
株式会社YTGATE(東京都中央区、代表取締役:高橋祐太郎)が、同社が提供する決済最適化SaaS「YTGuard」の利用企業を対象に、2025年6月から10月にかけての決済エラーの動向について分析を実施しました。分析の結果、お盆期間や秋の商戦時期など決済が集中するタイミングでは、7月と比較して決済エラー率が顕著に上昇し、特にお盆期間(8月13日から21日)にピークを迎えることが明らかになりました。
特定の日に集中して発生する大口取引(外れ値)を除外した取引ベースで算出した場合、7月の決済エラー率は6.76%であったのに対し、8月は11.76%(約5.0ポイント増)に達しました。さらにお盆期間に限定すると13.62%(7月比で約6.9ポイント増)まで上昇しています。秋の商戦が本格化する10月末にも第2のピークが確認されており、10月31日には16.87%に達しました。取引量の増加が承認率の低下を引き起こす構造が、時系列および日次の両面において確認されています。
なお、本分析は2025年の実績に基づく季節的な傾向を示すものであり、本年の速報値ではありません。また、2026年6月のデータは前年同月比の参考値となっています。
調査の概要
今回の調査は、YTGuardを利用する加盟店の中からランダムに抽出した実取引約1,000万件を対象として実施されました。調査期間は2025年6月から10月、および2026年6月となっています。調査方法としては、YTGuardを利用する企業の決済データを同社が独自に分析・集計しています。
本リリースで公表されているエラー率については、季節変動の実態をより正確に捉えるため、特定日に大量の取引が集中する外れ値を除外して算出されています。これらの外れ値は一部の大口加盟店に起因するとみられる、エラー率が構造的に低い取引です。本文中の数値はすべて除外後の値であり、これらを含めた全取引ベースでは、2025年6月から10月の平均エラー率は約8.5%(除外後は約9.5%)となっています。なお、お盆期間(8月13日から21日)および10月末の日次数値には除外対象日が含まれないため、除外の有無にかかわらず同一の値となります。
時系列でのエラー率の推移
7月から8月にかけて決済エラー率は上昇傾向を示し、秋の商戦期(9月から10月)においても平常月を上回る水準で推移しました。
日次で見たピークの詳細
お盆期間(8月13日から21日)における日次のエラー率は以下の通りです。
- 8月13日(水):16.47%
- 8月14日(木):13.52%
- 8月15日(金):10.11%
- 8月16日(土):16.52%
- 8月17日(日):15.04%
- 8月18日(月):12.40%
- 8月19日(火):10.63%
- 8月20日(水):14.66%
- 8月21日(木):14.29%
お盆期間(8月13日から21日)を通算した決済エラー率は13.62%となり、7月(6.76%)の約2倍に相当する数値となっています。
秋商戦期(10月末)のエラー率
10月末における日次のエラー率は以下の通りです。
- 10月25日(土):14.96%
- 10月26日(日):15.55%
- 10月27日(月):8.62%
- 10月28日(火):13.30%
- 10月29日(水):9.60%
- 10月30日(木):11.35%
- 10月31日(金):16.87%
セールや月末の駆け込み需要が重なる10月末には、エラー率が調査期間中の最高値まで上昇しました。
エラー要因の内訳について
決済エラーの理由を分類した結果(2025年6月から10月)は以下の通りです。
決済エラー全体では「未分類」が38.7%を占めています。そのため、要因を特定できたエラー(全体の約6割)に絞って見ると、最も多いのは「3Dセキュア認証の失敗」で約47%(全体では28.9%)、次いで「カード会社による非承認」が約40%(全体では24.6%)を占めました。カード情報の入力誤りや残高不足よりも、本人認証(3Dセキュア)とカード会社の審査という「決済のつなぎ目」で失敗が集中していることが特徴的です。
また、決済エラー全体の約4割(38.7%)を占める「未分類」については、決済処理が完了する前にユーザーが離脱したケースが主な要因とみられています。認証画面まで進んだものの、そこで手続きを完了できずに離れてしまう取引が相当数含まれている可能性があります。
前年同月との比較(参考)
参考として、6月単月の決済エラー率を前年と比較すると、2025年6月の8.80%に対し、2026年6月は5.80%と低下しています。ただし、この1年でYTGuardの利用企業は拡大しており、集計対象の取引量は約2.4倍に増加しています。比較対象となる母集団(利用企業や商材の構成)が異なること、また同社が継続的に承認率改善の支援を行っていることから、この数値は参考値となります。繁忙期の傾向を示す本リリースの主眼は、母集団が共通する2025年内の比較にあります。
分析結果のまとめと今後の展望
今回の分析により、お盆や秋の商戦のように決済が集中する時期には、平常月と比較して決済エラー率が上昇することが明らかになりました。エラーの内訳を見ると、要因を特定できたエラー全体の約半数(47.2%)が「3Dセキュア認証の失敗」によるものでした。
この背景には、繁忙期特有のユーザー構成の変化があると考えられます。各ECサイトがキャンペーンを積極的に展開するこの時期には、普段はあまりECを利用しない層や、購入頻度の低いユーザーの流入が増加します。こうしたユーザーは操作に不慣れなことも多く、3Dセキュアなどの本人認証やカード情報の入力でつまずきやすく、離脱につながりやすい傾向があります。マーケティングが加速して取引が増える一方で、操作ミスや入力ミスといったユーザー起因のエラーも増え、スムーズに決済を完了できないまま、知らぬ間に失注が積み上がる循環が起きていると想定されます。
もっとも、これらのエラーの多くは「取り戻せる失注」でもあります。なかでも有効期限やセキュリティコードの入力誤りといった、繁忙期に増えるタイプのエラーほど復帰しやすい傾向があります。裏を返せば、繁忙期に生じる1割を超えるエラーは、最も売れる時期の機会損失に直結する一方で、認証設計や案内の最適化によって取り戻せる余地が大きいということです。
だからこそ、商戦のピークを迎える前の今こそ、3Dセキュアの運用設計やPSP設定、不正検知ルールを含む決済環境の点検が重要になります。同社では決済承認率について95%以上を目指すべき水準と設定しています。決済エラーは「見えない機会損失」であり、数%の改善が売上に大きな影響を与えることもあります。繁忙期を控える企業は特に、自社の決済承認率がどの水準にあるかを把握し、改善に取り組むことが重要です。
同社は、KPIの一つとして「決済承認率に対する認知度の向上」を掲げています。今回の診断で得られた知見に加え、独自の決済ノウハウをもとに、より精度の高い決済承認率の改善支援を続けることで、EC業界全体の健全な成長と安心・安全なオンライン取引環境の実現に貢献していくとしています。
YTGATEの会社概要
会社名:株式会社YTGATE
代表者:代表取締役 高橋祐太郎
所在地:東京都中央区新富1-8-2 Grandir Ginza East 5F
設立:2023年10月2日
事業内容:決済関連コンサルティング事業、決済承認率改善支援、決済最適化SaaS事業
同社は「決済を最適化し、世界をつなぐ。」をミッションに掲げ、決済承認率の向上を支援し、国内外のクレジットカード加盟店向けに決済効率化、安全対策、データ可視化などを包括的に提供しています。決済領域の専門家として、最適化された決済インフラを構築し、国内外のビジネスや生活をスムーズにすることを実現します。
出典元:株式会社YTGATEのプレスリリース














