
BASEのネットショップ開設数は2023年6月1日に200万を突破しました。個人・法人・自治体などの行政をはじめ、多くの方に愛用されていますが、流通金額の約50%がファッションジャンルです。ファッションの領域で継続的に売上を伸ばすには、季節性やトレンドを見極めた商品展開が肝になります。そこで、今回はファッション事業者向けに、商品仕入れについて、BASE株式会社(以下、BASE)のBizDevSection Manager 和田広大さんと、韓国ファッション仕入れサービス「シンサンマーケット」を運営する株式会社DEALICIOUS(以下、DEALICIOUS)のパク・ソヒョンさんに伺いました。
この記事の目次
BASEがさまざまな仕入れサービスと連携している理由
――非常に多くの事業者に愛用されているBASEですが、どういった特徴をお持ちの事業者様が多いのでしょうか?

和田さん:初期費用・固定費をかけずにネットショップを開設できるため、個人やスモールチームの方も多くいらっしゃいます。また、ご自身でオリジナルの商品を製作されている方が多いですが、SNS上での影響力を武器に、仕入れサイトからショップオーナーの目利きで商品をセレクトして販売に繋げている人が増えてきていることも特徴です。
しかし、キャッシュを潤沢にお持ちでない場合は、仕入れを行うにしても買い付けのロットが少量になるため、仕入れ先を開拓する難易度は高くなってしまいます。
そこでBASEでは拡張機能「BASE Apps」で提供している、仕入れサイトの「スーパーデリバリー」や、Tシャツなどのオリジナルグッズを簡単に作成できる「オリジナルプリント.jp」との機能連携により、ネットショップ初心者の方が高いハードルを感じることなく、商品の仕入れを容易に行える環境を整えてまいりました。また、中国から商品を輸入することが可能な「タオバオ新幹線」とも機能連携しています。

パクさん:弊社は韓国ファッションの仕入れサービス「シンサンマーケット」を運営していますが、BASEを利用されている事業者様は多いですね。
日本の事業者様が韓国のファッションアイテムを仕入れるには、韓国ファッション産業の心臓と呼ばれている東大門市場で現地の卸売業者と交渉することが一般的でした。年間で1兆5,000億円~2兆円ほどの取引が行われる東大門市場。シンサンマーケットには東大門市場の80%となる1万1,000店の卸売業者が出店しており、韓国に行かずともオンラインで韓国ファッションの仕入れを完結できるのです。アプリダウンロード数は170万を突破しています。
もともとは韓国と中国の事業者向けにサービスを展開していたのですが、日本でも利用されている事業者様はいらっしゃいます。特に、コロナ禍で韓国に行くのが難しくなったこともあり、シンサンマーケットの利用者が増えました。
そのような背景から、BASEを筆頭にネットショップを開設した事業者様が気軽に仕入れを行えるように、2022年9月から日本向けにもサービスを本格的に展開したのです。

和田さん:事業者の皆様が売上を伸ばすためには「いかに商品を差別化できるか」という意識が重要だと感じます。そう感じる理由に、国内だけではなく、海外から独自性のある商品を仕入れる事業者様が売上を伸ばしている事例もあるからです。
仕入れサービスを活用する際、価格競争にさらされないためには?
――商品の独自性が大切である一方で、EC・物販初心者にとって他社と全く異なる商品を仕入れることは難しいと思います。仕入れサービスを活用するにあたって注意すべき点はありますか?
和田さん:最近は、気になった商品を決済する前に商品画像でGoogle検索をするお客様もいらっしゃいます。その商品が他のショップでも販売されていると、検索結果に横並びで表示され、価格競争にさらされてしまうのです。
そのため、事業者の皆様は取り扱う商品を画像検索でリサーチしてから仕入れるか、ブランディングの観点から多少コストを掛けてでもモデルを起用して商品写真を撮り直す必要があると考えています。
パクさん:シンサンマーケットでは毎日1万2,000点以上の新商品がアップされているので、そう簡単に商品が被ることは考えづらいです。また、サイト内の商品写真はそのまま転用することを禁止しています。もし、商品写真を利用したい場合は、利用許可が必須であるため、同じ写真がいろいろなECサイト上に流通しづらい仕組みになっています。さらに、一般向けに情報を公開していない完全会員制のサイトとなっているので、一般消費者が画像検索をしても、元値や仕入先が見つかってしまうことはないでしょう。
シンサンマーケットの魅力と韓国ファッションのトレンド
――日々更新される膨大な商品数とBtoB会員制のクローズドな仕組みづくりなど、オンラインの仕入れサービスでありながら独自性の高い商品仕入れができそうですね。シンサンマーケットでは具体的にどのような商品の仕入れができますか?

パクさん:東大門市場のほとんどの卸売業者の商品を仕入れられるため、商品の幅は非常に広いです。最近流行のY2Kファッション、ユニセックスアイテム、ゴルフウェアやヨガウェアなどのスポーツウェアなど、韓国国内の最先端のアパレルのほとんどが仕入れられると言っても過言ではありません。
他にも、洋服に限らず鞄や靴、小物などファッションアイテムまで対応しており、最近は子供服に強い南大門のアイテムも増えています。今後も仕入れの選択肢は増やし続けていく予定です。また、事業者向けの機能として、サービス内で画像検索を展開しているので、数多くの商品から自社のショップに合う商品を見つけやすい仕組みになっています。
和田さん:韓国ファッションはレディースから火が付いたかと思いますが、メンズ、ユニセックスのショップも見るようになってきています。韓国から仕入れたとわかるシティボーイ向けのショップや高級感のあるモードなテイストのショップなど、ひとえに韓国ファッションと言ってもバリエーションが広がっている印象です。
パクさん:シンサンマーケットは、圧倒的な商品数を揃えているため、いわゆるKファッションだけではなく、和田さんがおっしゃったようなシティボーイっぽいメンズものやシンプルなもの、韓国らしい可愛い色合いのものなど、多様でユニークなデザインの商品も多いです。
日本のお客様に韓国ファッションが浸透している理由に、韓国産の商品が価格に対し安定した品質であることが考えられるでしょう。なお、シンサンマーケットは商品のお届けにあたって韓国国内で検品を行っているので、安心して販売することが可能です。エスクロー決済を導入しているので、安心してご購入いただけること、日本語でのカスタマーサポートや返金対応も整っており、商品面・サービス面ともに、事業者の皆様が快適に仕入れられるような工夫をしています。
また、海外発送をともなう取引ですので、通常は仕入れ1回あたり3万円以上の注文金額制限を設けていましたが、現在は1人でも多くの方にシンサンマーケットの良さを感じていただきたく、注文金額の制限を撤廃するキャンペーンを開催中です。このタイミングお見逃しなくご利用ください!

アウトソーシングやツール・システムをうまく使いこなせるかが鍵
――最後にこれからEC・物販に力を入れようと考えている事業者の方に向けてメッセージを頂けますか。
和田さん:ネットショップを運営する上で必要な知識やスキルは、SNSの多様化や仕入れサイトの増加により年々複雑になっています。一方で、専門家の手を借りることやウェブサービスなどの活用で、そういった複雑な部分も解消することが可能な時代になっています。苦手なことを自分がやらなくても済む環境を作り、ご自身は得意なことに集中し、ショップの付加価値を高められる機会が増えています。
BASEとして、1人、もしくは少人数で頑張っている方が、アウトソーシングやツール・システムを活用し、より簡易にショップオーナーが実現したいネットショップ運営を可能にする支援を行っていきたいです。
パクさん:シンサンマーケットは、個人でのショッピングとしてのご利用はできませんが、BASEのようなネットショップをお持ちの仕入れ目的の方であればショップ開設直後でも審査をお通しできます(※)。月額固定費はかかりませんので、これから物販を始めようとお考えの方はまずはご登録いただき、商品のラインナップをご覧いただけますと幸いです。
(※)シンサンマーケットのアカウント開設は諸条件により審査が行われるため、審査の通過は確約できません。
インタビューを通して:お手頃価格で確かな品質の商品をお客様の手元へ
集客や接客などネットショップを運営するために必要なことは多々ある中で、何よりも大切なことはお客様に満足いただける商品を提供することだと思います。良い写真を商品画像にしたとしても、手元に届いた商品の状態が悪いとお客様は離れ、低評価な口コミがすぐに広がってしまうかもしれません。
取材の中でパクさんは「中には中国ほど安価ではない商品もありますが、丁寧に作られた洋服をしっかりと検品してお送りしています。また、事業者様の満足度を大切にしているため、仕入れた商品が写真と大きく異なることは少ないと思います」とお話していました。シンサンマーケットはネットショップ運営が初心者の方のみならず、商品のラインナップを拡充したい方など、幅広く活用いただけるサービスかと思います。注文金額の制限がない今のタイミングに、まずはどのような商品が仕入れられるか確認してみてはいかがでしょうか。
韓国ファッション仕入れサービス「シンサンマーケット」
https://sinsangmarket.info/jp
ネットショップ作成サービス「BASE」
https://thebase.com
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