【調査結果】TikTok Shop認知度は約4割、利用意向は2割未満 - ノウンズ株式会社が999名調査で明らかに

ノウンズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:田中啓志朗)が、同社が提供するサブスク型リサーチSaaS「Knowns 消費者リサーチ」を通じて、全国の一般生活者999名を対象とした「TikTok Shopに関する意識調査」を実施したことが発表されました。この調査は2025年7月1日〜7月2日の期間に行われ、2025年6月30日に日本で正式にサービスを開始したTikTok Shopについての認知度や利用意向などを明らかにしています。

TikTok Shopは、動画視聴と購買がシームレスに接続された新しいEC体験を提供するサービスで、従来の「探して買う」行動とは異なる消費の形として注目を集めています。しかし、サービス開始から間もないため、ユーザーの認知や利用状況は不明な点が多い状況でした。

ノウンズ株式会社は、このサービスローンチ直後のタイミングで生活者の声を集め、現時点での普及状況や今後の可能性を調査しました。

TikTok Shopの認知度と利用意向

「知ってるけどまだ使わない」が多数派

Q:TikTok Shopというサービスをご存知ですか?

Q:TikTok Shopとはアプリ内で動画やライブ配信を見ながら、そのまま商品を購入できる新しいショッピング機能です。TikTok Shopのような「SNSアプリ内で買い物が完結する機能」について、今後利用してみたい思いますか?

とても使ってみたい:6.2% 少し興味がある:10.8% あまり利用したいと思わない:47% 全く利用したいと思わない:35.9%

調査によると、TikTok Shopという新機能について、サービス自体を「知っている」あるいは「名前だけ聞いたことがある」と回答した人が約4割程度という結果になったことがわかりました。6月末のリリースから間もないタイミングを考えると自然な結果ではありますが、まだ社会全体への浸透は限定的であることが明らかになっています。

一方、サービス内容を説明した上での利用意向を尋ねると、「あまり利用したいと思わない」「全く利用したいと思わない」と答えた人が全体の約8割に達するという消極的な傾向が見られました。

この認知度と利用意向のギャップからは、単に「知らないから使わない」のではなく、「知ってもまだ使う気にならない」という心理状態が見えてきます。現状では、生活者は新しい購買機能に対して期待よりも慎重な姿勢を示しており、今後の利用拡大に向けては、信頼感の醸成や実体験の共有など、納得感を高める施策が必要だと考えられます。

SNSで購入するアイテムは"日常使い"がカギ

Q:TikTok ShopのようにSNSアプリ内で買い物が完結する機能で、購入してみたい商品やサービスはどれですか?(複数選択可)

TikTok ShopのようなSNS内ショッピング機能で購入してみたいと思われている商品カテゴリは、「食品・飲料」「ファッション」「美容・スキンケア」が上位を占めています。これらはいずれも生活に密着したカテゴリであり、視覚的に訴求しやすく、日常的な関心が高いジャンルがSNSショッピングとの相性の良さを示していることがわかります。

買いたくなるのは「リアル」と「信頼」 動画も人選も"本音"が決め手に

Q:TikTok、Instagram、Youtubeなどの動画プラットフォームで見たことをきっかけに商品・サービスを「買いたくなる」と感じる投稿の特徴をすべて選んでください。(複数選択可)

※本グラフは「あてはまるものはない」(n=8名)を除いた分析結果です。

Q:どんなインフルエンサーやクリエイターであれば、動画視聴後の購入意欲が高まりますか?(複数選択可)

※本グラフは「あてはまるものはない」(n=294名)を除いた分析結果です。

SNS動画が購買行動に与える影響を調査した結果、「短時間で要点がまとまっていて内容がすっと入る」や「実際に使ってレビューしていることが伝わる」といった"情報のリアルさと即効性"が高く評価されていることが明らかになりました。これは、見た目の良さだけでなく、実際の使用感をしっかり伝える構成やテンポが、生活者にとって信頼と納得の材料になっていることを示しています。

また、購買意欲を高めるインフルエンサー像としては、「フォローしていて日頃から信頼している人」、「専門性の高い人」「実際に使ってレビューする人」が上位に挙がり、等身大の存在や生活に近い存在への信頼感が、購買行動における最重要因子となっていることがわかりました。

一方で、「有名人」「フォロワーが多い人」といった表面的な影響力には相対的に関心が集まりにくい傾向があり、SNSでの購買促進においては、誰が発信しているかよりも、どれだけ本音で語られているか、自分と重ねられるかが決定的な要素になっていると見られます。

欲しくても"確信"がないと買えない

Q:動画視聴中に購入を見送った理由があれば、当てはまるものをすべて選んでください(複数選択可)

※本グラフは「あてはまるものはない」(n=361名)を除いた分析結果です。

SNS動画視聴後に購買を見送った理由としては、「案件感が強く信頼できない」「価格が高い」「動画は良かったが自分には不要だった」といった項目が上位を占めました。これらの結果から、TikTok ShopのようなSNS内ショッピングにおいて、ユーザーは「衝動的に欲しい」と感じても、それが自分にとって本当に必要かどうか一度立ち止まって考える傾向があることがわかります。

また、動画の影響力は高い一方で、購入までの心理的ハードルを越えるためには、「共感」や「納得感」だけでなく、信頼性やリアルな接触に近い安心材料が求められていることが明らかになりました。

調査結果のまとめと考察

本調査では、TikTok Shopに対する生活者の反応として、認知や利用意向の水準が現時点では限定的であることが明らかになりました。特に「知っているが使いたいとは思わない」という回答が多く見られ、サービス開始直後という時期的背景に加え、新たな購買スタイルに対する慎重な姿勢が読み取れます。

また、購買意欲を高める要因としては、短時間で要点が伝わる構成や、実際に使用したレビューのような"リアルさ"が支持されている一方で、購入を見送った理由として「案件感が強い」「価格が高い」「必要性を感じない」といった回答が目立ちました。こうした傾向からは、生活者が情報の信頼性や自身との適合性を重視し、単に「なんとなく欲しい」だけでは購入に至りにくい心理状態がうかがえます。

今後、TikTok Shopが生活者の日常に自然と浸透していくためには、こうした"確信のなさ"や"不安の余白"にどう対応していくかがひとつの鍵となるでしょう。動画コンテンツと購買の距離をどう縮めるか、その接点設計の工夫が今後の利用意向の向上に貢献していく可能性があります。

調査概要

調査名 「TikTok Shop」に関する意識調査
調査期間 2025年7月1日〜7月2日
実施主体 ノウンズ株式会社
調査対象 全国の一般生活者
調査対象者数 999名
調査方法 Knowns 消費者リサーチを通じたインターネット調査

ノウンズ株式会社について

ノウンズ株式会社は、消費者の意識データを捉えるポイ活型モバイルアンケートアプリ「Knowns App」と、企業向けにそのデータを活用したサブスク型のリサーチSaaS「Knowns 消費者リサーチ」を展開しています。

「Knowns 消費者リサーチ」は、回収率の高いモバイルアンケートデータをもとに、定量・定性を横断したインサイト抽出を可能にする新しい調査プラットフォームです。マーケティング担当者が"使い倒せる"形で、リサーチの設計から結果分析までを一貫して支援し、日々の意思決定の精度とスピードの両立を実現します。

会社名:ノウンズ株式会社

所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目7-1 渋谷グローリアビル5F

設立:2019年12月

代表者:代表取締役 田中啓志朗

事業内容:消費者データ分析サービス「Knowns 消費者リサーチ」の開発/販売および消費者から意識データを聴取するスマホアプリ「Knowns App」の運営。

出典元: ノウンズ株式会社 プレスリリース

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ