【ゲストスピーカー】
片岡 正徳さん
株式会社太陽 代表取締役
おもしろTシャツ専門店「俺流総本家」
【チャンネルMC】
柳田 敏正さん
株式会社柳田織物 代表取締役
ワイシャツ専門店「ozie(オジエ)」
この記事の目次
顧客の脳裏に残る尖ったブランディング

柳田さん:セルフブランディングから商品開発についてお伺いしたいと思います。片岡さん、よろしくお願いします。
Tシャツやグッズをメインに売られているとのことですが、片岡さんの個性(リーゼントなど)がどこかに活きているのでしょうか。
片岡さん:好きの反対は嫌いではなく、無反応だと思うんです。リーゼントが好きで、長いことそのヘアスタイルを続けてきたため、久しぶりに会う友達に違う髪型をしていると気づいてもらえなかったんですよね。そのため、リーゼントをやめられなくなり、気づけばリーゼント歴は20年以上になりました。
商売をするにあたっても同様で、覚えてもらえないといけません。ランチェスター戦略やペルソナを意識的に設定すると、好きか嫌いかは別として尖ったモノが意識に残るんです。そういうことを踏まえて、ちょっと尖った文字が書かれたTシャツを販売しています。
柳田さん:ちなみに今まで作成されて、面白いなと思う文字だとどんなものがあるんですか?
片岡さん:個人的に好きなのは「ティッシュの数だけ夢がある」ですね。あとは、キャバクラあるあるとかになってしまいますが、「騙されても恋は恋」なんかは、ちょっとロマンチックですよね。
アイディアから商品化までをスムーズに実現する管理体制
柳田さん:デザイン化するフレーズはどうやって思いつくんですか?
片岡さん:常に考えています。あと、できるだけメモを取るようにはしていますね。
柳田さん:ぱっと思い浮かぶようなキーワードではないですよね。
片岡さん:例えばこういう風に喋っている中で、誰かが発した言葉が面白ければ、それをメモして残しています。そのため、メモはもう年がら年中していますね。
当店の強みは、サンプルを作る必要がなく、Tシャツに画像を合成するだけでいいので、販売戦略としてロングテールの裾野を広げることに注力しています。デザイン1つにつき1人に買ってもらったら良いつもりで商品を作っているのです。その積み重ねで今は1万アイテムを超えています。
柳田さん:商品数はまだ増えているんですか?
片岡さん:目標として、10万点くらいを目指そうかと思っています。仮に売れるのが1枚ずつだとしても、売上はそれなりのボリュームにはなりますよね。
柳田さん:そりゃそうですよね。でも管理が大変ではないですか?
片岡さん:JANコードで全て管理しています。先にスプレッドシート上にJANコードを作り、面白いフレーズを思いついたら、そこに埋めていくんです。どれが当たるかわからないので、どんどん作っちゃっています。
初めて出たヒット商品は放送禁止用語が書かれていて、「誰がこれを着るんだろう」って思ったんですけど、なんでかヒットしちゃったんですよね。
柳田さん:放送禁止用語の書かれたTシャツを外で着る人がいるってことですか?
片岡さん:はい、「夢と○○○は大きいほうが良い」と書かれたTシャツが、累計で2,000枚ぐらいは売れていますね。このデザインだけで2,000人が着てくれていると考えると、買いたくなるような面白いと感じてもらえるアイディアを書き留めて、どんどん世に出していこうと思います。

尖り過ぎるゆえの弊害とは?
柳田さん:販売先はモールをメインにしているんですか?
片岡さん:モールがメインですね。
柳田さん:それで規制にあうことはないんですか?
片岡さん:一度Amazonにアダルト商品だと判定されたことがありますが、Tシャツだと伝えたら取り消してくれましたね。売上が一定規模あったのでAmazonの担当さんがついてくれていたから、免れられた可能性も考えられます。
ちなみにFacebook広告も結構回していますが、しょっちゅう止まるんです。当店の場合は、Tシャツに文字がいっぱい書かれているので、その文字が機械的判断でNG判定されてしまいます。一度NG判定されるとFacebook広告の審査が人力に変わるんですが、それで通らないことも多く、広告を活用して認知を拡大するのは大変なのかもしれません。
柳田さん:Facebook広告はクリックされればされるほど露出される傾向にあるので、潜在的にはみんな欲しいと思っているんでしょうね
片岡さん:尖っている人は尖ってるモノを探しています。そういう人に合わせているので当店はやっていけているのかもしれません。
柳田さん:尖り過ぎていても2,000枚売れることもあるのは驚きです。
売上の3割を占めるオーダー制のオリジナルグッズ
柳田さん:その次に売れているのはどんなデザインですか?
片岡さん:決まったデザインから買うという傾向が変わり、オリジナルで作る方が3割くらいになってきました。
柳田さん:お客さんが希望するフレーズをプリントするということですか?
片岡さん:そうです。
柳田さん:良いフレーズを商品化することはないんですか?
片岡さん:したいと思えるモノもありますが、それはお客さんの言葉なので商品化はしていません。
柳田さん:オリジナル商品やJANコードを利用した管理方法など意外といろいろと考えられているんですね。
片岡さん:JANコードの管理方法はもともと型番商品を販売していた経験の延長から来ています。そのやり方を踏襲しているので、他の方法は知らないんです。
柳田さん:ある意味それが良かったのかもしれないですね
片岡さん:1万点以上まで商品が増えてしまうと、何かしらの管理方法を知っていないと、多分受注が来ても生産できる状態ではなかったんじゃないかなと思います。
おわりに:アイディアの着想は日常に
エッジの効いたフレーズのデザインTシャツを1万点以上販売する片岡さんは頻繁にメモを取ると話されていました。日々さまざまな情報に触れる機会がある中で、ただ何となくその情報を流してしまっていることもあるかと思います。本当に自分にとって必要な情報を記録し、見返し、活用することまでできるのが理想的ではありますが、面白いと思ったことをメモして簡単にでも発信する習慣をつけると自分の血となり肉となるのではないでしょうか。
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