
グーグルは2023年1月21日に、Google オプティマイズ及びオプティマイズ 360のサポートを終了することを発表しました。これにより2023年9月30日をもって上記のサービスが利用できなくなります。本記事では、Google オプティマイズのサービス終了の背景や今後の動向について解説していきます。
Google オプティマイズとは?
Google オプティマイズとは、Googleが無償で提供するA/Bテストやページの出し分け(リダイレクトテスト)、複数の要素の組み合わせを試す多変量テストなどを可能にするサービスです。Googleアナリティクスと連携することで計測から分析まで簡単に行えます。Google アカウントさえあれば誰でも利用することができ、Google オプティマイズやGoogle アナリティクスで効果を閲覧できます。なお、Googleオプティマイズ360は、Google オプティマイズの有料版のサービスです。
ECサイトでは広告の飛び先であるLP(ランディングページ)や、サイトデザインやレイアウトの変更による効果測定を行う際に利用されることが多いです。無償で利用できることもあり、ECサイトに限らず幅広い業種業界に浸透しています。
Google オプティマイズ サービス終了の背景
2023年9月30日をもってGoogle オプティマイズのサービスが終了します。サービス終了の背景にはGoogle アナリティクスのバージョン変更が考えられるでしょう。
参考:ユニバーサル アナリティクスが2023年7月に終了!EC事業者がGA4に向けた今後の対応について
UAとGA4の大きな違いは反映される数値の計測方法にあります。UAはセッションベースで計測し、ページビュー(PV)が数値の指標として使用されています。一方で、GA4はイベントベースで計測するため、直帰率や離脱率のようなUAにある指標が廃止になったり、セッションが切れる時間などが異なったりします。このような理由で、UAとGA4では反映される数値が異なり、全く別の分析ツールであるといわれることが多いです。
2023年7月1日をもって終了するUAに代替するサービスであるGA4とGoogle オプティマイズの統合は2022年2月に発表されていました。連携に関しての詳細は2022年6月に案内されています。
参考:[GA4] Google オプティマイズとの統合
参考:Google アナリティクス 4 とオプティマイズの連携のご案内
UAからGA4に移行する流れを受け、Google オプティマイズも同様にGA4に移行する動きが取られていました。しかし、既存のGoogle オプティマイズとGA4の統合では一部機能に制限があるなど十分な効果検証ができないという課題がありました。その結果が今回のサービス終了につながっていると考えられます。
今までのテストデータは?
過去のデータは2023年9月30日までにダウンロードすることが推奨されています。それ以降はGoogle オプティマイズのデータ及び、GA4のデータは閲覧できなくなります。合わせて、現在UAを利用している方はUAのサービス終了までにデータをダウンロードするといいでしょう。
今後のA/Bテストはどうする?
現時点でGoogleからはGA4のA/B テストに投資を進めていると公表されているのみであるため、サービス終了の期日までに代替するサービスが出るかはわかりません。同様の機能がリリースされるかもわからないため、現状は待ちの姿勢になるかと思います。
Googleが提供する以外のサービスで代替することを視野に入れても良いかもしれません。その際、A/Bテストによる月の売上・利益の貢献額を算出するといいでしょう。どの程度費用をかけて取り組むかを参考にすることで、サービス導入の判断基準になるからです。
また、A/Bテストによる貢献額が担当者の月の稼働量にあっていないケースもあるでしょう。こういった外部環境の変化は、ルーティン化された業務を見直し、貢献度の高い施策にリソースを当てるチャンスにもなりえます。このタイミングに一度自社の環境を見直してみてはいかがでしょうか。
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