マーケティングリサーチを手がける株式会社ネオマーケティング(本社:東京都渋谷区)が、全国の20歳以上の男女を対象にしたインターネットリサーチを2024年9月30日(月)から10月2日(水)にかけて実施し、ファンコミュニティに関する調査結果を発表しました。

<調査の背景>

SNSマーケティングの普及とともに、企業による「ファンコミュニティ」の形成が特に注目を集めています。ユーザー生成コンテンツ(UGC)やSNSのアンバサダー活用の進展により、企業はロイヤルティの向上およびブランドの差別化を図るために、このコミュニティを重要な要素として位置付けています。しかしながら、コミュニティの運営やコンテンツ作りには多くの課題が存在することも明らかです。

本調査では、更新の近い1年以内に企業や商品のファンコミュニティに参加した人を対象に、参加理由や参加後の満足度などを掘り下げ、今後のコミュニティづくりに関する貴重なインサイトを得ることを目指しています。

マーケティング活動の参考としてご覧いただければ幸いです。

【調査概要】

方法:ネオマーケティングが提供するアンケートシステムを用いたWEBアンケート調査

対象者:全国の20歳以上の男女で、直近1年以内に企業や商品のファンコミュニティに参加した方

有効回答数:937名

実施期間:2024年9月30日(月)~10月2日(水)

◆「ファンコミュニティに関する調査」主な質問と回答

◆ファンコミュニティに参加した理由:「限定イベントやキャンペーンへの参加希望」が40.8%で最多。

年代別では、20代が「ブランドの価値観やビジョンへの共感」や「製品やサービスの開発に参加したい」といった理由が多く見られたのに対し、30代・40代の参加者は「他のファンと交流したい」「同じ趣味や興味を持つ仲間を見つけたい」といったレクリエーション的な動機が多く挙がりました。

◆ファンコミュニティ参加後、良かった点は:限定イベント・キャンペーンへの参加だけでなく、知識や見解が深まったことも重要な要素。

参加者の多くが「限定イベントやキャンペーンに参加できた」と感じ、その一方で「企業やブランドに関する知識が深まった」「他のファンの意見を知る機会が得られた」という意見も多く寄せられ、参加者は予想以上の満足度が高いことが裏付けられました。

最初に、参加者がこれまでに参加したファンコミュニティの数を伺いました。

■これまでに参加したファンコミュニティの数(n=937)

ファンコミュニティ参加者の中で、71.3%が複数のコミュニティに参加していることが分かりました。

年代別では、若年層がより多くのコミュニティに参加している傾向がありましたが、「10以上」というアクティブ層では年齢差は見受けられませんでした。

次に、参加したファンコミュニティのジャンルについて伺いました。

以下に、年代別のランキングを示します。

■参加したファンコミュニティのジャンル

エンターテインメント系のジャンル、「ゲーム・漫画・アニメ」「音楽・映画・ドラマ」が全年代で上位に位置しています。対照的に、高齢になるにつれ、参加率が増加する「食品・飲料・酒類」ジャンルが特に60代以上で半数近くを占める結果となりました。

次に、ファンコミュニティへの参加きっかけについて伺いました。

■ファンコミュニティに参加したきっかけ(n=937)

「インターネット検索」「企業からのメールマガジンやチラシ」「ソーシャルメディア」がそれぞれ約30%の割合であり、主な参加きっかけとして挙げられました。

さらに、20代から40代では全体的に様々な接点が重要であることが示されています。一方で、50代以降では従来型の手法がより効果的であることが示唆されました。

続いて、ファンコミュニティに参加した理由を尋ねました。

■ファンコミュニティに参加した理由(n=937)

参加理由として「限定イベントやキャンペーンに参加したい」が最も多く、次いで「企業やブランドの最新情報をすぐに知りたい」「特典を受け取りたい」「限定商品の情報を得たい」という回答が挙がりました。特に、限定情報への関心の高さが浮き彫りです。

年代別に見ると、20代はブランドに対する共感や貢献意欲が他の世代に比べて際立っており、30代・40代は他のファンとの交流を重視していることが明確です。

参加後の良い点についても尋ねました。

以下は上位10項目を示しています。

■ファンコミュニティに参加して、良いと思った点(n=937)

参加者は「限定イベントやキャンペーンに参加できた」と実感している人が最も多く、その一方で「企業やブランドに関する知識が深まった」や「他のファンの意見を知ることができた」という自己理解の向上に対する満足感も明らかになりました。

ファンコミュニティ参加後の満足度に関する結果は以下の通りです。

■ファンコミュニティ参加への満足度(n=937)

全体の満足度は85.3%で、年代別に見ると全ての年代で80%を超えており、特に20代で「とても満足」が半数を占めました。

ファンコミュニティの推奨度についての結果は以下の通りです。

■ファンコミュニティの推奨度(n=937)

推奨度は整体で78.8%に達し、特に20代が90.0%と高く、60代は73.4%と比較的低めの結果でした。これは20代がブランドへの強い愛着を有していることを示しています。

ファンコミュニティの今後の参加意向についても調査を行いました。

■ファンコミュニティの今後の継続意向(n=937)

全体で79.6%がコミュニティ継続の意向を示しましたが、特に20代の88.6%が積極的であることが明らかになりました。しかし、満足度や推奨度が高い中で「とても継続したい」との回答は44.3%にとどまり、慎重な姿勢が見られました。

最後に、継続意向に関する自由意見も収集しました。多くの意見では、他のファンとの交流を楽しむこと、商品を向上させるためのフィードバックを行えることが指摘されています。一方で、継続意向が低い一部の意見からは、コミュニティの雰囲気に違和感を感じたり、受け入れ難いコンテンツに対する不満も上がっていました。

調査結果からは、クローズドなコミュニティ運営方法の改善が求められていることが窺え、ファンに新たな価値を提供し続ける必要性が強調されています。

出典元:株式会社ネオマーケティング

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