消費者の50%以上がサステナビリティを理由に配送時間が長くなることを受け入れる結果に

サステナビリティと配送に関する調査結果

オンラインショッピングを利用する人の半数以上が、サステナビリティに配慮したショップからの配送であれば、通常よりも時間がかかってしまっても待つことができると回答しています。特に、食料品とファッションを購入する際に、環境について意識する人が多いようです。しかし、環境に配慮した配送のために追加料金を支払う意思がある人は、5人のうち1人となっています。

本記事は、ソフトウェアサプライヤーであるデカルト・システムズ・グループが行った調査結果の一部を紹介します。カナダ、アメリカ、ヨーロッパ9カ国(イギリス、オランダ、ドイツ、ベルギー、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、フランス)から8,000人の消費者を対象にした調査です。

環境に配慮した配送であれば、消費者の半数以上が待ち時間を気にしない

調査によると、オンライン経由の注文のうち、宅配の割合が平均で46%となっています。宅配が最も多いのはイギリスとオランダで、54%です。

スウェーデンでは現在、宅配の割合は42%と他の国と比べると低いですが、この数字が将来的には50%近くまで増加するといわれています。

消費者のうち50%はサステナブルな配送に関心を持っています。特に、複数の注文を1つに組み合わせた配送方法やクリック&コレクト(店舗受け取り)に強い関心を示しているのです。オンラインショッピングを利用する消費者の半数以上(54%)は、サステナブルな取り組みをしている事業者からの配送であれば、商品の到着に通常よりも長い時間がかかったとしても待てることがわかりました。

不安視される食料品とファッションのサステナビリティ

フランスでは49%、ドイツでは48%、ベルギーでは46%の消費者が、購入前にサステナビリティを最重要視しています。消費者が環境について最も懸念している商品カテゴリーは、食料品と衣類・靴です。

食料品が環境に与える影響について、ドイツでは、46%の消費者が懸念を抱いています。一方で、オランダでは21%となっているように、国によって違いがあるのです。スーパーマーケットの食料品では、半数以上の人が、より持続可能性の高い商品であれば、注文した商品を店舗で受け取りに行くと答えています。同様に、ファッションの買い物では、45%もの人が店舗で受け取りに行くとのことです。

環境配慮よりも選ばれる利便性と安さ

ここまで環境に配慮する話をしてきましたが、消費者の40%は、依然として持続可能性よりも利便性を重視しています。環境に配慮した配送のために追加料金を支払う意思がある消費者は、5人中1人に過ぎません。しかし、この数字は、50歳以上が14%であるのに対し、Z世代とミレニアル世代が27%と高くなっています。

若年層に浸透するSDGsの意識

SNSの浸透により、Z世代やミレニアル世代は今までの世代が見ることのなかった現実を見る機会が増えています。そういった環境下に世界中で推し進められるSDGsの動きが徐々に浸透していることが調査の結果からわかっています。

これはヨーロッパに限った話ではなく、日本を含む先進国に共通した話として捉えることができるのでしょう。ハイブランドのようなマスメディアを通して伝えられるアイコニックなブランドから、共感を重視したコミュニケーションを取れる距離感にあるブランドへと消費者のニーズが動いています。自社には関係のないことと考えていると取り残されてしまうかもしれません。

※この記事は「Ecommerce News」に掲載されているニュースをもとに翻訳しています。日本のEC事業者の方の参考になればとのことで、Ecommerce News社にご協力いただいております。

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