成熟期を迎えたEC市場で、支援企業はどう戦うか?「コマピ会」開催後記【イベントレポート】
イベントの概要

2025年12月12日(金)、東京都内某所にて、ECコンサル・運営代行会社限定の勉強会&交流会「コマピ会」を開催いたしました。コロナ禍を経て急成長を遂げたEC市場も、いまや成熟期。市場規模は26.1兆円(2024年)へと拡大を続ける一方で、成長率は鈍化し、事業者の明暗が二極化しつつあります。

そんな中、事業者の課題に真正面から向き合う支援企業には何が求められるのか?今回は「案件獲得と共創」をテーマに、EC支援企業の代表・決裁者クラス約50名が集結。熱気に包まれた当日の様子と、そこから見えた「これからの支援会社の在り方」についてレポートします。

開催の背景:共催セミナー乱立の今だからこそ、「営業」の本質を問う

近年、リード獲得のための共催セミナーが乱立し、事業者からは「有益な情報を得られる一方で過度な営業活動に抵抗を感じている」という声がにわかに上がっています。そこで、「本当に有効な営業活動とは何か?」という問いに立ち返るべく、本イベントは企画されました。

今回は、日頃から事業者と信頼関係を築いているECコンサル・運営代行会社の代表および決裁者の方々に多数ご参加いただきました。プログラムは、視点の異なる3つのセッションと、支援企業の強力な武器となる新進気鋭のSaaS企業によるピッチ、そして密な交流会で構成されています。

Session 1:EC事業者が語る「こんな営業・マーケが嬉しい/嫌だ」

最初のセッションでは、実際にEC/D2C事業を牽引する3名の経営層にご登壇いただき、「事業者目線」でのリアルな本音を伺いました。

【登壇者】

  • 株式会社柳田織物 代表取締役 柳田 敏正さん
  • 水橋保寿堂製薬株式会社 取締役 村井 信也さん
  • 株式会社RiceWine COO/CMO 渡辺 毅志さん

まさに「三者三様」の意見が飛び交うセッションとなりました。特に営業電話やメールに対する感覚は、「業務の妨げになるから迷惑」という意見から、「サービス理解の時短になるならOK」という認識まで、担当者によって大きく異なるという結果は非常に興味深いものでした。

しかし、登壇者全員の意見が一致した決定的なポイントがありました。それは、「懇意にしている信頼できる人からの紹介であれば、話を聞こうと思う」という点です。ビジネスの場であっても、根底にあるのは「人と人との付き合い」。信頼できる方からの紹介は、それだけで信用に足るという事実は、AIや自動化が進む現代においても変わりません。良い営業を行う上で、日頃から信頼関係(リレーション)を深める動きがいかに不可欠であるか、改めて認識させられる時間となりました。

Session 2:ハウスリストをアポイント化する極意

【登壇者】

  • ムジン株式会社 代表取締役 渡邉 和人 氏

続くセッションでは、BtoB営業活動における「ハウスリスト」の有効活用について解説いただきました。単なる精神論ではなく、具体的なフレームワークに当て込んだ解説が展開され、参加者の皆様にとっても翌日から実務に活かせる具体的なTipsを持ち帰っていただけたのではないでしょうか。

Session 3:月400件アポを実現する営業組織の仕組み化

【登壇者】

  • 株式会社ウィルゲート 共同創業者 専務取締役COO 吉岡 諒さん

セッションの最後を締めくくったのは、圧倒的な活動量とSNS活用で知られる吉岡さん。月400件というアポイントを実現するための「営業組織の仕組み化」についてお話しいただきましたが、その徹底ぶりには脱帽の一言でした。

各SNSでの活動を定量的に落とし込み、それを泥臭くやり切る姿勢。「ここまでやるか」と驚かされる一方で、吉岡さんの語り口には笑みがこぼれる瞬間も多く、楽しみながらもプロフェッショナルとしての凄みを見せつけられたセッションでした。

新進気鋭のSaaSとの共創(スポンサーピッチ)

各セッションの合間には、スポンサーとして参加いただいたSaaS企業によるサービス紹介を実施しました。

  • 決済最適化SaaS「YTGuard」(株式会社YTGATE)
  • 成功報酬マージン自動計算・振込ツール「successfee」(successfee株式会社)
  • 業務効率化ツール「TēPs」(テープス株式会社)

支援会社にとって、クライアントの課題を解決するツールは強力な武器であり、パートナーです。サービスの有用性が伝わり、新たなつながりが生まれたことで、スポンサー企業様からも「良縁に恵まれた」と嬉しいフィードバックをいただくことができています。

交流会:名刺交換だけで終わらない、濃密な2時間

全セッション終了後は、会場内でそのまま交流会へ。コマースピック取締役の竹内によるシャンパンでの乾杯を皮切りに、軽食とドリンクを片手にリラックスした雰囲気でスタートしました。

今回の参加者数はスポンサーを含め50名弱に絞り、交流時間を約2時間と長めに設定したことが功を奏しました。単なる名刺交換で終わるのではなく、各社の代表・決裁者同士がじっくりと話し込む姿があちこちで見られました。

協業の相談や、イベント共催のパートナー探しなど、高いレベルでのビジネスマッチングが自然発生しており、まさに「共創」のきっかけとなる有意義な時間となったかと思います。

帰りには、協賛企業のリーフレット及び、ご登壇いただいた事業者様の商品をお土産として参加者の皆様にお持ち帰りいただきました。

編集後記(総括)

EC市場が成熟し、変化の激しい時代だからこそ、一社単独ではなく、支援企業同士が手を取り合い、知見を共有し合う場の重要性が増しています。今回の「コマピ会」を通じて感じたのは、「信頼」と「熱量」の大切さです。事業者との信頼、パートナー企業との信頼。そして、営業活動に対する圧倒的な熱量。これらを再確認できたことが、本イベントの最大の収穫だったかもしれません。

ご参加いただいた皆様、ご登壇いただいた皆様、そしてスポンサー企業の皆様、誠にありがとうございました。コマースピックでは今後も、EC業界の発展に寄与する場を創出してまいります。

コマースピックでは、イベントの企画・運営など多岐に渡って柔軟なご支援を行っています。こんな企画ができないか?など、アイディア段階でも結構ですのでお気軽にご連絡いただけますと幸いです。

問い合わせ先
https://www.commercepick.com/contact

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