
楽天グループ株式会社は、2024年2月22日に楽天市場の基本出店料(月額固定費)の具体的な値上げについて発表しました。2024年4月1日からショップクーポンの有料化も始まるため、事業者にとってコストアップが続く形になるでしょう。本記事では、出店料値上げとショップクーポンの有料化についての詳細を解説していきます。
この記事の目次
楽天市場出店料の値上げ
値上げ金額と請求フロー
出店プラン | 基本出店料(月額固定費・税別) | |
変更前(~5/31) | 変更後(6/1~) | |
メガショッププラン | ¥100,000 | ¥130,000 |
スタンダードプラン | ¥50,000 | ¥65,000 |
プレミアムライトプラン | ¥39,800 | ¥52,000 |
ライトプラン | ¥39,800 | ¥52,000 |
がんばれ!プラン | ¥19,500 | ¥25,000 |
Ichiba Basic Shop Open Plan | ¥50,000 | ¥65,000 |
プランごとの値上げ額は上の表をご覧いただければと思いますが、全体的に約3割の値上げとなっております。値上げは2024年6月1日から適用されます。なお今回、固定費以外の値上げは行われない模様です。
また、値上げに伴う請求のタイミングは適用日後からに日割り計算の上、請求が行われるとのこと。スタンダードプラン(基本出店料が半年ごとの2回分割)の店舗の課金開始日が3月15日の場合、2024年3月に、旧料金にて基本出店料(月額固定費)の請求がBillPay(Web帳票閲覧システム)に開示されます。その際、2024年3月15日~5月31日分までは旧料金、6月1日~9月14日までは新料金が適用となり、6月1日以降、差額が追加で請求される仕組みです。
出店プランのアップグレード
値上げ時期とタイミングは異なりますが2024年Q3(9月末日)を目処に、画像容量及び登録可能商品数が引き上げる予定です。変更内容は下記の通りです。
■画像容量上限
- スタンダードプラン
現状:5GB
アップグレード後:100GB - がんばれ!プラン
現状:500MB
アップグレード後:1.5GB
■登録可能商品数上限
- スタンダードプラン
現状:20,000商品
アップグレード後:50,000商品 - がんばれ!プラン
現状:5,000商品
アップグレード後:10,000商品
特別措置
通常は行えない契約期間途中での解約・プラン変更が、基本出店料の値上げに際して、特別措置の実施が合わせて発表されています。お申込みフォームは2024年4月上旬を目安に案内予定とのことです。
また、解約や変更以外に、特別の事情を配慮すべき店舗においては別途相談窓口が用意されています。特殊事情相談窓口への相談・要望すべてに応えられる約束はできないと但し書きがあることから、相談する際はそれ相応ののっぴきならない理由が必要になるでしょう。
ショップクーポンの有料化
課金額と課金対象となるクーポン
2024年4月1日より、店舗により発行される店舗原資のショップクーポンが利用枚数に応じて有料化されることが決定しました。1店舗あたりの月のショップクーポンの利用枚数が50枚を超えた分に対して、1枚あたり一律50円(税別)が「システム利用料_ショップクーポン」として発生します。ただし、初年度は移行措置として、2024年4月1日から2025年3月31日まで請求額から30%減額されるとのことです。
月に90枚クーポンが利用される場合、51枚目から90枚までの40枚分が請求対象となるため、40枚×50円で2,000円(税別)が請求金額になります。また、初年度の請求金額は30%減額されるため、1,400円(税別)です。なお、請求されるのはあくまで利用枚数に対してであり、獲得枚数に対してではありません。
楽天市場内にはさまざまなクーポンがありますが、請求対象はショップクーポンのみです。店舗原資のクーポンとしてサンキュークーポンなどのクーポンもありますが、現状は引き続き無料キャンペーンの対象であり、課金の対象にはならないとのこと。
■請求対象のクーポン
- ショップクーポン(店舗原資)
■請求対象外のクーポン
- サービスクーポン(楽天原資)
- サンキュークーポン(店舗原資)
- 運用型クーポン広告(クーポンアドバンス広告・変更なし)
- 楽天市場広告・楽天グループ広告の広告掲載条件に、「ショップクーポン必須」かつ「有料広告枠を購入」している場合
請求対象となるクーポンの詳細条件
お買い物マラソンや楽天スーパーSALE時に実施される申込制の楽天発行クーポン(店舗原資)であるバラエティクーポンは請求対象となります。ただし、ダイヤモンド・プラチナ会員限定777円OFFクーポン(店内全品対象)や 100円・300円・500円・1,000円・2,000円OFFクーポン(店内全品対象)のような有料広告枠を利用する際は、請求の対象外です。
店内全商品対象クーポンと商品指定クーポンではクーポン利用枚数のカウント方法が異なります。店内全商品対象クーポンは「注文回数」に対して利用枚数がカウントされます。一方、商品指定クーポンのカウントは「対象商品点数」に対してです。一度の注文で対象商品を複数個購入される場合、その購入数分が利用枚数としてカウントされます。
請求が開始される4月1日以前に発行されたクーポンも、4月1日以降にユーザーに利用された場合、利用枚数に応じてシステム利用料が発生します。また、クーポン利用の注文がキャンセルされる場合、受注の翌月末まではキャンセルを反映し、システム利用料は発生しません。
押し寄せる有料化・値上げの波
インフレや円安などによる原価高のみならず、各所で値上げの動きが進む波が楽天市場にも押し寄せています。今まで力を入れずに出店していた小規模事業者にとっては、進退の判断が求められることもあるでしょう。
今後、配送会社による配送料の値上げが行われることも考えられるため、業務効率化によるコストの削減や、付加価値をつけることによる利益の増加を狙ったアクションが必要になります。どちらかではなく、どちらとも日々の業務の中で見直しながらコツコツと進めていくことが肝心です。
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