インテージ調査:夏休み予算2年連続減少、猛暑と物価高の影響で屋外活動控えめに

株式会社インテージが、全国の15歳から79歳の男女5,000人を対象とした「夏休み」に関する調査結果を公開しました。この調査では、猛暑や物価高・円安が夏休みの過ごし方に与える影響が明らかになっています。

【調査結果ポイント】

・夏休み予算は平均57,284円。2023年の60,146円をピークに2年連続の減少。「物価高・円安影響」が7割

・予定は猛暑影響で「キャンプ/バーベキュー」「公園」「テーマパーク」などの屋外アクティビティの減少が顕著
・猛暑でなかった場合の理想と現実は「テーマパーク」(3.5倍)「遊園地」(3.2倍)「大阪・関西万博」(2.4倍)でギャップ

・海外旅行の予算は平均401,707円で4万円超減少(前年比90.7%)。「韓国」への渡航増加が予算を押し下げ

・海外旅行意向者の半数は1ドル「100円未満」「110円未満」を希望。最近の為替相場との開き大きく

夏休み予算が2年連続減少、物価高・円安の影響大

株式会社インテージの調査によると、今年の夏休み期間(7月19日~9月30日)における予算総額は平均57,284円となり、2023年の平均60,146円をピークに2年連続の減少となっています。また、近年続いている物価高や円安について、夏休みの予定に「影響する(「かなり影響する」または「やや影響する」)」と回答した人は全体の70.1%に達しているとのことです。

猛暑の影響で屋外アクティビティが減少

調査では夏休みの過ごし方についても尋ねられており、最も多かった回答は「自宅で過ごす」(37.5%)だったことが分かりました。次いで「国内旅行(宿泊あり)」(18.3%)、「ショッピングや食事など」(17.2%)が続いています。特徴的なのは、昨年と比較して「キャンプ/バーベキュー」「公園」「テーマパーク」など屋外アクティビティでの減少が顕著に見られる点です。これは猛暑のために暑い場所での活動を控えるという防衛意識の高まりを示しています。今年のゴールデンウィークに続き、夏休みの行動も控えめになる見込みとなっています。

「猛暑でなかったら」の理想と現実に大きなギャップ

また、「今年の夏休みがもし猛暑でなかったら」という仮定で希望する過ごし方(理想)についても調査されており、実際の予定との間に大きなギャップがあることが判明しました。最もギャップが大きかったのは「テーマパーク」で、実際に予定している人の3.5倍が希望していたとのことです。続いて「遊園地」が3.2倍、「大阪・関西万博」が2.4倍と、屋外で長時間過ごすことになる場所で特にギャップが大きくなっています。これらの結果から、行きたい気持ちはあるものの猛暑のために断念せざるを得ない現実が浮き彫りになっています。

海外旅行予算も2年連続減少、韓国旅行の増加が影響

今年の夏休みにおける海外旅行の予算についても調査が行われました。その結果、海外旅行の平均予算は401,707円で、2023年の513,987円から2年連続で減少していることが報告されています。前年と比較すると約4万円(前年比90.7%)の減少となり、一昨年と比べると2割以上も減少しているとのことです。

円安が進行しているにもかかわらず海外旅行予算が減少している背景として、渡航先の変化があるようです。調査によると、渡航先として「韓国」が23.7%でトップとなり、昨年と比べて大きく人気が高まっています。比較的予算が低めで済む「韓国」への旅行が増えたことが、全体の海外旅行予算を押し下げる要因となっているようです。

為替相場に対する希望と現実にも大きな開き

近年、ドル円相場は一時160円台に達し、最近でも145円前後で推移していますが、生活者が海外旅行に行きたいと思える為替レートはどの程度なのでしょうか。調査によると、海外旅行に行きたいと思う為替相場として最も多かったのは「100円~110円未満」だったとのことです。海外旅行意向者の約半数が「100円未満」または「110円未満」を希望しており、現在の為替相場との間に40円以上の開きがあることが明らかになりました。「140円台以上」でも行きたいと回答した人は、海外旅行意向者のうちわずか1割程度に留まっています。このことから、現在の為替相場が海外旅行の大きな障壁となっている可能性が示唆されています。

「猛暑」と「物価高・円安」が夏休みの過ごし方に大きく影響

これらの調査結果から、今年の夏休みに関するキーワードとして「猛暑」と「物価高・円安」が浮かび上がってきます。

近年続いている「猛暑」の影響で、屋外で長時間過ごす活動は昨年に比べて減少しており、理想と現実のギャップも拡大していることが分かります。今年はさらに猛暑に対する防衛意識が高まっていることが伺えます。この傾向は、インテージが2025年5月に実施した「猛暑に関する調査」で猛暑対策費用が前年比で2桁近く増加したという結果からも裏付けられているようです。

一方、「物価高・円安」については、全体の7割が夏休みの予定に「影響あり」と回答しており、猛暑の影響と相まって全体的に活動が控えめになる傾向が見られます。

また、海外旅行に関しては、昨年から人気だった「韓国」への旅行がさらに増加しており、比較的安価に楽しめる旅行先へのシフトが明確になっています。

これらの結果から、今年の夏休みは「猛暑」と「物価高・円安」の二重の影響を受け、あまりお金をかけずに行動も控えめになる見込みであることが報告されています。

調査概要

【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】

調査地域:日本全国
対象者条件:15~79歳の男女
標本抽出方法:インテージの「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=5,000 ※国勢調査にもとづき性別・年代・地域を母集団構成に合わせて回収
調査実施時期:2025年6月19日(木)~6月23日(月)

株式会社インテージについて

株式会社インテージは1960年に創業し、アジアNo.1のマーケティングリサーチ/インサイト事業に加え、マーケティングソリューション事業を展開しています。9か国に海外拠点を持ち、国内外の企業・団体のマーケティング活動を総合的に支援しています。事業ビジョンとして"Create Consumer-centric Values"を掲げ、深い生活者理解とデータ活用の高度化による顧客企業支援を通じ、生活者の幸せの実現を目指しているとのことです。

※「ESOMAR's Global Top-50 Insights Companies 2024」に基づく(グループ連結売上高ベース)

出典元:株式会社インテージ プレスリリース

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