Tangerine株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:平井清人)は、株式会社ユナイテッドアローズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:松崎 善則)が提供する「ユナイテッドアローズ オンライン」公式アプリに、同社のオフラインデータプラットフォーム「Store360」を導入したことが発表されました。この導入により、アプリの「店内モード」機能における来店検知の精度向上と利用者数の最大化が実現されているとのことです。
この記事の目次
導入の背景
「ユナイテッドアローズ オンライン」公式アプリは、一人ひとりのお客様に寄り添う"おもてなしアプリ"をコンセプトとして、買い物体験価値を高めるサービスを提供しています。2025年1月28日には、店内でのお買い物をより便利にする「店内モード」機能がリリースされました。
この「店内モード」機能において、Tangerine株式会社のStore360を活用することで、来店をリアルタイムに検知し、スムーズに店内モードを起動することが可能となっています。これにより、来店したお客様の負担を最小限に抑えながら、お買い物体験価値の向上につなげることができるようになっているとのことです。
OMO戦略の重要性
Store360のような技術の導入は、OMO(Online Merges with Offline)戦略の実現に大きく貢献します。オンラインとオフラインの境界が曖昧になる中、顧客データを統合して一貫した体験を提供することがブランド価値向上の鍵となっています。
ユナイテッドアローズのような高感度なファッションブランドにとって、顧客一人ひとりに寄り添った体験を提供することは非常に重要です。Store360の導入により、アプリユーザーが店舗に来店した際の体験をよりシームレスにすることで、ブランドロイヤルティの向上にもつながることが期待されます。
アパレル業界におけるデジタル化の推進
今回のユナイテッドアローズへのStore360導入は、アパレル業界におけるデジタルトランスフォーメーション推進の一例と言えるでしょう。コロナ禍以降、実店舗とEコマースの融合がさらに重要視される中、こうした先進的な技術の導入によって、顧客体験の向上と業務効率化の両立が図られています。
特に「おもてなしアプリ」というコンセプトに基づく「ユナイテッドアローズ オンライン」公式アプリは、単なるEコマースの拡張ではなく、店舗体験そのものを豊かにするツールとして位置づけられており、今回のStore360導入はその取り組みをさらに強化するものとなっています。
Store360を利用した店内モード機能の特徴
Tangerine株式会社のStore360導入により、「来店検知の精度向上」と「利用者数の最大化」という2つの面から店内モード機能をサポートしています。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
1. 来店検知の精度向上
Store360による来店検知機能を利用することで、お客様が実際に店舗内に入ったことを高精度で検知することが可能になったとされています。従来の位置情報だけでは実現できなかった正確な来店判定を実現し、お客様にストレスなくサービスを提供できる環境が整いました。
これにより、お客様が店舗に入った瞬間に適切なタイミングで店内モードが起動し、スムーズなお買い物体験を提供することができるようになっています。
2. 独自規格ビーコンを活用した利用者数の最大化
Tangerine株式会社のビーコンは、一般的なiBeacon規格に加え、同社が特許取得済みの独自規格「flxBeacon(フレックスビーコン)」を利用できるハイブリッド構成となっています。このflxBeacon規格は、Store360とセットで利用することで優位性を発揮し、従来のビーコンでは必須だった「位置情報の許諾」条件を不要とし、Bluetooth許諾のみで受信可能となっているそうです。
これにより、店内モードの利用における課題だった位置情報許諾の問題を解消し、ユーザーにとって利用しやすい環境を提供することに成功しました。具体的には、一般的なビーコンサービスと比較して最大約16倍(同社比較)の検知性能を実現しているとのことです。
従来のiBeacon規格のみの製品(他社の一般的なビーコンサービス)では、来店アプリ顧客の5-30%程度しか検知できなかったのに対し、Tangerine株式会社のサービスでは最大80%(同社比較)の顧客にリーチすることが可能になっているそうです。この大幅な性能向上により、より多くのお客様に店内モード機能を活用してもらえる環境が整備されました。
Tangerine株式会社について
Tangerine株式会社は「場所」に付加価値を提供する企業です。その場所を訪れたユーザーの体験を豊かにするだけでなく、リアルな行動データを可視化することで、クライアント企業のビジネス成長に貢献しています。
同社は、店舗や商業施設などの実店舗における顧客体験の向上と、オフラインデータの活用を通じたマーケティング支援に強みを持っています。今回ユナイテッドアローズに導入されたStore360も、そうした「場所」の価値を高めるソリューションの一つとして位置づけられています。
Store360について詳しく
Store360は、Tangerine株式会社がエンタープライズ企業向けに開発した店頭施策支援のためのオフラインデータプラットフォームです。SDKとクラウドを融合した高負荷分散処理技術を用いることで、ビーコン検知時に発生する膨大な来店イベントを高速・リアルタイムで処理し、遅延なく対応することが可能となっています。
これにより、「場所」を活かしたリアルタイム配信が実現可能になり、顧客が店舗に入った瞬間に最適なコンテンツやサービスを提供することができます。
また、Store360の特長は来店データの活用にもあります。検知した来店データはオフラインの貴重な行動データとして蓄積され、様々なマーケティング分析に活用することが可能です。例えば、来店したにもかかわらず購入に至らなかったお客様や、来店後にオンラインストアで購入したお客様など、来店を起点としたカスタマージャーニーを詳細に分析できます。
これらのデータを活用することで、OMO(Online Merges with Offline)施策をより精緻に推進することが可能になり、オンラインとオフラインの顧客体験を統合した効果的なマーケティング戦略の実行をサポートします。
flxBeacon(フレックスビーコン)の特許技術
Tangerine株式会社が特許を取得しているflxBeacon技術に関する特許情報は以下の通りです。
発明の名称:送信装置、情報処理システム、送信方法
特許番号:特許第7336811号
特許権者:Tangerine株式会社
この特許技術により、従来のビーコン技術の制約を超えた高精度な位置検知が可能となり、ユーザーの許諾条件を緩和しながらも高いパフォーマンスを実現しています。
今後の展望
今回のStore360導入を皮切りに、今後もTangerine株式会社はリアル店舗におけるデジタル活用をさらに推進していくことが予想されます。特に、蓄積された来店データと購買データを組み合わせた分析によって、より精緻なマーケティング施策の実施や、顧客体験の最適化が可能になるでしょう。
また、ユナイテッドアローズにとっても、こうした先進的な技術導入は、デジタル時代における実店舗の価値を再定義する重要な一歩となります。「おもてなしアプリ」というコンセプトをさらに進化させ、オンラインとオフラインを融合した新しい買い物体験の創出が期待されます。
出典元:Tangerine株式会社 プレスリリース