
2025年6月26日に開催された『D2Cの会』フォーラム2025は、D2C事業者・支援企業あわせて340名以上が参加した、実践型のオフラインイベントです。スピーカーの多くがD2C企業の大物経営者で、セッションは売上を劇的にアップするノウハウばかり。また懇親会もあり、登壇者を含む参加者同士の交流が最大化されるよう設計されています。
本記事ではイベントの主催者である、売れるネット広告社グループ株式会社の代表取締役社長CEOを務める加藤公一レオさん(以下、レオ社長)のオープニングセッションをご紹介します。
この記事の目次
A/Bテストよりも成果のインパクトが圧倒的に大きいオファー
売れるネット広告社グループ株式会社は、これまで数百億円以上の広告費をかけて2,600回以上のA/Bテストを実施し、D2C企業の新規顧客獲得を支援してきました。
レオ社長は、A/Bテストによる改善効果が通常1.1倍〜1.5倍程度である一方で、オファー設計そのものを見直すことで、数倍から10倍以上の成果が得られることがあるとし、「成果へのインパクトはオファー設計のほうが圧倒的に大きい」と語ります。そして、獲得件数を最大化する「4つの最強オファー」について、解説されました。
※本記事では、「4つの最強オファー」の概要のみを紹介しております。バナー・LP・フォーム・申込確認画面・申込完了画面など、オファー設計について当日お話しされていますが、参加者限定の内容となっているため、ここでは割愛させていただきます。
獲得件数を最大化する「4つの最強オファー」とは?
①最強のオファーは「無料モニター」
レオ社長は、「広告で一番強い言葉は“無料”だ」と語り、「無料モニターこそが最強のオファーである」と断言しました。実際、無料モニターを用いた施策では、クリック率が3倍以上、コンバージョン率も3倍以上になり、結果的に効果が10倍以上になるケースもあるといいます。
そのうえで、「“誰にでも無料で提供する”のではなく、“選ばれし者”にだけ提供することで希少性が高まる」と語り、モニターを通じた本気のファン作りが重要だと強調しました。
②「500円モニター」は“なんちゃって無料”で
「無料モニターには抵抗がある」という企業向けには、「500円モニター」という手法も有効であると紹介されました。送料の500円のみをユーザーに負担してもらうモデルで、ランディングページでは「無料モニター」と記載します。
この方法でもクリック率は約1.5倍、コンバージョン率は2.63倍に向上したといいます。レオ社長は「実質無料でありながら、心理的ハードルを下げつつ、企業側の費用負担も抑えられる」と解説しました。
③初回を少量に抑える「1.5ステップマーケティング」
続いて紹介されたのが「1.5ステップマーケティング」という手法です。これは、ワンステップとツーステップの中間の考え方で、初回は7日分などの少量商品を提供し、2回目以降に30日分を届けるという構成です。
「初回から30日分を提供すると、使いきれず継続しないケースが多い」とし、あえて少量にすることで継続率を上げる狙いがあると説明しました。
「モノが余るとモチベーションが下がる」という心理的背景も加味し、「顧客が“ちゃんと使いきれた”という達成感を得られるサイズで設計することが大切」だと述べました。
④心理的に訴求する「ニコイチ」戦略
4つ目のオファーは「ニコイチ」、つまり「1個の価格で2個届ける」というアメリカで主流の手法です。日本では「初回半額」が一般的ですが、レオ社長は「同じ50%オフでも、『2個届く』という表現のほうが圧倒的に強い」と説明しました。
「“損したくない”という人間の心理に訴える意味で、1個買って1個おまけという見せ方はとても強い。しかも、広告では2個届く分インパクトも大きい」と語りました。他社と差別化でき、目新しいオファーというのもポイントです。
実際、「ニコイチ」オファーに切り替えることで、クリック率が13.34倍、コンバージョン数が最大11.71倍、コンバージョン率が最低でも2倍以上になったという事例も紹介されました。
TikTok Shopの可能性
セッションの最後では、新たな獲得チャネルとして「TikTok Shop」にも言及がありました。SNSとECが融合したプラットフォームとして注目されており、レオ社長は「これは20年ぶりの革命」と表現しました。
2025年6月末に国内ローンチ予定のTikTok Shopは、以下の4機能を備えています。
- ライブショッピング
- ショッパブルビデオ(買い物カート付き動画)
- ショップページ
- ショップタブ
※本記事は、TikTok Shopの国内ローンチ前に実施されたイベント内容をもとに執筆されたものです。その後、2025年6月30日に日本での提供が開始されています。
TikTok Shopは海外ではすでに大きな成果を上げており、「ライブショッピングのイメージが強い」という印象があるものの、実際には活用される機能は国によって異なります。ある地域ではショップページ、また別の地域ではショップタブが中心になるなど、展開スタイルに幅があります。
日本市場ではどの機能が主流になるかはまだ明らかではありませんが、レオ社長は「今のうちに参入し、フォロワーを獲得しておくことが重要」と語り、売れるネット広告社グループ株式会社としても積極的に取り組んでいると述べました。
さいごに:行動しないと意味がない
レオ社長は講演の最後で、「このイベントで得た知識は、実践してこそ意味がある。交流を通じて、A/Bテストを死ぬほどやってきた人=答えを持っている人に、聞け・雇え・外注するように」と参加者に呼びかけました。
また、本イベントの参加者限定で、完全無料で個別の勉強会を開催していることも案内し、「得たノウハウを実践すれば、必ず成果が出る」と力強く語りました。
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