インバウンドマーケティングの重要性が高まる中、企業はこの手法に力を入れています。ウェブサイト、映像コンテンツ、SNS、電子メールによるマーケティングなど、インバウンド戦略は多様化し、採用も一般的になっています。

株式会社PRIZMAは、商談数が四半期以上にわたり増加傾向にある企業を対象に、3年以上にわたってインバウンド施策に従事しているマーケティング担当者510名に対し、「商談数が伸びている企業におけるインバウンドマーケティングの実態調査」を実施しました。

この調査では、成功したインバウンドマーケティング施策の実態や、実際に企業が使用しているCRMツールに関する情報も取り上げています。調査結果を基に、自社のマーケティング戦略への参考としていただければと考えています。


調査設問内容一覧

Q1. 過去に試したインバウンド経路は何ですか?(複数回答可)

Q2. 現在取り組んでいるインバウンド経路は何ですか?(複数回答可)

Q3. 現在実施しているインバウンド施策の状況についてご説明ください。

Q4. 成功している施策の理由をお聞かせください(任意回答)。

Q5. うまく機能していない施策は何ですか?その理由をお聞かせください(任意回答)。

Q6. 現在導入中のCRMツールは何ですか?

Q7. 導入しているCRMツールの満足度はどうですか?

Q8. 満足している理由をお聞かせください(複数回答可)。

Q9. 満足していない理由をお聞かせください(複数回答可)。

※数字は四捨五入されているため、合計が100%にならない場合があります。

以下に、調査結果の一部を示します。

過去と現在のインバウンド施策の比較分析

「Q1. 過去に実施したインバウンド経路は?」という質問に対し、最も多かったのは『自社ウェブサイトのブログ運営(45.7%)』であり、次いで『SNSマーケティング(43.7%)』『SEO最適化(43.1%)』が続きました。

「Q2. 現在実施中のインバウンド経路は?」の質問では、最も高かったのは『SNSマーケティング(47.3%)』で、次いで『自社ウェブサイトのブログ運営(39.0%)』『SEO最適化(34.5%)』となりました。

過去の施策と現在の施策を比較すると、上位3つは「SNSマーケティング」「自社ブログの運営」「SEO最適化」という結果で、「SNSマーケティング」は3.6%の増加が見られ、この施策の重要性が増していることが明らかです。

一方、SEO最適化は8.6%減、自社ブログの運営は6.7%減少しており、マーケティング手法の進化が感じられます。


成果が上がっている施策とその理由

「Q3. 現在行っているインバウンド施策の状況」を問う問いに対して、成果を上げている施策は、上から『SEO最適化(93.2%)』『自社ウェブサイトのブログ運営(86.4%)』『SNSマーケティング(86.3%)』という結果が出ています。

逆に、パフォーマンスが低下している施策には『YouTubeなどの動画配信(25.0%)』『メールマーケティング(23.5%)』『ホワイトペーパーの提供(22.6%)』が挙げられます。

効果が上がっている施策には「SEO最適化」「自社サイトのブログ運営」「SNSマーケティング」があり、これらは過去からの実施率は変わらないものの、引き続きインバウンド施策で効果的と位置付けられています。

対照的に、効果が鈍化している施策には「YouTube動画提供」「メールマーケティング」「ホワイトペーパー」の変化がみられます。特に「メールマーケティング」では4.7%の大幅な減少が見られ、企業の増加や市場の飽和が影響していることが懸念されています。また、受け手のリテラシー向上も影響しているため、他社との差別化は難しくなっています。


施策の成功要因と失敗要因を検討

「Q4. 成功している施策の理由」に関する調査結果は以下の通りです。(上位3施策)

・SEO最適化

「テクニカルSEOの適切な取り組みが功を奏した」との声が多数寄せられました。

「専門チームの立ち上げ」や「アドバイザーの導入」が他でも言及されており、専門性の強化が重要な要素とされています。

・自社ウェブサイトのブログ運営

「需要に応じた運営改善が実施された」との意見があり、工夫やアウトソーシングにより成果が上がったとのこと。

・SNSマーケティング

「ユーザーの増加」が要因の一つであり、「専門部署の設置によって成果を上げた」との意見が多数ありました。

成功施策の共通点は、「専門的スキルや知識の強化」が関係しています。データ分析や顧客視点を取り入れることで施策がより進化することが期待されます。


CRMツール導入状況と満足度の調査

次に、企業が導入しているCRM(顧客関係管理)ツールについて調査しています。

顧客との信頼関係構築に重点を置き、企業がどのようなCRMツールを採用しているかを探りました。

「Q6. 現在導入しているCRMツールは何ですか?」という質問に対し、最も多かったのは『eセールスマネージャーRemix CLOUD(15.5%)』で、次に『Sales Cloud(12.4%)』『Microsoft Dynamics 365(12.2%)』が続きます。

続いて「Q7. 導入しているCRMツールの満足度はどうですか?」の質問を行ったところ、上位には『HubSpot(97.5%)』が圧倒的な満足度を示し、その後に『Sales Cloud(95.2%)』『Mazrica Sales(91.5%)』が続きました。


満足度の高いCRMツールの特長とは

満足度が高いCRMツールは「リード管理がしやすい」との評価があり、「顧客情報の一元管理」や「マーケティングオートメーションとの連携」が、利点としてよく挙げられます。


調査結果のまとめ

この調査を通じて、株式会社PRIZMAがインバウンドマーケティングの実態を明らかにしました。

分析により、「SEO最適化」、「自社ブログ運営」、「SNSマーケティング」が過去から現在にかけて引き続き重要視されることが確認されました。

成功している施策やツールには「専門性」「データの活用」「独自性」が共通要素として浮かび上がりました。これらのポイントを自社の戦略に取り入れることが、今後の成功に影響を与えることでしょう。


出典元:株式会社PRIZMA

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