーが「AIによる概要」を情報収集の起点としつつも、重要な判断や深い理解には元のソースにあたることの重要性を認識していることがわかります。
「AIによる概要」からのアクションは約半数が経験、関心喚起の役割が中心か

「AIによる概要」でおすすめ・紹介されていた企業や商品、サービスに関して、その後指名検索などを行った経験があるユーザーは、「よくある」(9.8%)、「ときどきある」(36.3%)を合わせて半数弱に留まりました。
この結果を踏まえると、「AIによる概要」が直接的にユーザーの行動を喚起するケースは限定的だと考えられます。ただし、まったくないわけではなく、「AIによる概要」からさらに検索を行い、情報収集を行っているユーザーが一定数存在することは見逃せません。
つまり、「AIによる概要」は、そこから何らかの行動を生み出す存在というよりも、ユーザーの関心を喚起し、その後の検索や検討につながる入口として機能していると捉えるのが妥当です。
したがって企業が重視すべきは、「AIによる概要」に表示され、その後の検索や検討行動を促す文脈で言及されているかどうかだと言えます。
「AIによる概要」の参照元サイトは半数以上がクリック経験を持つ

「AIによる概要」内に表示される参照元サイト(リンク)をクリックした経験について、「何度もある」(10.1%)、「たまにある」(40.4%)を合わせると、半数のユーザーが参照元サイトを複数回訪問していることがわかりました。
特に、「たまにある」が40.4%と最も多いことから、参照元リンクは常にクリックされる存在ではなく、検索テーマや状況に応じて選択的に利用されていると考えられます。
「AIによる概要」はそれ自体で完結する情報として機能する一方、必要に応じて参照元サイトへ遷移する行動が取られていると言えます。
参照元クリックの理由は「根拠の確認」が約6割、AI情報の裏付けニーズが明確

「AIによる概要」の参照元サイトをクリックした理由として、「AIの回答の根拠を確認したかったから」が56.5%と過半数を占め、圧倒的多数となりました。
参照元サイトのクリックは、単なる興味ではなく、AIの回答内容を検証・確認する行動として行われていることが明確になったと言えます。
また、「内容が信頼できそうだと感じた」(13.0%)、「公式・専門的なサイトだと思った」(11.9%)といった回答も一定数存在しており、参照元リンクが"AIが提供する情報の信頼性を判断する材料"として機能している点も見逃せません。
つまり、「AIによる概要」で参照元として選ばれることは、単なる露出機会ではなく、ユーザーから信頼を得る機会でもあります。今後、参照元サイトとしてユーザーの期待に応えるためには、専門性や独自性の高い情報を提供し、信頼を獲得することが重要と言えるでしょう。
「AIによる概要」は検索を完全に代替せず、情報収集の起点として利用される傾向
本調査から、Google検索の「AIによる概要」を閲覧するユーザーは多く存在するものの、検索行動を完全に代替する存在ではないことが明らかになりました。
ユーザーは「AIによる概要」を参考にしつつ、主に情報の正確性を確認するために通常の検索結果や参照元サイトを確認しており、特に若年層ではその併用が顕著です。
つまり、本調査の結果からは、「AIによる概要」が自然検索のクリック・セッション数減少の主要因になっていると一概には言えず、検索内容によって影響の度合いが異なっていると捉えるのが妥当でしょう。
また、「AIによる概要」の閲覧後、企業や商品・サービスの指名検索、参照元サイトに進むユーザーは限定的である一方、その行動は情報の正確性の確認や比較・検討といった明確な目的を伴っている可能性が高いと考えられます。
そのため、企業での取り組みは、単に「AIによる概要」に表示されるかではなく、「どの文脈で表示され、行動につなげるか」を意識したLLMOがより重要になってきています。
出典元:ナイル株式会社 プレスリリース












