
SNSマーケティング支援サービスを提供する株式会社ホットリンク(本社:東京都千代田区、証券コード:3680、代表取締役:檜野安弘)が、Meltwater Japan株式会社(所在地:東京都渋谷区、執行役員社長:赤田将之)のソーシャルメディア分析ツールを活用し、X(旧Twitter)上の「父の日」に関する投稿について詳細な調査を実施しました。
この調査では、リポストや返信を含めた全ての投稿を「言及数」、リポストや返信を除いたオーガニック投稿を「UGC数」として定義しています。Meltwater社のツールを活用することにより、引用元にキーワードを含む投稿も「言及数」として収集可能になったとのことです。
この記事の目次
「父の日」を含む投稿数の比較
株式会社ホットリンクは2025年と2024年の父の日における「父の日」を含む言及数・UGC数を調査しています。その結果、「父の日」を含む父の日当日の言及数は約59万件で、2024年よりも約10.8%減少していることが明らかになりました。また、当日のUGC数は約7.9万件となり、2024年と比較して10.4%減少しています。
一方、直近1ヵ月の期間では、言及数は昨年よりも約25.6%減少している一方で、UGC数は約6.1%増加しているという興味深い結果が出ています。これは、企業アカウントなどからの投稿が減少した一方で、一般ユーザーからの自発的な投稿は増加傾向にあることを示唆しています。
「父の日」を含むUGC数の推移
調査では、2025年の「父の日」を含むUGC数の推移も分析されています。
■2025年1月1日~5月31日における「父の日」を含むUGC数の推移

(対象メディア:X 抽出キーワード:父の日 抽出期間:2025年1月1日~5月31日)
上記の分析結果から、「父の日」を含むUGC数は5月11日(母の日)に最初の大きな山を迎えていることが判明しました。このタイミングで、父の日に関連する話題が一時的に増加している様子が見られます。その後は一旦投稿数が落ち着くものの、5月下旬から再び徐々に増加傾向を示しています。
この結果から、消費者は母の日をきっかけとして父の日を意識し始め、6月に向けて関心が高まっていく行動パターンが見て取れます。このタイミングを捉えて「次は父の日ですよ」といった形で自然な訴求を行うことで、ユーザーの記憶に残りやすく、投稿や購買行動につながりやすくなる可能性があると考えられます。
2025年6月1~15日における「父の日」を含むUGC数の推移

(対象メディア:X 抽出キーワード:父の日 抽出期間:2025年6月1~15日)
上記のグラフから、6月10日以降は毎日5,000件以上のUGCが投稿されていることが分かります。特に父の日の前日にあたる6月14日には18,929件、父の日当日の6月15日には78,814件と、急激な増加を示しています。これらのデータから、父の日直前の数日間で関心が一気に高まり、当日にピークを迎えるという消費者行動の特徴が読み取れます。
「母の日」を含む投稿数との比較
調査では、「父の日」を含む言及数・UGC数と「母の日」を含む言及数・UGC数の比較も行われています。

母の日については、当日だけでなく直近1ヵ月の期間全体にわたって高い言及数・UGC数を記録しており、早い段階からSNS上で話題になりやすい傾向が確認されています。これは、贈り物の準備やキャンペーンなどの販促活動が、当日を迎える前から活発に行われていることを示しています。
一方、父の日は当日の言及数が母の日と比較すると少ないものの、直近1ヵ月間での言及数は一定の規模を維持していました。特に注目すべき点として、5月11日(母の日)に最初の大きな投稿ピークが見られ、その後一旦落ち着きつつも、5月下旬から徐々に増加していく傾向が確認されています。このことから、母の日をきっかけに父の日への関心が芽生え、6月に向けて盛り上がりが加速していくという構造が明らかになりました。
本調査を担当したホットリンクのアナリスト・辻元気氏のコメント
調査結果について、ホットリンクのアナリストである辻元気氏は次のように分析しています:
「調査結果を見ると、SNS上では母の日の方が父の日よりも大きく話題化していることが明らかになりました。この背景には、企業によるキャンペーン施策の量や、各企業の注力度合いの違いがあると考えられます。実際、母の日は当日を中心に多数のキャンペーンが展開されており、それが投稿量の多さにもつながっています。SNS上の盛り上がりは、企業の仕掛けによって生まれている側面が大きいと言えるでしょう。」
「一方で、父の日が注目されていないわけではありません。投稿数は母の日ほどではないものの、十分に注目されるモーメントであることは確かです。むしろ競合が少ない今だからこそ、父の日に向けたコミュニケーションの中で『父の日といえばこのブランドのこれ』という第一想起を獲得することができれば、他の企業との差別化につながる可能性があります。」
「特定のギフトや商材にとって、父の日は十分にチャンスがあるタイミングです。企業側が目的に応じて訴求内容や打ち出し方を戦略的に設計すれば、話題の主導権を握ることも十分に可能だと考えられます。」

辻 元気
株式会社ホットリンク コンサルティング営業本部 コンサルティング推進部
データアナリスト。2018年に入社し、ソーシャルリスニングツールのセールス・カスタマーサクセスに従事。現在はSNSの分析を強みに、大手企業アカウントのコンサルティングを複数社経験。ホットリンク社内の分析スキル向上も推進。分析のなかでも、エンタメ業界のトレンド分析が得意。
本件調査の狙い
株式会社ホットリンクは、知識循環型社会のインフラを担い、人と情報を結びつけて"HOTTO(ほっと)"できる世界の実現に取り組んでいます。同社の強みは、ビッグデータの分析と活用にあります。その手法の一つとして、ソーシャルネットワークサービス(SNS)上の情報をリアルタイムに収集・蓄積・解析し、生活者の本音の声を把握することを実践しています。生活者の本音を循環させることで情報社会をより円滑にすることができるという考えのもと、調査活動を行っています。
今後も、季節イベントを始めとする様々な分野でSNS上のクチコミ量を調査し、有益な情報を発信していく予定とのことです。
出典元: 株式会社ホットリンク プレスリリース