株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ(東京都港区、代表取締役社長:大山俊哉、以下「ADK MS」)では、2008年から毎年、関東および関西地域の15歳から79歳の男女を対象に、オリジナル調査として「ADK生活者総合調査」を行っております。この調査では、ライフスタイルや消費行動、メディア接触などの異なる視点から生活者の実態を把握しており、この度、「ADK生活者総合調査2024」から『現代のシニアに関する最新調査結果』が発表されました。

最近、高齢者人口の増加に伴い、シニア層の消費行動は市場において重要な影響を持つようになってきています。本調査では、①幸福度 ②よりどころ ③お金の使い道 ④趣味・スポーツ ⑤終活に対する意識と行動に関し、性別および年代別に詳細な分析を行いました。その結果として、シニア世代における男女間の異なる点と共通点が浮かび上がり、現代のシニアライフの実態が明らかになりました。

※ADKでは、50歳以上を「シニア世代」と定義しています。

調査対象者は、15~19歳(n=1129)、20~29歳(n=2687)、30~39歳(n=2854)、40~49歳(n=3461)、50~59歳(n=3906)、60~69歳(n=2857)、70~79歳(n=1234)の方々です。

<サマリー>

①70代が最も幸福度が高く、全年代において女性の幸福度が男性を上回っている。

②男女間での「よりどころ」の差異。シニア男性は妻、シニア女性は子どもを重視。

③消費傾向として、女性は家族に、男性は趣味にお金を使う傾向が強い。

④年齢を重ねるごとに増す国内旅行への関心、特に男性に人気。

⑤シニア女性に強い「終活の自分事化」。終活に対する関心が薄いシニア男性も2割存在する。

<主な調査結果>

①70代が最も幸福度が高い年代で、全年代において女性の幸福度が男性よりも高い。

個人の幸せをどの程度実感しているかを「とても幸せ」を10点、「とても不幸」を0点に評価した場合、70代の平均幸福度は6.86点となり、全年代の中で最も高い結果を得ています。次いで、10代6.71点、60代6.51点、20代6.2点、40代6.11点、30代6.07点と、20~50代で一旦落ち込みつつも、60代で再び幸福度の上昇が見られる傾向があります。(図1)

男女年代別に見ても、すべての年代において男性よりも女性の幸福度が高く、とりわけ70代女性の幸福度は7.03点であり、世界水準に近づいていることが分かります。(図2)

②男女間で異なるよりどころ。シニア男性は妻、シニア女性は子どもを重視。

「自分がよりどころにしているもの」についての調査から、50代以上の全世代において、男性は「妻(夫または妻)」、女性は「子ども」が最も多い結果が見られました。

シニア男性が妻を大切にし、一緒に過ごすことを望む一方で、シニア女性は子どもを大事にしたいという意識が際立っています。この傾向はADKの生活者総合調査において約20年にわたり続いていることが分かります。

③消費の優先度、女性は家族、男性は趣味にお金を遣う傾向。

調査によると、女性は50~70代の全世代において「家族と楽しく過ごす」が最も多く、男性は50・60代では「自分の趣味やこだわり」がトップになっており、70代では「家族と楽しく過ごす」が再び1位になっています。

「よりどころに妻を求めるシニア男性」が実際には自分の趣味やこだわりにお金を使っていることが示される結果となりました。

④年齢を重ねるごとに興味が増す国内旅行、特に男性に人気。

「日常的に行っている趣味・スポーツ」に関する調査から、「1泊以上の国内旅行」を楽しむシニアの割合が、50代で約3割、60・70代では4割以上という実態が浮かび上がり、年齢が上がるにつれ旅行への関心が増していることが示されています(図3)。

男女別に見ても、男性の方が高い割合を示しており、70代ではほぼ半数近くが国内旅行を楽しんでいるという結果です(図4)。

⑤シニア女性で見られる強い「終活の自分事化」。終活を積極的に考えないシニア男性も2割存在。

「終活」という概念に対し、シニア全体の過半数が関心を抱いており、男女共に年齢が上がるにつれてその意識が高まっていることがわかりました。実際に行動を起こすシニアも増加してきています(図5)。

男女別の集計では、各世代において女性の方が「すでに終活を始めている」との回答が多いことが明らかになりました。一方で男性の約2割は「終活について聞いたことはあるが、自分で行うつもりはない」との消極的な姿勢を示しています。全体として女性がより積極的に行動している様子がうかがえます(図6)。

また、終活に対する考え方についての調査では、「断捨離」や「元気なうちから始めるべき」という意識において男女間にかなりの差が見られることが分かりました(図7)。

出典元:ADK生活者総合調査2024

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