
全国で24時間スマホで呼べるベビーシッター・家事代行サービス「キッズライン」を運営する株式会社キッズライン(本社:港区六本木/代表取締役社長:経沢香保子)は、0~17歳の子を持つ父親265人に「父の日」に関するアンケートを実施しました。その結果について、お伝えいたします。
この記事の目次
父の日のプレゼントにほしいのは「感謝の言葉や手紙・手作りの品」が1位
「父としての自分にご褒美をもらえるとしたら、今年の父の日にはプレゼントに何がほしいですか?」という質問に対し、0歳から17歳の子どもを持つ父親265人の回答は以下の結果となりました。

【父の日のプレゼントにほしいもの】
1位 感謝の言葉や手紙・手作りの品 20%
2位 家族みんなで過ごす時間 18.9%
3位 何もいらない 16.6%
4位 自分だけの時間 15.1%
5位 アイテム(物) 9.4%
6位 子どもと過ごす時間 7.5%
7位 ギフト券・割引券 6%
8位 夫婦の時間 3.8%
9位 その他 1.9%
10位 花 0.8%
父親の2割が「感謝の言葉や手紙・手作りの品」がほしいと回答。2位は「家族みんなで過ごす時間」でした。3位には「何もいらない」、4位には「自分だけの時間」がランクイン。いずれも高価な物ではなく時間や言葉といった心の充足感を求める項目が上位になりました。
【父の日】プレゼントとして具体的にほしいものとその理由
上記の設問に加え「父の日には具体的にどんなことをしたいか、何がほしいか」についても調査を行いました。上位に入った「感謝の言葉や手紙・手作りの品」「家族みんなで過ごす時間」「何もいらない」「自分だけの時間」について詳細を紹介します。
〈1位〉「感謝の言葉や手紙・手作りの品」もらいたい言葉や相手
「感謝の言葉や手紙・手作りの品」を選んだ53人に、「具体的には誰からどんな言葉や手紙・手作りの品がほしいか?」を調査。以下、コメントを抜粋します。
●3歳の娘からもらえると嬉しい。感謝の気持ちを言葉で表したり、顔を絵で書くのが上手になったから。母の日に妻がもらっているのを見て、自分もほしいと感じた。(20代男性/埼玉県)
●子どもからの「いつもお仕事頑張ってくれてありがとう」。平日は仕事が忙しく子どもとゆっくり過ごせないのでこのような言葉をもらうと仕事を頑張ろうと思える。(30代男性/大阪府)
●子どもと妻から仕事のねぎらいと感謝の言葉。仕事について理解してくれているとありがたいから。(40代男性/東京都)
コメントでは、家族からの感謝の言葉や子どもからの手作りの品など、お金には代えられない家族からの「感謝の思いがこもったもの」が嬉しいという回答が多く見受けられました。
〈2位〉父親が「家族みんなで過ごす時間」でしたいこと
僅差で2位となった「家族みんなで過ごす時間」。50名の回答者に具体的に家族で何をしたいかを聞きました。
●最近週末も子ども達とゆっくり話す時間が取れないので、何も予定を入れずにのんびり過ごしたい。(50代男性/東京都)
●ゆっくり公園などで過ごしたい。普段忙しく、なかなか家族3人でゆっくりできないので。(30代男性/神奈川県)
●大型ショッピングモールなどでブラブラ買い物したり、ご飯食べたりしたい。平日はバタバタしてるので、子ども中心で好きなものを食べさせてあげたい。(40代男性/埼玉県)
コメントでは「家族とゆっくりしたい」という声が多く寄せられました。父親が「家族みんなで過ごす時間」がほしいと回答している背景には、日々仕事が忙しく自宅にいられる時間が短いために、家族との時間が満足に取れていない実態があるようです。
〈3位〉父親が「何もいらない」と答えた理由
父親の16.6%が選択したのが「何もいらない」という回答です。何もいらないと答えた理由を44人に聞きました。
●子ども達と過ごす時間を持てることに満足しているから(50代男性/東京都)
●毎日に満足しているし、特にほしいものもないから(30代男性/東京都)
●育児にあまり関われてなく、祝われるようなことをしていないため(30歳男性/東京都)
コメントでは、「ほしいものがない」「家族がいてくれるだけで満足」といった声がありました。父親自身が「父の日」に対して、「何かもらいたい」と感じていないことが理由と考えられます。
〈4位〉父親が「自分だけの時間」でしたいこととは?
父親の15.1%が選択したのは「自分だけの時間」。父親が自分だけの時間で何をしたいかについて聞いた結果は以下の通りです。

最も多かった回答は「マッサージ・整体」でした。寄せられたコメントの一部を紹介します。
●体のメンテナンスをする時間がないのが数年続いている体調管理でマッサージなどメンテナンスの時間がほしい。(30代男性/東京都)
●とにかく疲れている。ぼーっと何もしない時間があればいい。(40代男性/埼玉県)
●普段は仕事と育児で自分のことをする時間がないので、趣味に没頭する時間にできれば。(40代男性/東京都)
コメントからは、令和の父親は、仕事だけではなく育児にも関わっているために、自分の時間が取れないという状況が垣間見られます。夫婦で共に働き共に育てる令和の父親の多忙さが表れた結果となりました。
【母の日との比較】
キッズラインでは、2024年5月1日に「【母の日】令和のママが一番ほしいものは「自分だけの時間」キッズライン調査レポート〈307人が回答〉」を発表しています。母親にも同様の質問をした結果、1位だったのは「自分だけの時間」でした。

父親と母親の回答で特徴的な違いがみられるのは、「自分だけの時間」と「家族みんなで過ごす時間」です。
「自分だけの時間」は父親15.1%に対し母親35.5%と、母親に対して父親の回答数が少なくなっています。また「家族みんなで過ごす時間」は父親18.9%に対し母親は8.8%で、10.1%ほど父親の回答が多くなりました。
この結果から、父親は母親と比較すると「自分の時間よりも家族との時間」を選ぶ人が多かったことがわかります。
75.5%が「育児に関われている」と思うものの、49.1%が「もっと育児に関わりたい」と回答
調査では令和の父親の「育児への関わり度合い」についても聞きました。
「育児に関わる時間について、ご自身ではどのように感じているか」の回答結果は以下の通りです。

「十分に関われていると思う」「ある程度は関われていると思う」を合計すると75.5%が「自分は育児に関われている」と感じていることがわかりました。
また1年程度の間に「育児に関わる時間をどうしていきたいか」という質問には、49.1%が「もっと育児に時間を当てたい」と回答。

令和の父親は多くが育児に関して積極的で、なおかつ今後より多くの時間を育児に充てたいと考えている傾向にあることがわかります。
47.6%が「父親が育児をすること」に障壁を感じている
上記に加えて今回は、「父親が育児に関わることについて『障壁がある』と感じているか」についても調査。その結果、「とても感じる」が17%、「少し感じる」が30.6%で合計は47.6%。父親の約半数弱が「育児に障壁を感じる」と回答しました。

父親の育児への障壁、最も多かったのは「長時間労働・残業の常態化」が45.2%
父親の感じている「育児への障壁」とはどのようなものなのでしょうか?
「父親が育児に関わるにあたって障壁になっていると思うことは何か」について、選択項目の中から最大5つを選んでもらう方法で、特に障壁と感じている項目を検証しました。
以下は、20%以上だった項目のグラフです。最も多かった項目は45.2%の父親が上げた「長時間労働・残業の常態化」でした。

具体的に父親が育児の障壁として感じていることについて、コメントを抜粋して紹介します。
●収入の維持のためには長時間労働やむなしだが、そうすると子育てや家事との両立が難しくなる。また子育てや家事のスキルが低いので時間がかかり、やっと捻出した時間が有効活用できていない。「これなら外で働いていた方が家族のためか」と感じる。(40代男性/東京都)
●稼ぐことも子育ての根幹で簡単に収入を減らすわけにはいかないのが難しい。(30代男性/東京都)
●第二子誕生にともない、時短育休を申請すると上司から無視されるなどの扱いを受け、子育てを理由に休みにくい環境だと感じている。(30代男性/埼玉県)
●子育てや家庭の都合を優先することが、仕事をしていないという印象に繋がる風潮が根強くある。職場で出世したり認められるには、プライベートを犠牲にして忙しく働くことが前提になっている。子どもの行事のために有休を取ることに対して、歓迎されない雰囲気。(30代男性/神奈川県)
●出張が多く、日帰りが難しい時がある。今はベビーシッターをフル活用してなんとかしている状況。2人目などは考えづらい。(20代男性/宮城県)
●単身赴任になり、ほとんど育児には関われなくなった。管理職になると代わりの人間がおらず休暇も取りにくいため、子どもになかなか会えない。(40代男性/和歌山県)
コメントからは、育児にもっと関わりたい思いがあるものの、収入を得るために長時間労働や職場のルールに従わなければならない父親の苦しい胸の内が明らかになりました。また「男性が育児をする」ことへの上司世代の無理解も、令和の父親にとって悩みの種になっているようです。
94.7%が「父になってよかった」と実感している
最後に「自身の人生において父になってよかったと感じているか」についても聞きました。
結果、75.5%が「とてもよかったと感じている」、19.2%が「まあまあよかったと感じている」と回答し、合計94.7%が「父になってよかった」と感じていました。
ちなみに母親が「母になってよかった」と回答した割合は89.9%。父親の方が母親よりも「親になってよかった」と感じる人が4.8%多い結果となりました。

父親になってよかったと感じている理由として寄せられたコメントを抜粋して紹介します。
●毎日子ども達の写真を見返して、成長を感じたり笑顔を見ることが幸せで生きがいだから(30代男性/千葉県)
●育児は大変だけど、子どもがいない人生を想像するとやはり今よりも味気ないものになっていたと思うから(30代男性/海外)
●今まで自分のことしか考えていなかったのが、子どものために動けている自分に驚いている(30代男性/東京都)
●子どもを通じて異なる視点から社会を見る目を養えたから(40代男性/東京都)
令和の父親は育児に積極的に関わりたいが、長時間労働が障壁となっている
有配偶の男性の長時間労働は、令和5年度の男女共同参画白書でもデータが発表されています。
子育て世帯が多い20〜40代の男性では、40%以上が月25時間以上の残業をしており、46時間以上でみても20%を超えています。令和の父親は、仕事の時間的制約から育児に関わる時間が取りづらい状況にあるといえます。

今回の調査からは、令和の父親は「子育てに積極的に関わりたいが、長時間労働などの職場環境が育児の障壁となっている」状況が改めて明らかになりました。子どもを育てるためには金銭的な基盤が不可欠であるために、仕事と家庭との両立に多くの父親が頭を悩ませているようです。
また、父親と母親に同じ調査を行ったことにより明らかになったのは、育児に関わりたいものの長時間労働で思うように家族の時間が持てない父親と、ワンオペ育児によって育児に疲弊している母親の姿です。育児には金銭的な基盤と対面のコミットメントの両方が欠かせませんが、社会の意識や労働環境の整備不足から、育児世帯の親の双方が理想とする家族の生活スタイルを選択できていないことがわかりました。
これらの結果から、父の日のプレゼントに家族から「感謝の言葉や手紙・手作りの品」がほしいという父親の回答の背景には、令和の父親が置かれた板挟みの状況があると考えられます。
今年の父の日には、家族のために日々頑張っているパパに向けて「いつもありがとう」と感謝の言葉を伝えてみてはいかがでしょうか?
■調査概要
・調査主体:株式会社キッズライン
・調査期間:2024年5月17日(金)〜5月27日(月)
・調査対象:0~17歳の子を持つ父親265名
・調査方法:インターネット調査












