エアークローゼット、明治大学との共同研究による「AIスタイリストアシスタント」機能を導入し初回コーディネート満足度向上を実現

株式会社エアークローゼット(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:天沼 聰)が運営する月額制ファッションレンタルサービス『airCloset(エアークローゼット)』が、「AIスタイリストアシスタント」機能の導入を発表しました。この新機能は、同社のデータサイエンスチームと明治大学の高木友博教授率いる研究室との共同研究成果を実用化したもので、顧客とのコーディネート方針の対話を自動化・高度化することに成功しているとのことです。

AIスタイリストアシスタントのイメージ画像

コーディネート方針決定プロセスの自動化で業務効率と初回満足度向上を実現

『airCloset』では、顧客の登録情報やファッションの好みに基づいて、プロのスタイリストが一人ひとりに合わせたコーディネートを提供しています。サービス利用開始時には、顧客から体型・好み・ライフスタイルなどの情報を収集し、それをもとにスタイリストがコーディネート方針を立案。その後、確認メッセージを送付することで、サービス開始前に方向性の調整を行っているとのことです。

しかし、これまではこのプロセスをすべて人の手で行っていたため、業務効率の観点から確認のやり取りは1往復に限定されており、十分な情報共有が難しいケースもあったようです。特にファッションに関する対話では抽象的な表現が多く、スタイリストの解釈の違いや登録情報の曖昧さにより、顧客との間でコーディネート方針を適切に一致させることが困難な場合があったといいます。

これらの課題を解決するため、エアークローゼットは初回のコーディネート方針を決定するまでの対話プロセスを高精度に自動化する「AIスタイリストアシスタント」を導入しました。顧客との対話をAIが担うことで、スタイリストの業務工数を大幅に削減しつつ、情報収集の即時化と高度化を実現。これにより、初回コーディネートの満足度向上に貢献するだけでなく、多数の新規会員登録があった場合でも、待ち時間なく方針の調整を行うことが可能になっているとのことです。

この取り組みは、DXを通じた新しい価値創造に取り組む企業・団体を表彰する国内最大規模のアワード「日本DX大賞2024」において、CX(顧客体験)部門で「優秀賞」を受賞しています。「ファッション業界におけるDX推進と、人間中心のアプローチを維持している点」が高く評価され、忙しい女性向けの実用的なサービスとして注目を集めているようです。

一方で、顧客のニーズやライフスタイルに合わせて適切なコーディネートを提案するには高い専門性が求められるため、現時点ではAIだけでその領域に踏み込むことは難しいと同社は考えているとのことです。そのため、今回実装された機能は、スタイリストがコーディネートを組む前の顧客との初期コミュニケーション部分のみを自動化したものであり、実際のスタイリングについては、従来通りプロのスタイリストが一人ひとりに合わせて個別に対応しているとのことです。

明治大学・高木友博名誉教授コメント

今回開発したシステムは、顧客のニーズに合わせてスタイルを提案するプロセスの一部であり、基本的な役割は推薦(レコメンド)に近いものですが、部分的なデザインや素材のちょっとした好みの違いへの反応までをカバーする必要があり、従来提案されている推薦のアルゴリズムでは、まるで歯がたたない高度な処理を、最新のAIの総力を導入して実現しています。また、顧客との合意形成には、大規模言語モデルを使用していますが、その知識に依存するだけでは、エアークローゼット内部の知識利用や細かな規定のクリアができません。本システムは、最新の構造により、対話能力と規定のクリアなどの両者を実現する非常に高度な構造になっています。

通常、大学では先端研究に終始します。一方、実利用においては利用時のあらゆる状況への対応を要求され、研究のスコープだけでは役に立つことができません。その隔たりは非常に大きいものですが、本プロジェクトは、その両方を実現した、産学連携では稀な例となります。我々研究チームとエアークローゼットのデータサイエンスチームとが、先端技術と実利用の両方の課題を、境界なく一丸となって解決した結果といって良いでしょう。

高木友博名誉教授 プロフィール

明治大学 名誉教授(元理工学部教授) 

高木 友博(たかぎ ともひろ)

計算型知能の一種であるファジィ理論の世界でも屈指の権威であると同時にマーケティング理論に精通。高精度推薦エンジン、高精度ターゲティング、マーケティング全体の高度デジタル化に関する先端的研究・開発・商品化を行いつつ、産業界での技術戦略、事業戦略、新規事業企画・開発、実プロダクト開発にも携わっています。これまで、国内大手企業や米国石油資本などと、様々な共同研究・委託研究を行っており、競争型国際ワークショップにおいてもトップレベルの成績を収めています。カリフォルニア大学バークレー校コンピュータサイエンス学科客員研究員、松下電器産業、日本学術振興会プログラムオフィサーなどを経て現任。工学博士。

AIやデータを積極活用した産学共同研究の社会実装により事業成長を加速

エアークローゼットは創業当初より、「発想とITで人々の日常に新しいワクワクを創造する」をミッションに掲げ、ITを徹底活用したファッションテック企業として、AIやデータの活用に積極的に取り組んできたとのことです。社長直下には、AI活用とデータ解析を専門とする「データサイエンスチーム」を設置し、お洋服・コーディネート・物流・メンテナンスといった各事業プロセスから得られる膨大なデータを解析し、日々の研究開発に活かしているそうです。

また、先端的なAI技術の社会実装を進めるには産学連携が不可欠だと考え、2017年より明治大学・高木研究室との共同研究を実施してきました。これまでに、ファッション領域の「スタイリングサポートAI」や「パーソナルレコメンドAI」、物流領域の「返却予測AI」など、幅広い分野でAIの導入と実用化を進めてきたとのことです。

急速に進化を続けるAI技術は、今後ますますファッション・アパレル業界において多面的な活用が進むと考えられます。エアークローゼットでは、これまでのAI・データ活用の取り組みや研究事例を紹介する特設ページ「airCloset Data Science Collection」を公開し、業界全体のDX推進にも貢献すべく情報発信を行っているとのことです。今後も、顧客の体験を最優先に据えながら、AIとデータを活用したサービスのさらなる進化を追求していく方針です。

airCloset Data Science Collection

株式会社エアークローゼットについて

株式会社エアークローゼット

日本初・国内最大級、女性向けの普段着に特化した月額制ファッションレンタルサービス『airCloset(エアークローゼット)』の運営会社です。スタイリストがお客様に似合うお洋服を選ぶ「パーソナルスタイリング」を通して、全国の女性へ新しいファッションと出会える体験を提供しています。また、独自に構築した循環型プラットフォームを活かし、商品を試してから購入できるメーカー公認月額制レンタルモール『airCloset Mall(エアクロモール)』等、複数のサービスを運営しています。

エアークローゼットは、モノを循環させるシェアリングを軸に、"サステナブルでワクワクする良いモノとの出会い"をお届けします。

出典元:株式会社エアークローゼット プレスリリース

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